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2020年04月24日

旅館での溜息「まだ怒ってるよ」

大げさに言えば、僕はある種の演技をしている(笑)。ホントは寛容で優しい男なんだ、と自分に言い聞かせて、怒りを感じても我慢するようにしている(笑)。実は根っからの瞬間湯沸かし器で、喧嘩っ早い。もちろん売られた喧嘩は必ず買う。だから数々の失敗をしてきた。若気の至りってやつだが、年齢を重ねるにしたがって、我慢や寛容を覚えてきた。今風に言えば、アンガーマネジメント(怒りのコントロール)というやつかな(笑)。でも、負けようが勝とうが、他人との約束は必ず守るし、自らのキマリも守る。それだけは今でも矜持だ。
そんな僕は、今ではクレームをぶつけることもないし、ひどい目にあっても失敗談や笑い話にすり替えて、なるべく批判は口にしない。もちろん陰口や悪口は言わないことにしている。当方に非がないかと振り返り、余計なことは言わずに嫌な記憶を封印してしまう。でも、あるとき封印が解けてしまうことがある(笑)。僕はそんな面倒くさいオッサンだ。

高額で有名な、地元の某・巨大旅館がある。ある日、友人との会話がそんな話題になって、その有名旅館での体験を思い出した。最悪の失敗だったから封印してきた記憶なのだが、思い出してしまった。その日の出来事が蘇ってきて、だんだん腹が立ってきた(笑)。あのとき以来、その旅館は選ばないことにしている。旅館とすればファンを一人なくしたくらいの話なのだが、使った僕にとっては「大事な一日」を台無しにした出来事だ。けっこう寛容な自分に慣れてきた僕なのだが、この日ばかりは怒りが収まらない体験だった。
そもそも僕は、その旅館の大ファンだった。当時は、慰安会とか、会合や式典のような仕事がらみで利用していた。そして「男の夜のお遊び」とか麻雀とか、そんな思い出ばかりだ(笑)。そんな、おっさんの団体旅行にとって最適な旅館だったのかもしれない。

5~6年前の「ある日」のことだ。自分の仕事も変わり、10年ほどご無沙汰しただろうか、個人としての大事な一日を楽しもうと宿泊した。そこで驚くような一晩を過ごした。とてもいいとは思えない、いや最低だ、というのが本音だった。でも、その怒りや失望を「しかたない」と飲み込んでフタをした(笑)。思い出したからといって、ダメだった、酷かった、腹が立った、その日に体験した様々な出来事を、いまさら書くつもりはない。昭和の団体旅行はすでに消滅していて、世の中は個人旅行の時代なのに、この旅館は、ずっと団体向けの対応を続けているように思えた。少なくとも僕たちへの対応が典型的だった。でも勝手に期待した僕にも非はある。

いかんいかん。せっかく封印してきた記憶だから、笑い話に置き換えよう、とは思いながら、思い出したように、この旅館のホームページを開いてみたりした(笑)。あれから何年も経つから、改善されているかもしれない。水に流して許してあげるべきなのかな?。でも、まだ駄目だ。また思い出してしまった。僕は、そんな小さな男だ。そして、やっぱり、まだ怒ってるよ(笑)。

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