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2020年04月24日

今年の花見はいつもと違うなあ

こんなに桜の写真を撮ったことはない。桜は毎年咲くのに、今年に限っては必死に撮影していた気がする(笑)。〇〇するのは控えましょう、という言葉が、いつのまにかもっと強い表現になって、近頃では、Stay Home の合言葉とともに、ささやかな外出すら控えるようになった。お花見については、それほど熱烈なファンではないのだが、ダメだ、できない、と言われれば言われるほど、何か大事なものを失うような、妙な気分になってしまっていた。
だから、日常の仕事でのクルマの車窓から桜を見かけると、ふいに目が行ったり、買い物の帰りに回り道をして近所のスポットへ向い、写真を撮ったりしていた。これは、僕だけのことではない。みんな同じなのだと思う。今年の桜の兼六園はひっそりしていて、むしろ卯辰山では、ちょっとした車の渋滞があったのだそうだ。みんな「ドライブスルー花見」をしていたのだろう(笑)。

僕のささやかな花見も身近で始まっていた。近所への散歩では、毎週毎週の小さな変化を楽しみに、桜の開花を楽しんでいた。桜並木のソメイヨシノのつぼみは、徐々に膨らんで、2分咲き、5分咲きと移ろい、満開の並木の「桜のトンネル」が嬉しくて立ち止まって眺めていた。そんなソメイヨシノは、翌週には、午後の海風に乗って、花びらが舞いはじめ、遊歩道に桜の帯ができていた。替わりに八重桜のつぼみが小さく開いて、赤い新芽と一緒に風に揺れていた。ちょうどその頃になると、白山市庁舎の「しだれ桜」が満開になる。こんな年齢になってから、桜の色は濃い方が好きなのだと気づいた(笑)。そういえば兼六園の山崎山の下には、かつて、しだれ桜のスポットがあってお気に入りだったなぁ。

あらためて兼六園のホームページを開いてみた。奥の方にある「兼六園菊桜」は天然記念物なのだそうだ。初めて知った(笑)。どうやら遅めに咲く桜で、普通の桜と違って、約2週間にわたって、濃紅、薄紅、白、と色が移っていくという。全国にある桜のなかでも特に珍しい品種なのだそうだ。この色の表現の「耳ざわり」がとても素敵で新鮮に思えた。こいくれない(濃紅)、うすべに(薄紅)、しろ(白)。移ろう季節の色には大和言葉の表現が、しっくりくると思う。
桜の種類や名前は色々あることも知った。普段の会話ならソメイヨシノしか出てこない(笑)。もっと以前から知っていれば、楽しみ方も違ったことだろう。今日は、雨の晴れ間に散歩に出た。用水横の遊歩道の八重桜が大きく広がり始めていた。存在感があって元気に見える。また数日過ぎるころには、満開になって美しい風景になるのだろう。近所にも八重桜だけの桜並木があるから、クルマで少し遠回りしみようか。僕もドライブスルー花見だな。

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