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2025年08月22日

BARの夜話「花火の夜のルーフトップBARで」

地元の人はあんがい気付いてないかもしれないが、夜の金沢駅周辺は、とてもきれいな夜景スポットだ。鼓門はときどきライトアップされるし、夜空に浮かぶビルの姿もけっこういい感じだと思う。
だから僕のスマホの画像フォルダには、そんな写真が何枚か残っている。まぁそんな夜景のほとんどは、酔って千鳥足のときに見つける光景なんだけど。
今回は、ふらりと立ち寄ったBARのハナシだが、実はテラスからの眺めたきれいな夜景のハナシでもある。とはいえ、美女と2人ではなく、おっさん2人だ笑。

いつものおっさんたち4人で飲んだ日は、いわゆる犀川の花火大会の夜だった。だから、夕方の金沢駅のコンコースは浴衣姿の若い人たちであふれていた。最近の浴衣ファッションとか、その多彩さとか、熱気とか、そんな見たことのない光景で、おっさんはとても驚いた。
バスロータリーも行列だ。詳しい番号は分からないが、きっと犀川方面へ向かう人が多いのだろう。駅前の店で待ち合せた僕たちにとっては、飲み会の会場が片町じゃなくてよかった、ってことだ。あんなバスにはとても乗れない笑。
ここは駅前の人気居酒屋なのだが、駅の喧騒とは裏腹にとても静かだった。実は昔からそうだが、花火大会の夜の飲食店は暇だと決まっている(片町も駅前も)。それを知っている店長は、今日は暇だからゆっくりしていって下さい、と笑っていた。
お言葉に甘えてゆっくり飲んでいた。でもやっぱり飲む量は減ったし、なにより飲むペースは格段に遅くなった。これも年齢ってことなのだが、今日は妙に会話が進んで、時計を見たらあっという間に4時間も経っていた笑。

楽しい再会もお開きだ。おう、またな、と店の前で解散した。ところが、悪友の某だけは飲み足りないらしい。なので、一杯だけだぜ、と念を押して、おっさん2人はホテルのルーフトップBARへと向かった。
花火はもう終わっていることもあって、金沢駅は静かになっていた。祭りの後ってことかな、帰路につく浴衣姿の若い人たちも、お疲れモードのように見えてしまう。
ホテルのロビーを抜け専用エレベーターで14階へ向かった。BARのアテンドで今夜はミュージックチャージが付くとかなんとか告知された。ライブでもあるのかな?まぁそんなこともある。
おっさん2人は、窓際の2人テーブル(たぶんカップルシート笑)に案内された。周囲を見渡して驚いたのだが、客が誰もいなかった。唯一の例外は屋外のテラス席にマダムが1人で佇んでいたことかな。やっぱり花火の夜はどこも静かなのだ。
マッカラン12年とカリラ12年。たまたまだが、おっさん2人は仲良くシングルモルトをロックでオーダーし、のんびりソファーに埋もれて、他愛もない会話をしていた。ライブ?はなかなか始まらない笑。

そういえばいつだったか、この2人でここから沈む太陽を観ていたことがある。きれいな夕陽だったからおっさん2人で見るのは場違いだったなぁ笑。そんなことを思い出して、夜のテラスに2人で出てみることにした。
こんな時刻の街の景色はとても静かだった。左手には夜の金沢駅、右手は低いビルや街並みのシルエットが広がっている。まぁ素朴できれいな夜景だった。
で、気づいた。たぶんこの右側の方向なら犀川の花火がきれいに見えたはずだ。もしかするとここは花火のベストスポットで、その時間はお祭り騒ぎだったかもしれない。そう考えると、何となく大輪の花火やスターマインの残像が想像できたりする。
おっさん2人は、若い頃の花火の夜の記憶を探ってみたのだが、互いに何も思い出さない。まぁ僕は片町で働いていたから見てたはずがない。花火大会の日というのは(クリスマスと一緒で)アルバイトがみんな休んでしまう日なのだ笑。

後から知ったことだが、ここからの花火は、やはりとても人気らしく、当日の夜の予約希望が殺到するのだそうだ。おっさんが知らなかっただけで、現役のカップルなら周知のことなのかもしれない。もちろん宿泊客が優先されるらしいから予約は無理かもなぁ。
ちなみに、ライブ?のステージは始まらないまま、僕たちは帰路についた。なるほど、ミュージックチャージってのは、この晩だけの付加料金ということかもしれないな笑。

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