春のお花見弁当

野田中同窓会の情報2回目
もう逃がさへんでぇ、ひなたがそうつぶやきながら、アニーさんをおんぶして戻ってきた。グッジョブひなた笑。ステージの歌も沈黙も涙も、深っちゃん（るいサッチモ大月）の表情がすべてを語っていた。まぁ名場面てやつかなぁ。
朝からそんなテレビの前で、ティッシュペーパーを大量に使って鼻をかんでいたこの日、僕たちは、予約してあった寺町の料亭（？）へ向かった。何やら忙しい店らしく、平日だというのに予約は11時半だった。
店の名前は、料亭「仁志川（にしかわ）」という。今度開催する27期の野田中同窓会の会場にどうかなぁ、と思って行ってみることにしたのだ。まぁ幹事の僕にとっての、いつもの「下見」ということだ。

下見だから、参加者のことをイメージして、香林坊からタクシーに乗ってみた（5～6分、800円くらいだ）。本多町あたりから犀川の桜橋を渡り、旧桜坂、つまり通称ダブル坂の「左の坂」を登ると、正面にこの店が見えてくる。ちょうど桜が満開の頃だった。坂道からは桜橋周辺に咲き誇った桜並木を見下ろすような感じだ。一方通行の生活道路だから車などは通ることもなく、のんびりと散歩を楽しむような坂道でもある。
店は寺町台地のキワに建っているから、眺望が素敵な和食店と言えると思う。店の前の石段には水が打たれ、門や前庭を抜けると大きな暖簾が来客を迎えてくれる。開業してから数年のはずだが、エントランス辺りや植栽には相当な歴史を感じる。もしかすると、偉い人の邸宅の跡地なのかもしれない。

この日の予約席は1階のテーブル席なのだが、窓辺のカウンター席もあって、好きに座っていいという。なので庭に面したカウンターで食事することにした。緑の庭越しに犀川をはさんで小立野台地の桜が観える。
この日、注文したのは「松華堂弁当」だ。ちょうど花見気分だったから、あえてこれにした。まぁ同窓会の当日は、お酒が必要な人もいるし、ゆっくりしたいとか、まぁ色々あるから、弁当ではなくて「ミニ懐石（コース仕立て）」のほうが、良いだろうと思う。
料理は季節感を大事に配した構成で、基本に忠実な、つまり真面目で丁寧な感じだ。2018年開業ということだから新参なのだが、奇をてらった新しさを求めるタイプとは違うようだ。派手さはないが、まぁ料理は合格ということでいいと思う。何より、天気が良ければ、ここからの景色も大事な料理の一部になる。

和服姿だが、キビキビ働く女性スタッフに声をかけたら、女将さんだった。イメージよりはるかに若い美人？だ(笑)。同窓会の下見なんだと事情を説明したら、食事の後に2階の和室を見せてくれるという。この店は、1階も2階も畳の和室なのだが、全てテーブル席だ。腰が悪くて座椅子が苦手な僕にとっては、とても助かる笑。
2階だから1階よりさらに眺望が良いし、2階にはひと部屋しかないから、当日は貸し切りということになる。つまり部屋も合格だ。
女将さんは、ベタベタするような作り笑いのタイプではなく、無駄なくてきぱきと対応してくれる。レスポンスが速いのがいい。まぁこれも合格だ。ちなみに、食事の後の下見に、2階で景色を眺めながらデザートと珈琲はどうですか？というので、いいねぇ、と応えたのだが、ちゃんと追加料金500円をオンされた。笑顔で上手に言うから、やられてしまった感じだ(笑)。でも十分価値ある時間が追加されたから、見事な接客なのは間違いない。結局、その場で仮予約することにした。

実はこの日、あの「能登さくら駅」までドライブに行く予定だったのだが、前日のS野くんLINEを観て、能登は断念した。まだ見頃には早いようだ。でも桜は観たかったから、寺町のこの店からプラプラ散歩することにした。
桜坂の周辺、犀川の両岸、本多の森、兼六園、石川門・・・、きれいな桜の景色につられて、結構な距離を散歩してしまった。途中、朝ドラの「あんこ」や「団子三兄弟」を思い出して、兼六園の茶店を探した。結局、選んだのは、新しくて洒落た和カフェ（隈研吾さんの設計）だ。昔の風情は味わえないのだが、商品も内装も面白い。
ここの、映える抹茶パフェや二三味珈琲も悪くはないから、当日のフリータイムの「おすすめプラン」のひとつに追加することにしようか。まぁその時は散歩じゃなくてタクシーかなぁ。そんなことを考えながら、フリータイムのアイデアを考えていた。そうだ、散歩＆カフェってのはどうだろう。同窓会ってやつは、何かと非日常だから、日頃行かないようなカフェも、たまにはいいと思うな。おっさんたちの戸惑う顔が浮かんで、少し楽しい。

さて、来々週になるが「いろんな同窓会があっていい」というB面記事が掲載される。春のSNS企画の記録としての記事なのだが、同時に、この日のフリータイムにも使えるのアイデアも入っている。興味があったら読んでみてね。