神戸おっさんぽ、初日編
こんなに飲むつもりはなかったんだけど
今回は、神戸旅の番外編を届けようと思う。また長くなったから初日編と2日目編の2編に分けることにした、まぁ前編後編かな。そして、タイトルは「神戸おっさんぽ」とした。登場人物は主に僕とKNくんの2人なのだが、ほかの「おっさん」たちも順に出てくる。ホントなら、もう66歳だから「じいさんぽ」かもしれないが、ちょっと見栄を張ってる。まぁどっちもどっちだ笑。
僕たち2人のおっさんぽは、どうしても「酒」にまつわるハナシになる。読者の男性にとっては、66歳のおっさんアルアルに思えるだろうし、女性から見れば馬鹿な男性同級生の生態に見えて「やっぱりねぇ」と言われるんじゃないかと思う。
ちなみに女性たちには、女子旅とかランチ女子会とか、便利な言葉があるから、お酒が加わっても、ちょっと優雅な印象になる。まぁ不公平は否めないよなぁ、とおっさんは思ったりする。今回は「2日目編」に女性たちも登場する。
まずは初日のスタートからだ。出かける日の朝、僕は旅の相棒KNくんをピックアップして松任駅へと車で向かった。この旅はたぶん暴飲暴食になるからと、事前に2㎏のダイエットに成功したんだ、と彼は胸を張る笑。ならば、リバウンド覚悟で神戸グルメと酒を楽しむ旅にしようぜ相棒、車中でそんな雑談を交わしていた。
さて、旅に出かけるときに僕がいつもやる儀式がある。「財布、チケット、スマホは持った?」という、ささやかな確認コトバのことだ。で、彼は見事に「財布を忘れた」という展開になった笑。あわててUターンする羽目になったのだが、なんとか電車には間に合った。
ホントは早めに着いて、駅で女性陣に挨拶するつもりだったから、その余裕時間に助けられた。やれやれ笑。でもまぁ、僕たち2人は互いに「何かやらかす」のは間違いない。酒はそれを加速する。飲むのは控え目でいこうぜ、そう約束した。とはいえ、そんな誓いにリアリティーはない笑。
着いた2人は神戸グルメのスタートとして、高架下のイタリアンを選んだ。おっさん5人の待ち合わせまで1時間ほどあるから、ゆっくりランチを楽しもう。今から散策なのだが、ワイン1杯くらいなら大丈夫だろう。カウンター席を選んで、つまみ替わりの前菜2品とピッツァ、パスタをオーダーした。
グラスの赤と白を頼んだのだが、出てきたのはそれぞれ3本(計6本)のボトルで、味のタイプや産地、ぶどう品種をちゃんと説明してくれる。昼なのに、好きなやつをちゃんと選べる本格的なスタイルだった。そしてシチリアの赤とトスカーナの白を選んだ。乾いた喉に神戸最初の1杯だ。これは旨い笑。
1品目の「明石だこのマリネ」も、2品目の「ガサ海老のフリット」もやたら旨い。何より付け合わせの2種のオリーブや、ゼッポリーニまでもが秀逸で、とても楽しい組み合わせになった。だから、思わずワインのお替りを重ねる羽目になった笑。
僕たちの写真に反応したのか、HTくんNKくんの2人から生ビールと「そばめし」の画像が届いた。彼らも神戸グルメを楽しんでいるようだ。こんな4人は楽しいのだが、僕たちを公園で待っていたMUくんには悪いことをした。遅刻を知らせるLINEに、例の「りょ」が返ってきただけだ笑。待たせてごめんね。
異人館街へと向かうタクシーの運転手さんの口数は少なかった。昼なのに酒臭いおっさんたちを乗せてるかなかな?、きっと酔っぱらいには神経質なのだ、まぁ立場が違えば僕もそうするかな笑。その後、おっさんたちはアルコール効果でテンション高く散策を楽しんでいた。
●おっさん昼酒のアルバム(タップして右)
中華料理に似合う酒は何だろう。やっぱり黄酒?(その代表が紹興酒)、それとも白酒?(度数が高めの蒸留酒、実は美味しい)、豊富な果酒?(甘めの果実酒)。・・・昼のイタリアワインのことを思い出しながら、1次会会場のドリンクメニューを眺めて、ふと考えたりした。
とはいえ、みんなが選んだのはやっぱりビールだった。おっさんにとってビールは万能だ。とくに男性が多い方のテーブルでは、ビールが飛ぶようにオーダーされている。ビール党のHTくんのリピートは半端なかったらしい笑。これからの長い夜を考えると(まぁ酒浸りの夜になるはずだから)、僕はちょっと控え目なスタートだ。ビールの後には紹興酒も少し飲んだが、白酒は我慢した。
2次会のジャズバーでは「コウベハイボール」の品切れ事件もあって、僕とKNくんは(ちょっと訳があって)ウイスキーのロックを選んだ。決して「ジャズにはバーボンが似合う」などと気取ったわけではない。いよいよ夜のエンジンがかかってきただけだ笑。
実は夕方の新愛園の近くで、僕の嗅覚は面白い酒屋さんに反応した。輸入洋酒と書かれた古いレトロな看板に目が止まったのだ。ウイスキーの品揃えが豊富な酒屋は珍しくないが、二人で入ってみたら、オールドボトル(つまり、ふた昔ほど前のラベルってこと)がたくさんあって、シングルモルトの角打ち(試飲)ができる。そしてなんと「量り売り」をしていた。これは凄い酒屋だ。
全商品という訳ではないのだが、試飲は30ml、量り売りは100ml単位のようだ。量り売り専用のガラス容器が一緒に並んでいた。さすが三宮、酒好きにはたまらない街だ。新愛園に遅刻するわけにもいかないから、我慢して立ち去るしかないのだが、KNくんは途中で抜け出し、再来店して何種類か買っていた笑。
ジャズのために、僕たちがウイスキーを注文したのは、そんな背景があったからだ。そして調子に乗ってチェイサー替わりにギネスを飲んだりして遊んでいた。
●おっさん夜酒のアルバム(タップして右へ)
3次会のワインバーが「当たり」だったことはすでに書いた。やっぱり若いソムリエが選ぶワインには興味がある。身近な日本酒もそうだが、僕たちの世代の「良品ワイン」と現代の人気のそれは大きく違っている。地域も生産者も流通機構も、格段に進化したからだと思う。
古い知識や伝統的なブランドを信奉してしまうおっさんたちは、ちょっとズレている感じだ笑。だから若いプロの彼らの説明トークを真剣に聞くのだが、もはや記憶力がない笑。そんなおっさんの僕は写真を撮っておいて、スマホのアプリ(僕のはGoogleレンズ)で後から調べたりする。
今回も、飲んで気になった1本のブルゴーニュをその場で調べていて、そのネゴシアンに興味を持ったりした。だから、もう少し彼の話を聞きたかったかなぁ。彼は一人でアチコチに気働きしていた。まぁおっさんは酔うと面倒になるから、ここは我慢だ笑。
そういえば、みんなの会話が途切れて少し静かになった。照明がアンバーで気付かなかったが、みんなの顔を覗くと、ちょっと眼がトロンとしている笑。会話とお酒が少し過ぎたのかもしれない。そろそろお開きにしようか。
みんなのタクシーを順に見送って、僕たちおっさんは北野坂を歩いてホテルへ向かった。歩くと、自分も酔っているんだと自覚する笑。もう遅いのだが、もしかしたらとバー「サンボア」に立ち寄ったが、やっぱり灯は落ちていた。ここは明日のお楽しみだ。
深夜の駅前通りを歩くおっさん2人に、いわゆる客引きの声がいっぱい掛かる。コンビニを探してるんだと応えると、みんな「あっちです」と道を教えてくれた。三宮の夜は酔った旅人に優しく思えた笑。KNくんは、ラーメンが食べたいと言い始めたのだが、もちろん無視して部屋に戻った。せっかくの君の2kgの減量がパーになっちゃうよ笑。
(ここまでが初日編、つづきは2日目編へ)