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2018年10月26日

散歩の途中で「串カツLOVE」

そういえば、エスカレーターでは右側へ寄って左を開けるんだったな、と大阪・梅田のエスカレーターで思い出していた。東京は左側に寄るし、金沢も左のように思う。右と左のマナーは東西の違いなんだろうか。そして、大阪のヒトは歩くのも速いと聞いたが、どうだろう、週末は、そうでもないようだ。

地下鉄御堂筋線の「動物園前」駅で降りた。散策のスタートだ。B面企画「仲間に会いに大阪へ」の下見もかねて、はじめて訪れるエリアだった。目的地は通称「新世界」、2度づけ禁止の串カツや、通天閣のおひざ元、そして少し危険な香りも含んだディープなエリアな印象をもっていた。JR環状線なら「新今宮」駅で下車することになる。駅の北側に進めば新世界、南へ進めば「西成」だ。西成は、あいりん地区とか釜ヶ崎と呼ばれる最もディープなエリアだが、最近では簡易宿泊所をつかうバックパッカーなどが出入りするほど健全になったのだという。でも昭和育ちの僕にとっては、まだまだ抵抗感は否めない。昨年春、あの「星野リゾート」が新今宮駅前に進出するというニュースがリリースされ、業界が湧いた。リゾートという言葉とは正反対な印象のエリアに、観光に特化した新しい都市型ホテルを作るのだという。2022年開業のホテル敷地は、まだ雑草だらけの空き地だった。ここにホテルとは。たしかに誰もが驚く場所だった。

新世界へ向かうと最初に「ジャンジャン横丁」を通ることになる。チープな看板がかかったアーケード街なのだが、道幅は2mほど、とても狭い通りで、左右に店があり、人でごった返している。「串カツ」とか「どて焼き」と書かれた暖簾が並び、外に行列ができる繁盛店がいくつもあって、狭い通路を、さらに狭くしている。大小さまざまな店が200mほど並ぶが、どれもこれも串カツの店に見える(笑)。店の喧騒や串カツの匂いが充満していて、エキサイティングな気分になるから不思議だ。ここなら並ぶ時間も楽しそうだ。想像とは違っていて、利用客はフツーのカップルや観光客だらけだ。酔っ払いのおっちゃんなどは、まったくいなかった。

横丁のアーケードを抜け、左に折れると「通天閣本通り」に出る。通天閣を向こうに見上げる「串カツワールド」だ。とにかくデコレーションされた看板がすごい。道頓堀もそうだが、デカくて作り込んでいて、すごい看板ばかりだ。外国人はもちろん、ベビーカーを押すファミリーや、カップル客で一杯だった。店頭には「串カツ」表示が連打されている。とても繁盛している店と、まったく客がいない店が両方あって面白い。事前にクチコミ情報などを調べると、こうなるのだろう。看板が面白くても、入りたくなるわけではない(笑)。

通天閣は思ったより迫力ある建築物だった。その向こう側にも商店街があるようだが、今日はUターンしてきた。商店街がとにかく元気だ。このエリアの右側には、駅名の通り、天王寺動物園や市立美術館などがある広大な「天王寺公園」があるようだ。また隣駅の「天王寺」には、あの「あべのハルカス」がある。オープンの頃の熱気は冷めたが、今もたくさんの利用客で沸いていた。B面企画の舞台として妥当かどうかは別にして、刺激的で、とても楽しい散策なのは間違いない。ひと通り歩いたら、ジャンジャン横丁に戻って、のれんをくぐろう。揚げたての串カツにビールだ。こんな楽しいエリアに着目するとは、星野さん、やっぱりあなたは凄い発想の持ち主なんだね。

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