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2025年04月18日

名物うどんと桜ふぶきの小径

桜の京都ぶらり散歩「前編」
散歩の前に腹ごしらえ
久しぶりに「おめん」のうどんを食べに来た。たぶん20年ぶりだ。当時、連れてきてくれたのはフランス料理のシェフで、なぜうどん?と思いながら食べたことや、とてもユニークで美味しかったことを思い出す。
ここは銀閣寺の近く、というより店の真横の坂を30mくらい上げれば哲学の道だ。坂の上に満開の桜並木が見える。まだ午前中だというのに、店の前は人であふれていた。やっぱり順番待ちを覚悟しなければならない。

この「おめん」というのは店の名前だが、そのまま名物うどんの商品名のことだ。だし文化が根付く京都だから、美味しいうどんはたくさんある。おめんも美味しいがその特徴は「薬味」で、それを「つけ麺スタイル」で食べるということかな。
温と冷が選べるのだが、温の場合は、大きな丼に入った湯だめの「うどん」と温かい「つけ汁」、それに数々の「薬味」そして「白ごま」がセットで出てくる。冷になると、冷たいうどんと冷たいつけ汁になるだけだ。
丼のだしに白ごまをたっぷり2~3杯入れて、好みの薬味を投入、それをつけ麺のように食べる。次は薬味を変えて、また別の味を楽しむ、さらに薬味を変えて・・・まぁそんな感じだ。
単に薬味と書いたのだが、皿に湯葉とか揚げ茄子などが入った前菜の盛り合わせのように見えるし、一番驚くのはたっぷりの「きんぴらごぼう」の小鉢があることだ笑。つまりこれらが全て「おめんの薬味」ってことになる。薬味だから、順につけ汁にぶっこむ笑。
うどんと一緒に口に入ってくると、きんぴらごぼうがホントに美味しい薬味に変身するのだ。ウソみたいだがホントのお話。旨いよ。
ちなみに僕が注文したのは「京小麦・石臼曳き・全粒粉おめん」というやつで、麺が細くて黒いからまるで蕎麦に見えるのだが、とても美味しいうどんだった。七味じゃなくて三味と八味の味変も楽しい。京都の食は奥が深いね。
▲ユニークなおめんのアルバム(タップして右へ)

哲学の道ぶらぶら
さて、欲張って天ぷらとか鯖寿司まで食べてしまった。お腹もパンパンになったから、今度は散歩で腹ごなしかな。上着も脱いで坂道を上がった。
哲学の道は、ここ銀閣寺橋(北端)から、永観堂近くの若王子橋(南端)まで1.5kmもある素敵な遊歩道だ。いつもと違って、今日はその下流から上流へと歩いて行くことになる。
この道は、そもそも琵琶湖疎水(の分線)の管理用にできた歩道らしい。京都大学で哲学を研究した西田幾多郎さんたちが思索しながら歩いたから「哲学の道」と呼ばれるようになったとか、そんな逸話になっている。地域住民の保存活動に際して、いくつかあった候補から、この名前が選ばれたのだそうだ。
春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色・・・ガイドブックならそう書くかな。まぁ絵になる京都ってことだね。僕の大好きな場所だ。
▼哲学の道の桜2025(タップして右へ)

この日は晴れていたが、すでに満開が続き、そろそろ見納めかも、というタイミングだった。ソメイヨシノは散り際に少し赤くなるらしい。たしかに圧巻の「さくら景色」というやつだった。
そしてちょっと強めの風が一瞬吹くと、一部の枝が風に揺れて桜の花が宙に舞う、とてもきれいな時間だ。いわゆる「桜ふぶき」かなぁ。
あわててスマホを動画モードにして構えるのだが、そうそう簡単に撮影できるわけではない。狙った場所に風が吹くことはないってことだね笑。これは静止画でも同じだ。そんな写真は1枚も撮れなかった。
そのかわり、疎水の川面に浮かぶ花びらが、上流からゆっくり流れてくる。花筏というにはスケールが小さいのだがボ~っと眺めていられる。あと2~3日もすれば本物の花筏が水面を覆うのだろうな。ポカポカ陽気で、水面の石の上でカメがひなたぼっこをしていたり、そんな静かな風情が見られた。
▼散歩の途中の一服タイム(タップして右へ)

道の途中にはたくさんのカフェが出来ていて楽しい。ちょっと休憩などと思うのだが、やっぱり列が付いている。まぁ散歩する旅人の心理はどこも同じだ。もう少し歩いてみようか。
途中の法然院へ向かってみることにした。たしか紅葉がきれいな寺社だと記憶しているが行ったことはない、桜はどうなんだろう。山側の急な坂道を上がり看板を頼りに向かったのだが、そんなチャレンジは見事に失敗した笑。まぁこんなこともある。
もうすぐ南側のゴールというあたりで、和カフェを見つけた、叶匠寿庵だ。和菓子店だが、その奥にカフェがあるのだ。コロナのせいかな?前回もそうだったが、ずいぶん長くクローズしていたはずだ。まぁ復活ということらしい。
おすすめされたのはお茶席での抹茶だが、老夫婦が散歩の途中の一服に選んだのは「梅あんみつ」と「ほんわらびもち」だ。老人の疲労回復には甘いもんが一番だから、ね。
詳しくは分からないが、ここは由緒正しい場所らしい。庵号は茶道の家元から、建物は当時の高名な数寄屋大工の手で、そんな特殊な空間だ。古さは否めないがなぜか落ち着く。一番いいのは人がいないことかな、知らない人にとっては、あの玄関はとにかく入りづらい笑。

さて、エネルギーチャージは済んだ。のんびり歩いて、南禅寺の桜を見に行こう。

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