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2019年01月31日

出し巻きは蕎麦屋に限る

新年1月も、すでに2週間経ってしまった。年齢を重ねるにしたがって、本当に毎日があっという間に過ぎていくようになる。年始にはいろいろあって、地元の神社での初詣が、まだ出来ていない。今日こそは、白山さんへ行こうと思う。さほど信心深いわけではないが、長年つづけてきた習慣が途切れるのには、少し抵抗感がある。
実は先週も、用事のついでに白山さんへ向かったのだが、鶴来警察署から坂道を数分走ったところで渋滞につかまり、ウンともスンとも動かないので、Uターンしてしまった。用事のついで、というのがダメなんだ、神様に失礼なんだ、などと、その日は自分に言い聞かせて、少しばかり反省したはずだ。なのに今日は今日で、せっかくだから、ついでに旨い蕎麦を食べよう、などと企んでいた(笑)。道順からすれば草庵(蕎麦屋)が先になる、蕎麦で腹ごしらえをしてから、初詣に向かおう。

やっぱり、白山さんは機嫌が悪いのか、この日も坂道の途中で渋滞に引っかかってしまった。2週連続だ。こんな時期にも渋滞するのか?と思いながら、思い出した。三が日が過ぎても白山さんは混雑するんだった。ずいぶん前にも同じ経験をしていた、物覚えが悪いだけのことだな。ゆっくり進む渋滞の列に並びながら、ようやく草庵に到着した。ここも、いつも通り長蛇の列だ、僕と同じことを考えている奴は、たくさんいるということだろう。女将さんと新年のあいさつを交わしながら席に着いた。

最初に出てきたのは「出し巻き玉子」だ。ここの出し巻きは、僕の理想とするタイプ。つまり大量のダシを含んでいて、切ると断面にダシがキラキラ輝く、見るからに旨そうだ。そして、これが特徴なのだが、時間経過とともに中のダシが、周囲からにじみ出てきて、皿にこぼれ始める。イカンイカン、熱々のうちに大きく切って急いで食べることだ。名人の寿司職人の寿司が空気を一緒に握るように、出し巻き玉子も出来立てが命だ。大量のダシを包んでいられる時間には限りがある。写真を撮ってる場合じゃなかったなぁ、反省だ。早く食べよう、出し巻き玉子は蕎麦屋に限る。

あつあつのうちに出し巻きを平らげ、天ぷらをつまむと、日本酒が欲しくなる。ここで旨い冷酒を一杯やりたい、しかしこれを我慢しながら、旨い蕎麦をたぐる。やっぱり今日も、ここの鴨せいろは絶品だ。満足して草庵を後にし、バイパスに出ると、渋滞はまだまだ続いていた。ようやく境内に入ったのだが、行列は車だけではなかった。参拝する人の列は、下の駐車場から順に長い長い列になって、参道を埋め尽くしていた。

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