行きはよいよい帰りは〇〇〇、そんな江の島散歩
大人の鎌倉旅・満喫レポート(後編)
まだ7時前だというのに、フロントに降りたらすでにM野くんは新聞を読みながら待っていた。じゃあ出発しようぜ、そう言う彼はどうやらせっかちらしい笑。僕もせっかちだから、そうだなとホテルを後にした。せっかちなおっさん達は、これから朝の散策に出かける。まず目指すのは早朝の江の島だ。
はじめて乗った湘南モノレールは、ちょっと面白かった。空中を走るのは当たり前だが、けっこうな速度で右に左に急カーブを繰り返す。この点で言えばあの江ノ電とよく似ている。車両が小さいからそんなことができるのだ。そしてなんと山への斜面を登っていく。気付くと眼下に海が見えてきた、その正面が江の島だった。
駅から続く長い商店街には人影がない。すれ違うのはジョギングの人たちだけだ。江の島大橋に入ると朝の海風が気持ちいい。右手の空に富士山を探したが、そうそう姿を見せてくれる訳ではないらしい。
三姉妹の女神様に会いにいこうか
上陸したら朝めしを食べよう、ヨットハーバー側の漁師めしがいいかなぁ、そう予定していたのだが、早く着いてしまったから開店時刻まですることがない笑。で、せっかちなおっさん達は待つのも嫌いだから、そのまま参道を登ることにした、やれやれ。
もちろん参道(江島弁財天仲見世通り)の店は開いてないし観光客もいない。しかも便利なエスカレーターもまだ営業前だった笑、仕方ないから最初の辺津宮(へつのみや)までの急な階段を登ることにした。まぁ朝っぱらからの運動には小さな達成感みないなものもある。
江島神社は三姉妹の女神様で、この辺津宮、その奥の中津宮(なかつみや)、さらに山の向こう側の奥津宮(おくつみや)にそれぞれ祀られている。奥津宮はけっこう遠いのだが面白かった。龍神伝説や浦島太郎の竜宮城の逸話などにも触れることができた。
せっかちアルアルだが、調子に乗った僕たちは(よせばいいのに)さらに先の、つまり江の島の西のはずれの「岩屋」まで降りていくことにした。江島信仰発祥の地となった海岸あたりの岩の洞窟だ。長くて急な階段が下の海まで続いている。まぁ山のてっぺんから一番下まで階段を降りるだけだから楽なのだが、これは帰りが大変かも、と途中で気付くことになる笑。
ご想像通り、帰りの階段登りは地獄の特訓だった。あとから知ったことだが、江の島の入り口から岩屋までの間の階段は、合計662段もあるらしい。往復で1324段になるから「行きはよいよい帰りは怖い」を地で行ったことになる笑。
▲江の島のおっさんぽアルバム12枚(タップして右へ)
長谷寺のあんぱんと天然モノのたい焼き
江の島から江ノ電に乗って長谷駅に向かった。江ノ電は何回乗っても楽しい路線だ。午前中はすいているのだが、わざと立ったまま窓からの景色を楽しむことにした。ホントに民家の軒先をギリギリ走っていくから、ある意味で不思議な風景ばかりだ。
長谷寺はちょうど受付開始時刻だった。見学の前にちょっと休憩しようと門前のカフェに入った。朝からなにも食べてない僕たちはレジ横に並ぶ「あんパン」を見つけて思わず買ってしまう笑。疲れ切ったカラダに、温かいカフェオレとあんパンは、やっぱり最強の組み合わせだ。
長谷寺は別名「花寺」といって広い境内の散策路には様々な季節の花が咲いている。そしてその裏山あたりは有名なあじさいのスペースだ。もちろん時季外れだが、小径を登っていくと、みごとな紅葉に出会うことができた。ここからの海の景色もきれいだ。まぁ坂道だけど、さっきの江の島に比べれば楽ちんでキレイってことかな。
紅葉は、その先の高徳院(鎌倉大仏)も見事だった。そろそろ観光客も多くなってきたから、せっかちなおっさん達は早々に鎌倉へと向かうことにした。
駅へ戻る途中、ふと思い付いて「なみへいの鯛焼き」を食べようと、住宅街へと向かった。一枚ずつ丁寧に焼き上げる、いわゆる一丁焼き(天然モノ)の鯛焼きだ。焼き上がりまで時間がかかるのだが、独特の生地の旨さがあって、初めて感じる不思議な美味しさだった。
やってくるのは街の常連さんばかりで店主との会話も丸くて優しい。店の雰囲気もどこか懐かしくて、まぁ鎌倉っぽいってことかなぁ。ちょっとした感動モノの時間だった。
▲長谷寺~鎌倉大仏~なみへい(12枚)
さて、鎌倉旅も大詰めだ。せっかち仲間のM野くんにとっての鎌倉は、初めてではないものの、ゆっくり歩いたことはない街らしい。だから、やっぱり鶴岡八幡宮や小町通りは欠かせない。でもまぁ、せっかちだからさっさと歩くだけだけど笑。
彼が望むお土産は「鎌倉らしいベタなやつ」らしい。とはいえ鎌倉紅屋のクルミッ子はこの時間になると売り切れだから、けっきょく鎌倉豊島屋の本店に入った。定番中の定番、あの鳩サブレだ。さすがに店内はごった返していて列も長くて驚くばかりだった。
そして帰路の東京駅では電車時刻まで丸の内あたりをぶらぶらした。まぁ僕のシゴト目線の時間に付き合ってもらった感じだ。最後はビールで乾杯して同級生の旅は終了した。
この日は会えなかったが、参加してくれた皆さま、ありがとう。お疲れさまでした。
幹事の僕は、翌日からこの原稿を書き始めた。実は足腰はもちろんカラダの色んな場所が筋肉痛だ。せっかちは悪くはないが、もう無理は効かないお年頃ってことかな。