秘密のアレのお話
ちょっとした「こぼれ話」をしてみたい。それは「秘密のアレ」のお話だ。以下は編集後記用に書き始めたので、ちょっと口調が変わってしまう(笑)のだが、ここで紹介したくなってしまった。ひとつ前の記事の後編みたいなものになる。
もうすぐ日付が「明日」になる時刻になると、僕はメール(の受信)を確認する、こんな仕事をしている僕の日課だ。21時をきっかけに何通もの定型メールが届く。相手はみんな遅くまでシゴトに立ち向かっている。中に急ぎの案件があれば返信しなければならない。いわば毎日の終わりの日課だ。
1月の終わりか2月の初めだったと思うが、そんな中に意外なメールが1通届いていることに気づいた。実行委員会のN村くんからだった。意外だったのは時刻のことだ。どうやら彼も、こんな遅い時刻まで作業をしていたようだ。
送られてきたのは「秘密のアレ」の一部だった(笑)。まぁ秘密とは言っても怪しいものじゃない。A面当日に使う企画ツール(一種の道具かな)のことで、まだ参加者のみんなには「内緒にしておくもの」ということだ。実行委員チームの彼らはみんな知っている。
彼らも知らないことがあるとすれば、その作業が想像以上に大変なことだ。モノを作るのだが、まぁ平たく言えば「とてつもなく面倒」な作業なのだ。あの事務所のデスクで、デスクトップPCに向かって、遅くまで一人奮闘する彼(N村くん)の姿が浮かんだ。
N村君は、そんな作業が得意だからやっているのではない。おそらく逆だ。何回もやって慣れてきても時間がかかって仕方ないはずだ。しかしきっと、作業しながら当日の参加者の笑顔がだんだんはっきり見えてきて、その「みんなの笑顔」のために必死にやっているのだ。
少しだけネタばらしをすると、この「秘密のアレ」は、当日1の部の中学校企画(中学のとき何してた?)に使うツールだ。この中学校というワードやこのツールのアイデアを最初に出したのは、ほかならぬ彼(N村くん)なのだ。
過去には3年生、2年生、1年生と高校のクラス単位で企画をやってきたのだが、今回はさらにさかのぼって「中学」で、当初はそんなアイデアだったのかもしれない。今年2022年が中学卒業(高校入学)から、ちょうど50年という節目を迎えるのも背景のひとつだと思う。それを27期らしい実行企画にまとめて何回も積んで崩して、いざ準備に入る際、彼がツール制作を思い立ち、一人コツコツとスタートした。
彼はきっと「みんなにも手伝ってもらった」と言うのだろう。たしかに一人で手に負えないものは、チームメンバーが協力している。とはいえ、本体の制作作業をやっているのは彼一人なのだ。それは大変な労力だと思う。周囲のメンバーからすれば「みんなも手伝ったよ」などと、とても言えるレベルのハナシではない(笑)。
この膨大な手間は、彼の熱意のかたまりだ。熱意がなければやれないことだ。だから当日それを観た人に、きっとその熱意は伝わる。僕は、そうメッセージを送った。そして彼の作業を見守るつもりだ。軽々に手伝うことはしない。これは彼の熱意の表現だからだ。だから僕は、この1の部の企画を、心から応援したいと思っている。僕には僕の応援スタイルがある。
これまで、実行委員を引き受けて準備をしてきた人たちにも、概ね同じ共通点がある。当日の企画は、口にする段階では気軽なのだが、実際の準備作業は大変になるのだ。男女問わず朝から晩まで「オシゴト」があって、スケジュール表にはオシゴト以外の行事もたくさんある。
その合間を縫って、準備の「作業」をしなければならない。それは今回も同じだ。第2の人生に入って仕事や生活時間が変わったり、家族や身の回りに大きな変化があったり、それぞれに様々な事情がある。しかも今回はコロナだ。
当初は会議で「しゃべるだけ」の時期もあるのだが、準備の「実務」はホントにしんどい。だから同窓会はいつも、そんな膨大な努力の上に成り立っている。K-Dreamのステージには膨大な練習があるし、映像にも膨大な画像や編集との格闘がある。
当日ただ集まって酒を飲んで語り合う、のとは大きく違うし、どうせ好きでやってるんだろう?、というのも的外れだ。A面が特徴的で、他者に自慢できるのは、実はこんな「秘密のアレ」の準備がたくさんあることなんだと思う。