4月8日は〇〇の日(前編)
おっさんたちのお花見企画2023
時刻で言えば朝めしには遅いのだが、この日の「朝ごはん」は、握り寿司にしようと考えた。まぁ「朝寿司」かな笑。富山に着くのは11時頃なのだが、まず腹ごしらえするつもりだ。やっぱり寿司がいい。あえて「朝ごはん」と呼ぶのは、今日の昼ごはんは「酒だ酒だ酒だ」と決めてあったからだ。
言っておくが、このおっさんたちは、アル中なわけではない。彼らは自宅ではほとんど飲まないらしいし、よって昼に酒を飲むことはない。僕はほぼ毎日飲むが、やっぱり昼酒はしない。だから昼に集まって仲間で飲むこと自体が「イベント」みないなものなのだ。
この「朝寿司」の候補の3店はそれぞれ富山駅前にあった。まず、いつも列がつく富山の人気店、いわゆる回るやつ。ふたつめは組合が提案している「富山湾鮨」、これは地物ネタ10貫に汁物がつくセット売りで、加盟する寿司店の寿司だ。で、3店目は、券売機で食券を買い、カウンターまで取りに行くセルフのやつで、鮮魚店に併設した食堂の寿司、つまり「魚屋さんがやっている寿司」だ。もうお分かりだと思うが、僕たちはこの券売機の食堂の寿司を選んだ。だって、面白そうだからだ笑。
寿司は握りたてなので時間は少しかかるが、出てきたのは、ちゃんとした寿司職人の寿司だった。今風のシャリコマで、しかも旨いし、旬のほたるいかも、解禁した白海老も、地物の紅蟹も入ってる。これは大正解だった(ホントはまぁ中正解くらいかな)。
今から向かう「岩瀬浜」は、富山駅から20分ほどの富山湾に面した港町だ。北前船で栄えた街で、そんな痕跡が随所に残ったレトロな街だ。近年、そんな街に「新しい風」が入って、様々なカルチャーを発信していて、ちょっと興味深い。
●寿司とか港のアルバム7枚(タップして右へ)
今日の富山市街では「全日本チンドンコンクール」という歴史あるイベントをやっていて、会場周辺は大渋滞らしく、そのあおりを受けて、路面電車が大きく遅延していた。だから予定よりずいぶん遅れて岩瀬浜に着いた。風は強いが、奇跡的に青空になってきて気持ちいい散歩になった。
最初にやったのは「遅めの桜」を見つけることだ。とりあえず27期のイベントなので「お花見」は必須科目だ。浜通りのソメイヨシノは葉桜だが、赤い八重のやつを見つけて写真を撮った。これで課題終了だ笑。
桜並木に高い展望台(の建物)を見つけて上まで登ることにした。ところがエレベーターはなく階段をひたすら上がるしかない。66歳を殺す気か~、っと叫ぶ頃にようやく展望スペースに着いた。足はガクガクなのだが、見渡す景色は壮観だった。やっぱり海は気持ちがいい。
ちなみに、昼は酒だ酒だ酒だ、と狙っているのは、クラフトビール(KOBOビール)、岩瀬の地酒(満寿泉)、そして地元のワイン(セイズファーム)のことだ。
まず、クラフトビールのバーへ向かった。重要文化財級の廻船問屋(豪商)の古い屋敷を改装した、今っぽくてかっこいい店だった。ここはいわゆるブリューパブ、つまり醸造しながら出来立てのビールを飲ませる店だ。オーダーカウンターには、いわゆる「タップ」が並んでいて、8種類くらい?の好きなビールが注文できる。僕たちは飲み比べセットを選んだ。ビールそのものは、いわゆるSO-SOかな、でも楽しいのは間違いないし、仲間たちの話題で盛り上がった。
●クラフトビールのアルバム8枚(タップして右へ)
狭い路地を曲がって、2軒目の日本酒バー「沙石」を探した。町家風の軒下に立派な看板(達筆でうまく読めないけど)があるのだが、知らなければ、ここがバーだとは誰も気付かない。でも中に入って驚いた。スペースデザインが「こいつは、やるなぁ」なのだ。さっきのブリューパブもそうだが、大胆な空間とムダを廃したデザインセンスは素晴らしいと思う。
ここでは満寿泉(ますいずみ)のラインナップ(たしか数十種類とか)が安価で利き酒できるそうなのだが、使い方(楽しみ方)が分からないから、スタッフを捕まえて説明してもらうことにした。担当してくれた若い彼女は、なれた手順でいろいろ教えてくれた。ようするにセルフで楽しむ店だった。
まず酒が並ぶ3台の冷蔵ショーケースの説明だ。左の冷蔵庫には日常的に楽しむ満寿泉(まぁ安い商品のグループかな)、真ん中が季節品や企画品のグループ、そして右手のやつが満寿泉の代名詞、つまり高級品のグループだ。有名な「寿」やそのビンテージ(古酒)も並んでいる。そこから好きな1本を自分で出して、テーブルの目の前に置き、グラスに注いで味わい、それを好きに繰り返すのだ。
それらを単品で楽しむこともできるし(300円、500円、800円だったと思う)、15分または30分の飲み放題もある。まぁ大量に飲むための飲み放題ではなく、好きに少量ずつアレコレ楽しむための飲み放題だ。もちろん飲みすぎ厳禁だから、ここはスタンディング(立ち飲み)だ。僕たちは迷わず30分のそれを選んだ。こんな僕でも飲めるのはせいぜい5~6種類だが、これが、びっくりするくらい楽しいのだ。
ちなみに、それぞれの上段は「生酒」、中断下段は「火入れ」になっているようだ。美味しく飲みたいのなら安定した「火入れ」がいいかな、生酒は、時間経過による「変化」が大きいから、あのフレッシュな感じとは、ずいぶん違っている。
いずれにしても、27期の地酒ファンには、ぜひおすすめする店、ということだ。何なら、新たに「出張利き酒会in岩瀬浜」を企画してみようか、などと思ったりした笑。でも、いろいろ残念なこともあるし、いつもの人数では使えない(黙って静かに飲む店だ)から、どうしたものかなぁ。
●日本酒バー「沙石」のアルバム7枚(タップして右へ)
この岩瀬のストリートには、日本酒ファンには有名な酒屋さん「田尻酒店」がある。店内には、全長18mのウォークイン冷蔵庫(客が実際に中に入れる巨大な冷蔵庫)があって、さっきの満寿泉の限定大吟醸(年に一度の大吟醸)のバックナンバーがすべて揃っている。その量は圧巻だ。
もちろん黒龍や菊姫など有名蔵のラインナップも充実しているし、ワインの品ぞろえも豊富だ。それらの全商品が、この巨大なガラス張りの冷蔵庫に並んでいる。お酒を買う目的だけでやってくるのも価値があると思う。
僕たちは遊びすぎて時間も無くなり(まぁ飲みすぎだな)、ここでタイムアップとした。この先の「つりや東岩瀬」という店では、富山の魚を使った加工品(品質もデザインも秀逸)が買える。実はあの「セイズファーム」の親会社なので、ワインを買って、栓を抜いて、その場で飲むこともできるようだ。残念だが、もう飲めないから、ワインとつまみは次回のお楽しみだ。
帰路はタクシーで富山駅の北側の環水公園に向かった。もしかすると、桜が観れるかも、と期待していたが、どうやらここはソメイヨシノばかりだからダメなようだ。僕は見頃の時期に立ち寄ったことがあるから、今日の写真には、こっそり見頃のそれを2枚忍ばせることにした。まぁ反則技だ笑。
カラフルな一団とすれ違った。チンドンマンたちのパフォーマンスだった。あのレトロでどぎつい化粧のそれではなく、楽器も豊富で今風の大道芸人たちに見える。目と目が合うと、そこでパフォーマンスを披露してくれた。色のない公園に花が咲いてる感じだった。面白いなぁ。
●酒屋と環水公園のアルバム7枚(タップして右へ)
さて、タイトルの「4月8日は〇〇の日」の回答だが、ここでは「おっさんたちの花見の日」とか「チンドンコンクールの日」になってしまう笑。それはそれで間違いではないのだが、ホントの本編は後編で紹介することにする。(ここまでが前編、夜の部は後編で)