リノベ倉庫の「ちいさなまち」の中のホテル
春の瀬戸内ぶらり旅2026その3
サイクリストのためのアレコレ
今回の旅のきっかけは、単純に「しまなみ海道を車で走ってみたい」と思ったことだ。その本州側の起点は尾道ということだから、旅の計画は尾道の「あのホテル」を探すことから始まった。
尾道は、はじめて訪れたときにとても気に入った街だ。当時の記憶に自信はないのだが、このホテル(尾道駅の近くの海側のホテル)の存在だけは覚えていた。とはいえ泊った訳ではなく、散歩の途中で見かけただけだ。だから名前も覚えていなかった。
マップで探したら、HOTEL CYCLE(ONOMICHI U2)という名前だった。えらく長い名前でカッコ書きの意味も分からなかったから、公式サイトを開くことにした。そしたらハマった(魅力的だったのだ)。こんなホテルなら泊まってみたい。さっそく予約をすることにした。

カッコ書きの「ONOMITI U2」というのは施設の名称だった。サイクリストの聖地「瀬戸内しまなみ海道」。それを目指す世界中のサイクリストのニーズに応えた設備やサービスを専門的に揃えた複合施設。そんな解説を見つけた。う~ん、でもサイクリストのことはよくわかないかな笑。
元々この場所にあったレンガ造りの海運倉庫(とても古い)の外観を残しつつ、現代的に(つまりカッコよく)リノベーションして誕生したらしい。着いたときの第一印象は「古いけど大丈夫かぁ?」だった笑。
施設のコンセプトは「まちの中のちいさなまち」を作ることだったらしい。なるほど、施設の中に入ると、おしゃれなライフスタイルショップがあった。新しいから安心した。焼きたてのベーカリーが並んでいて柑橘類の瓶詰にそそられた。いい感じのレストランやBAR、そしてカフェもある。さらに奥の区画がホテルだった。
そして一番の特徴は、自転車のプロショップが入っていることだ(面積も広い)。扱っているのは観光地にあるレンタサイクルの(ママチャリみたいな)それではなく、本格的なロードバイクだ。僕は門外漢だからよく分からないが、世界的なブランドで、しかも品揃えは凄いらしい。
施設横の別棟には、ロッカーやシャワーなどの施設も用意されている。愛車のメンテナンスもできるようだ。さすがサイクリストのための施設と呼ばれる訳だ、と感心していた。
▲▼この施設のアルバム10枚スライド
さて、僕たちが予約したホテルだが、デザインイメージがこの施設にとても馴染んでいて、レストランやカフェと一体のように見えてしまう。とはいえ目立った主張はない。つまりホテルは、このサイクリスト施設の「客室」みたいなことだと思う。客室は28室しかないから、まさにそんな感じだ。
ちなみに客室のデザインは尖っていて感度が高い。バスルームのレイアウトや室内の照明なども独特だ。ジジババにはちょっと不向きな気もするが、慣れるとなかなか面白い。
例えばフロントは自転車を持ったままチェックインできるし、通路には豊富なロードバイク(たぶんレンタル用)が並んでいる。客室の壁にはサイクルハンガーがあって、自分の愛車をリフトできるようになっている。まぁベッドサイドの愛車を眺めながら夜を過ごすってことかな笑。
部屋のバスタブは、なぜかとても大きくて、湯を張るのに時間がかかったりする。この晩、酔った僕は溺れそうになった(まぁ話をちょっと盛ったけど、それほど深くて大きい笑)。
そういえば利用客の大半は欧米人だ(施設もホテルも)。ヨーロッパの自転車カルチャー(特にサイクルツーリズム)の深さや広がり、関連施設の充実度などは日本人にはなかなか真似できないことだと思う。そもそも生き方の違いかもしれないな。
▲▼レストランのアルバム10枚スライド
そんな施設だから、レストランも欧米の人たちたちばかりだ。さっきまでBARで飲んでいた欧米シニアカップルが、グラス片手に(スマートに)ディナーテーブルに移動したりする(こんな時の彼らの所作は堂にいっている)。
コースは近隣の海や山の幸を使ったシンプルな組み立てだった。シマアジやアワビ茸を上手に使った前菜は秀逸だったし、メインの炭火グリルは旨かった。そして驚いたのは最後のパエリアだ。魚介スープで炊いた米の中に少しだけ麦が混ざっていて味も食感も楽しかった。
味変わりを楽しむためのアリオリソースも絶品だったが、添えられているレモンを絞るとバツグンに美味くなるのだ。このあたりはレモンの産地だから、レモンの出来が違うのだろうか。
僕たちはいつものようにクラフトビールやワインで楽しんでいたのだが、もしかしたら・・・とレモンを使ったサワーやカクテルも飲んでみることにした。これがやっぱり格段に旨いのだ。レモン以外の柑橘類も使われているのかもしれない。さすが柑橘の本場ってことかなぁ。
▼朝の散歩アルバム10枚スライド
で、飲み過ぎた老夫婦は早めに眠ってしまった。だから翌朝、目が覚めたのは5時過ぎだった。で、思い付いた。ちょうど港の朝日が見えるかもしれない。さっそく着替えて外へ出ることにした。
早朝の護岸のウッドデッキは清々しい。目の前の尾道水道に波はなく、水面は鏡のように静かだ。そもそも尾道は漁港ではなく造船や海運の街だ。こんなに朝早いのにすでに何隻かの船舶が静かにゆっくり走り始めた。
左手の(向島の)山々がすでに明るくなっていて、今まさにお日様が顔を出すタイミングだった。ラッキーだ。何分くらいだったか記憶にないが、ぼ~っと日の出を見続けた。さらに(ほぼ無意識に)日の出の方向へと歩いて行った。
ふと気付くと、デッキをランニングする人や体操するおばあちゃんもいる。いい感じの朝だなぁ。
それからさらに朝の散歩を続けて、ホテルに戻ったときには誰もが朝食を食べていた。尾道で働く人の朝も早いが、サイクリストの朝も早いんだね。
さぁ僕たちも朝ごはんにしようか。さすがにロードバイクは無理だから、今日はレンタカーでしまなみ海道を走ろう。

このホテル https://onomichi-u2.com/









