伝説のアップルパイとロイヤルミルクティー
歴史を感じるザ・クラシック
紅葉の軽井沢ドライブその4
世の中には、クラシックホテルがいいというオールドファンがいる。おおむね僕たちよりさらに年長の方々かな。著名人たちに愛された栄光の歴史とか、ホテルの格とか、伝統建築とか、そんなことが理由にあげられている。
今回訪れた軽井沢万平ホテルは、そんな代表格で「ザ・クラシック」と称されているらしい。長い改装期間を経て今年10月にグランドオープンしたばかりだった。
個人的に言えばクラシックホテルは苦手だ。まぁせっかくの軽井沢だから行ってみようか、そんな感じかな。お目当ては、伝説のアップルパイとロイヤルミルクティー、ようするにジョン・レノンゆかりのティータイムだ。

ちなみに、日本クラシックホテルの会というのがあって、9軒のホテルが加盟しているそうだ。ここ万平ホテル、日光金谷ホテル、箱根の富士屋ホテル、奈良ホテル、横浜のホテルニューグランド、東京ステーションホテルなどなど、有名な名前ばかりだ。苦手な僕だが(こう書いてみると)かつて訪ねたホテルばかりで、ちょっと不思議な気がする。
古ければいいという訳ではないから、どのホテルも残すべきものを残し、改装によって建築基準や最新設備を装備していく。ようするにアップデートが必要なのだ。改装クローズ直前の閉店企画とか、再オープンの際の記念企画とかもあって、オールドファンにはとても人気らしい。
ホテル側にとっては、改装オープンは絶好の機会なので、テレビや媒体を通して広告に余念がない。オールドファンだけではなく、新しい顧客を獲得するチャンスということかな。そして、新しい観光スポットになっていく。まぁ冷めた目で見ればそんなところだ。
つまり僕たちも、そんな広告にほだされてやってきたということかな笑。

軽井沢駅を背にして軽井沢本通りを北に1kmほど進み、右手の「万平通り」に入っていく。古い別荘地を象徴するような、静かで狭い並木道をさらに1kmほど真っすぐ走ると、その突き当りが万平ホテルだ。
ロータリーの手前で、ガードマンが近づいてきて、カフェをご利用ですか?では左手の駐車場をご利用ください、などと丁寧に誘導してくれる。
ロータリーの緩やかな斜面を登っていくと、手前の屋外にカフェテラス、そして色付いた木々に囲まれた万平ホテルの顔「アルプス館」が出てくる。ここは撮影のベストスポットかな、たぶんニュース映像でしばしば見たのだろう、一番代表的なあの光景だった。
静かなエントランスを抜けると、クラシックなロビーだ。その右手にレセプション(フロント)、そして左にカフェやバーがあった。廊下の壁にはホテルの歴史がわかる展示物が並んでいたりする。大昔の宿泊者名簿もあって、三島由紀夫をはじめとした意外な人物のサインを見つけたりできる。
そして中庭に出ると、とにかくびっくりする。この中庭が素晴らしいのだ。アルプス館、愛宕館、碓氷館の伝統建築に囲まれた中庭は、紅葉の軽井沢を凝縮したような素晴らしい景色だった。これはきれいだ。
●ホテルの館内アルバム(タップして右へ)
さて、カフェテラスでひと息つこう。もちろんお目当ては、伝説のアップルパイとロイヤルミルクティーだ。ちなみに「伝説」のハナシは後ほど。
カフェテラスは広かった(テラス53席・屋内64席)し、もちろん宿泊客でなくても使える。オープン時刻直後だったから僕たちはすんなり入れたが、普段は満席ウエイティングらしい。予約はできないから、いわゆる順番待ち登録ってことになってしまうらしい。伝説の威力は凄いんだね笑。
外のテラス席が魅力的なのは間違いないが、この日は寒くて雨予報だったから室内を選んだ。室内はクラシカルだ。そしてメニューもクラシカル、逆にサービススタッフは若いから、ムムムなことも多かったかな笑。
さてアップルパイとロイヤルミルクティーだが、まぁ味のことは個人の感覚だから何とも言えない。でも、ここでは「伝説」に思いをはせるのが、その価値ってことだから、そんな楽しみ方がおすすめってことかな。
●カフェのアルバム(タップして右へ)
伝説のお話
軽井沢の観光情報には、しばしば「ジョン・レノンが愛した〇〇」というやつが出てくる。万平ホテルもそのひとつだ。彼が愛したホテルということかな。彼が泊まった128号室は今でも人気らしいし、ゆかりのピアノも現存している。
彼の滞在については、そもそも彼が愛したヨーコさんの実家の別荘がホテルの近くにあったから、という憶測もあるようだ。ロイヤルミルクティーは当初なかったメニューで、彼の希望でメニューに加わったらしい。
そのほかには、旧軽銀座「フランスベーカリー」のフランスパンとか、中軽井沢のカフェ「離山房(りざんぼう)」のテラスやブルーベリージュースとか、旧軽銀座「栄林(えいりん)」の酸辣湯麺とか、たくさん出てくる。
みんな勝手に伝説にしてるんだろ、などと悪口を言う向きもあるのだろうが、そもそも彼の生涯が伝説なのだから、こんな機会に彼のことを思い出したり、語り合うのが一番大事なのかもしれないな。

●このホテル mampei.co.jp









