K-Dreamの時間12「長く続けてこれたのは」
さて、K-Dream3人目の書き手として、4回にわたってお届けしてきた「M岡くんによるシリーズ記事」は、今回(第4回)がいったん最終回となります。実は、彼がこの原稿と格闘したのは、もう夏に入った頃で、K-Dreamの練習も佳境に入り、あんまり時間も取れない頃でした。そんなことを考えると、申し訳ないお願いをしたものだと反省しきりの編集人です。
原稿を読み返しながらいつも思うのは、彼の人柄のことです。大変だったことも、楽しいことも、挫折や失敗談も、軽妙にサラリと表現されていました。今になれば楽しい思い出のひとコマなんだよ、と優しい彼が語っているようにも思います。同級生の皆さんも、そんな彼の横顔を思い浮かべながら、じっくり彼の原稿を読んでみてください。以下は彼の原稿です。
話は一気に飛びますが、結婚したころから私のバンド活動が復活しました。一時期私が参加できないときも、不定期にバンド活動は続いていました。このころにはすでにT桑啓一もメンバーに加わっていましたが、私が参加できなかった期間に新たなドラマーが参加していました。M田くんと言って同級生ではありませんでした。ちょうどその方が転勤だったかで抜け、入れ替わりに私が復活しました。M田君は基礎を習っていて、とても上手だったようです。
美人ボーカリスト参加
ある時N畑準が、自分の会社の女の子で、バンドで歌いたいという子がいるので参加させたい、と提案がありました。みんなの反応は、まぁ、どっちでもいいけどといった感じで、あまり積極的ではなかったように思います。いつ頃だったか思い出せない・・・。今思うと、彼女の参加がバンドのレベルアップのきっかけになったように思います。特に私。これが「前々前世」につながったかもしれません。
女性ボーカリストが入るということは、当然彼女に合わせた楽曲になります。今までやったことのない女性の楽曲。リズム、テンポ。まったく体の中にないものへの挑戦でした。矢井田瞳、LOVE PSYCHEDELICO、ドリカム、パフィー等々、特に矢井田瞳はハードルが高かった。ついていけなかった。
しかし、芸術村の音響の研修の卒業式の素材になってほしいと言われ彼女を入れての初の発表会になりました。楽しかったな。そういえば、香林坊のライブハウスでライブもやりました。同級生に声をかけて見に来てもらいました。これも楽しかったな。
長く続けてこれたのは
バンドを長く続けてこれたのは、一言でいうと、27期の同窓会で毎回発表の場がある事です。皆さんにとても感謝しています。なかでもK中良彦さんは、同窓会バンドのきっかけです。最初に声をかけてくれてありがとう。
それと、N畑準の、このメンバーとバンドをしたいという強い気持ちと、バンドメンバーの家族全員(奥さん及び子供達)の理解の賜物だと思います。
皆さんに感謝・感謝です。
M岡陽一(K-Dream)
(編集人から)
このシリーズ(K-Dreamの時間)の第7回に「セットリスト」のことを紹介したことがあります。A面本番のステージで演奏される楽曲の詳細なリストのことを書いた記事です。彼らのステージを楽しみにする僕たちにとっては、どんな楽曲をどんな順番で披露していくのかというリストなのですが、彼ら5人にとっては言うほど単純なものではなく、彼ら一人一人の意思や思い出が、随所に込められた大事な大事なものなのだと知りました。
実は、彼(M岡くん)から原稿が届き始めたころ、気づいたことがありました。届いた原稿の最初のページに、そんな「セットリスト」のような部分があるんです。まぁ原稿ですから「原稿のもくじ」です。本編は未稿なのですが、もくじが先にあったんです。
もくじは、N畑くんとの出会いから、ほぼ時系列に並んでいるように見えました。でも順に届く原稿を読むにつけ、どうやらこれは、彼にとって披露する楽曲のセットリストと同じなんだと思い始めました。どれも大事な、欠かせないエピソードなのだと思います。だから、そんな大事なハナシをたくさん披露してくれたM岡君に、こんどは僕が感謝・感謝です。