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2018年01月27日

年越し蕎麦は「温か冷か」どっち?

紅白歌合戦が終わると、温かい年越し蕎麦の時間だ。年を越す直前に食べるものだと、子どもの頃から当たり前に、そう思っていた。諸説あるそうだが「今年1年の厄を断ち切る」ために大晦日に食べる縁起物だというのが一般的らしい。だから大晦日なら何時でも良いのかもしれない。ある大晦日の昼頃のこと、「かんだやぶそば」へ向かうため大手町から丸ノ内線に乗り淡路町で降りた。不慣れなグーグルマップを使って店に向かおうとするが、うまく使えない。何となく方向は間違っていないので、途中で誰かに聞けばすむことだと思っていた。しかし場所が分からないなどという心配は全く当てはまらなかった。ものすごい行列に出会ったのだ。明らかに「かんだやぶそば」の行列だと直感した。と同時に「かんだやぶそば」での年越し蕎麦を断念した。200m位の列の最後に並ぶ勇気はない。試しに先頭まで歩いてみたが、店の周囲でさらにつづれ織りに並んでいた。笑うしかなかった。翌年の大晦日は軽井沢にいたが、この苦い経験に基づいてタクシーに乗り、早めに開店前の蕎麦店に着いた。地元では有名な店のはずだが、並んでいるのは10組くらいだった。しかし、僕たちの後から、ぞくぞく来店客が押し寄せ、100人以上は入れる店が20分ほどで満席ウエイティングになった。一番人気は「天せいろ」だというのでオーダーしたが、「年越し蕎麦は温蕎麦だろう」という心の声が聞こえ、少し後悔した。蕎麦は「ご当地」のものなので、違いがあって楽しい。この店は、つけダレにクルミをつかう「くるみダレせいろ」で有名だが、今日は定番の味を楽しんだ。大ぶりの有頭海老2本に「これでもか」とばかりの衣をつけた天ぷらが、ドーンと出てきた。野菜の天ぷらもでかい。素材のサイズにテンションが上がって、大きな音を立てながら、一気に頬張っていった。歯ごたえは強いが、きれいで美味しい蕎麦だった。蕎麦湯で暖を取りながら「年越し蕎麦は、やっぱり温蕎麦だったかなあ」と一人ごちた。年を取ると歯切れが悪くなる。

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