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2019年04月12日

オヤジのそんなひととき

サンダーバートの発車時刻まで時間があったので、京都駅直結の某ホテルのラウンジで珈琲を飲むことにした。さすが日本一の観光地だ、京都駅は今日も人でごった返している。ホテルラウンジのカフェに行列が付いていることに驚いたが、仕方がないので並ぶことにした。オヤジは待つことが嫌いだ。でも歩き疲れて、腰まで痛い(笑)。
エレベーター前のホールに人だかりができていて、太鼓や笛のお囃子が聞こえてくる。どうやら獅子舞のパフォーマンスらしい。獅子舞はけっこう派手に動いていて、観客から拍手と「おひねり」をもらっているようだ。口上を述べている人は標準語なので、どうやら地元の催しではないのかもしれない。オヤジは小さなツッコミを入れたがる。
そうこうするうちに順番が来て、機械的な対応を受けながら、ようやく案内された。サンドイッチやコーヒーの値段や、乾いた接客にムッとしながら、ここはそんな高級ホテルだったんだ、とか、これも観光地の現実か、などとムッとしながら毒舌を飲み込んでコーヒーを口に運んだ。オヤジはこんなとき面倒くさい。

さっきの獅子舞軍団が、なんと、このカフェに入ってきた。先頭の獅子頭に続いて、お囃子の笛を吹く女性、太鼓を鳴らす若者、そして軽妙な口上を述べながら笑顔を振りまく、あのおじさんも一緒に入ってきた。テーブルをひとつひとつ回って、客の頭を獅子にかじらせる、そんなことを繰り返すようだ。みんなカメラを構えて写真を撮っている。さっきまでムッとしていた僕は、何やら面白くないのだが、いよいよ僕の番になったので、僕も頭を噛んでもらった(笑)。もう笑顔で対応するしかない。オヤジは周囲の視線に弱い。
気分がほぐれた僕は、お替りの珈琲をたのんで、クラブハウスサンドを頬張ることにした。辛子バターとブラックコーヒーは、日本の喫茶店文化を象徴する味で、最高の組み合わせだと思っている。でもこのトーストパンはもう少し厚い方が旨いのになあ。オヤジは何かと理屈を付けたがる。

京都駅の北陸線の乗り場は「0番」ホームだ。しかも1番はないのだという。京都駅の秘密のひとつなのだそうだ。そして0番ホームのずっと先には、同じ続きで山陰線の30番ホームがある。これも不思議な話だ。オヤジは小さなヒミツに弱い。
ホテルのラウンジから改札へと、エスカレータで降りるとき、天井が気になって目をやった。昨年の台風21号の時にガラスが落ちた場所を探したのだ。もちろん分かるはずもないのだが、京都駅の天井を含めた巨大な空間は、あらためて目を凝らすと実に美しいんだなぁ。オヤジは・・・(笑)。

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