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2022年03月04日

寒い夜のヴァン・ショー

冬の夜、閉じてあるカーテンを少しめくって、外の景色を覗くことがある。もちろん暗くて景色は分からないのだが、庭に積もり始めた雪をみて、あぁ明日の朝は雪かき(除雪)かなぁ、などとため息をつく。
最近、自覚してきたのだが、寒さに弱くなっている。同意する同級生も多いから、たぶん加齢による特徴なのかもしれない。特に夕食の直前は、震えるほど寒く感じて、風邪ひいたかも、などと繰り返すようになった。もちろん気のせいなんだけど(笑)。
あることがキッカケで、わが家のウイスキーの棚に、角とオールドが加わった。いつしか常備品のシングルモルトの「瓶たち」「箱たち」が後ろに並んでしまい、角とオールドが最前列に並ぶようになってしまった。特にオールドが、デカい面をして真ん中にいる。
前に出てきた理由は、使う頻度だ。寒くてホットウイスキーを飲むようになったからだ。まぁ何十年ぶりの珍事なのだが、そんなときは、オールドのお湯割りしか選択肢がない(笑)。

家内は最近になって、僕が作るジントニックを、旨い、とやたらと褒めるようになった。何かあるぞ、何を企んでる?、とは思っていたのだが、その謎は簡単に判明した。旨い「ホットワイン」が飲みたいのだそうだ。つまり僕に作れということらしい。
少し前のこと、冷えた白ワインを飲んでいたとき、「冬はホットワインもいいよなぁ」などという僕の独りごとに、妙に彼女が反応したことがあった。僕が知っているホットワインは、ドイツタイプの、いわゆるグリューワインというやつで、作るのが面倒くさいし、使うスパイスもない、何より特徴のオレンジピールもない。だから無理だと言えばいいのに、なんとなくチャレンジすることにした。
イメージしたのは、残っていた白ワインのサングリアだ。スパイスはないが、野菜室の果物(何とかという柑橘)や生姜を入れて温めれば、美味しくなるかもしれない。・・・しかしまぁ結局、ものの見事に失敗した(笑)。

後日、クローブとシナモンを探して、買うことにした。品質などにこだわるプロではないから、まぁ手に入ればいい、そんな感じだ。とはいえ料理に使うわけではないからパウダー状のやつではない。クローブは「ホール」のやつ、シナモンはスティックを探した。で、驚いた。近くの普通のスーパーにちゃんと置いてあった。最近の利用客は、暮らしの中にそんなスパイスを取り入れて楽しんでいるんだなぁ、ちょっと驚いていた。
あれから何度か作ってみたが、なかなかうまくいかない。けっして不味くはないのだが、納得できなかった。最初っから、マイレシピでチャレンジしたのが失敗だったのだ。特にホールのクローブは必須アイテムのようだ。シナモンとの相乗効果で香りに深みが出る。
ワインは安い赤でいい。甘みはハチミツ(ブルーベリージャムで失敗してる)、皮付きの生姜、果物はオレンジとリンゴ、それにクローブとシナモンだ。狙っているのは「ヴァン・ショー」つまりフランスタイプのホットワインだ。果物の皮は、温めると苦味が出るような気がして、きれいに剥くのだが、ホントのところは分からない。

まるで夜の実験室なのだが、なんとか旨いやつに出会えるようになった。でも似合うグラスはないし、とにかく色目が悪い。今夜は温め方に難があって、オレンジがバラバラの粒になってしまった。ご愛敬だ、我慢してくれ。まぁまぁ、次回はもっと旨くなるから、と実験が続いている。
家内は美味しいと言いながら飲んでいる。でも僕は、やはりオールドのお湯割りの方がいい。まぁクローブが手に入ったから、ほかのウイスキーでも、旨いホットウイスキーができ上がるかもしれない。次回は、そんな実験も加わることになる。
家内が見つけたN島くん主演のドラマに、毎回このヴァン・ショーが出てくる。どうやらフランスのドミトリ(安宿)の女主人秘伝のレシピという設定だ。彼女のイメージはそんな感じかもしれない。まぁ今回も敵は手強い。

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