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2024年06月21日

おっさんドライブ in永平寺町(前編)

文字で見れば「町」なのに、永平寺町はものすごく広い。この日訪ねた場所は、ずいぶんアチコチに点在しているのだが、住所はすべて永平寺町だった。
今回は仲良しおっさん2人の、そんな永平寺町ドライブのお話。たった2人だけど立派な同窓会かな笑。書いてみたら長くなったので前編後編に分けることにした。とても面白かったのだ。

膝の悪いおっさんは苦労する
この日の北陸道は大渋滞で、なかなか進まなかった。朝の通勤時刻は過ぎたはずだが、いわゆるリニューアル工事というやつだ。延々と片側通行が続き、福井県に入って2車線になっても進まない。なんと車列の先頭は2台のパトカーだった。だからか~、ついてねぇなぁ笑。高速ドライブらしい時間はほんの一瞬だった。せっかくの晴天だから、もう少し快適に走りたかったかな。
あの「けんぞう蕎麦」の駐車場はガラガラだった。もうすぐ開店時刻だからどんどん車が増えるのだが、週末に比べると平日は案外静かなのだ。
おっさんドライブの相棒のKは、27期のみんなで行ったあの日以来の訪問らしい。あの日のように店頭の「顔ハメ看板」から顔を出せと、さっそくうるさい笑。
そして、あの日のように「五合蕎麦」を注文した。おろし蕎麦と辛い蕎麦の両方を楽しめるやつだ。やっぱり旨いなぁと二人で言いながら、あの日のように蕎麦をおかわりした。でも今回の追加は四合だ。この〇年?で胃袋は少しだけ小さくなった。
ちなみに、2人はともに膝を痛めていて、あの座敷に座るのが苦手だ。座る時も立つときも苦労するし食べる姿勢も何かとしんどい笑。だからさっさと食べて散歩に出ることにした。
●けんぞう蕎麦のアルバム4枚(タップして右へ)

よし永平寺へ行こう
このすぐ先に黒龍酒造の本社がある。通りに面したその古い店を見に行きたかった。まぁイメージで言えば黒龍創業の地、ということかな。今日のドライブの目的地は九頭竜川の反対側にある「えしこと」という最新の施設で、そこでは「黒龍の未来の姿」を感じることができる。だから、新旧の双方を訪ねてみたかった。
通りに面した古い木造家屋の軒下に、大きな「杉玉」を見つけた。どんな酒蔵にもあるアイコンなのだが、ここのは大きくてとても立派だった。さすが黒龍、ということかな。
その道すがら、古い神社(柴神社というらしい)への急な石段を見つけて、その空気感にそそられたおっさん2人は、悪い膝を気にしながら登ってみることにした。黒龍が生まれた場所の鎮守の森のように感じたからだ。ホントのところは分からないが、静かな神社の境内はとてもいい雰囲気だった。
で、何を思ったか、2人は「よし永平寺へ行こう」と決めることにした。僕はたぶん20年ぶり、彼も同じくらい前の記憶しかないらしい。予定にはなかったのだが、おっさん旅はいつもこんな感じだ。
向かう車中では、禅宗のハナシや、座禅の話題になる。外国人にも話題の「ZEN」の世界は、やっぱりおっさんも興味がある。永平寺では座禅体験もできるらしいが、膝を理由に2人はもちろん遠慮する笑。
●柴神社と黒龍(杉玉)のアルバム5枚(タップして右へ)

若い修行僧の修業の場
昔の記憶はあいまいなのだが、永平寺門前の駐車場あたりはとてもきれいになった気がする。いわゆる参道の門前商店街の通りには、新しいギャラリーだとかカフェも増えていて、ちょっと驚いた。
そういえば帰路に歩いた(1本横の)旧参道側では新しい施設の工事が行われていた。宿泊施設や座禅体験やレストランなどの説明書きがあった。禅の里プロジェクトと呼ばれる事業の一部だと思う。新幹線の延伸が背景にあるのかな。永平寺本体のことは分からないが、周辺の整備は、町も住民も含めて、関係者にとっては悲願ということかもしれない。
そんな周辺の変貌とは関係なく、いわゆる龍門から永平寺の境内へ入ると神聖な空気に一変する。いくつもの伽藍を巨木や緑が包み込んで、訪問者をZENの世界へいざなう、まぁそんな感じだ
いわゆる参拝ルートに従って歩くのだが、その前にビデオ放映の場所がある。ここは若い修行僧の学びの場で、彼らの普段の生活がそのまま修行だ、と映像ストーリーが進む。
だから参拝ルートには修行僧にとっての日常の場所が多くある。たとえば東司(とうず)よばれる便所、そして浴室(入浴も修業)、僧堂(狭い区画で座禅、食事、就寝するらしい)も含まれていた。
数々の歴史的な建造物にも興味がいくが、雑草のない庭やピカピカに磨き上げられた廊下を目にすると、彼らのそんな修業の光景が想像できたりする。まぁおっさん2人は色々考える年齢になったということかな。こういうのが大人の旅ってことかもしれない笑。
●永平寺と周辺のアルバム7枚(タップして右へ)

参道のカフェには品のいいマダムがいて、おっさん2人と雑談してくれた。ふたつの総本山(ここ永平寺と神奈川の総持寺)のことや、門前町(輪島)の総持寺との関係だとか、色々教えてくれる。若い修行僧たちを見守ってきた彼女らしい内緒話はとても面白かった。
さて、真面目に参拝したからずいぶん時間がかかってしまった。そろそろ次の目的地・黒龍の「えしこと」へ向かおう。
(以下後編へ)

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