サンゴ礁の海岸、客室、花の回廊、守るグスク
沖縄ガールのガイダンス
春の沖縄ホテル滞在記その1
夕方到着したばかりだが、この宿の第一印象を少し書いておきたい。
まずはランドスケープデザイン(景観デザイン)のことだ。宿の佇まいがひとつの総合作品のように見えて、僕にとっては一気にテンションが上がる出逢いだった。まぁ凄いのだ笑。
滞在するのはベタな表現でいえばリゾートホテルだ。でも独特の外観をしている。それは建物のことではなく「グスクウォール」という高い壁のことだ。グスクは直訳すると琉球の「お城」を意味する。つまりこの壁は、敷地の中の人々の暮らしや文化を守る石垣のようなイメージらしい。
壁なのに美しく見えるのは、伝統の織物「読谷山花織」の模様デザインを施して、センス良く見せているからだ。とはいえ迫力はすごい。高さ4.5mの高い壁が、全長1.2kmの長~い敷地を囲い込んでいる。
案内資料によれば、12万5000平米(≒約38,000坪)の敷地には、サンゴ礁の海、自然のままの手つかずの長い海岸、1~2階建ての全室オーシャンビューの客室棟の数々、そして緑の木々の回廊と美しい花畑・・・。これら全てを外周のグスクウォールが守っている。
こんなデザインのリゾート施設は見たこともない。まぁカッコいいのだ。
▼レセプションのアルバム(タップして右へ)
敷地への入り口はグスクの外の出城のような建物で、これがレセプションだ。白い外観から一転して内部は海底をイメージした深いブルーの空間だった。サンゴの林を思わせるオブジェが並んでいる。
ここでのチェックイン手続きが終わると、専用カートで客室へと送ってくれる。僕たちを乗せてカートを運転するのは若い女性スタッフだった。とてもかわいい笑。
グスクウォール脇の専用路を疾走しながら色々な話を聞かせてくれる。ハナシ上手だからベテランかな?と思ったが、どうやら彼女は1年生らしい。沖縄出身の彼女は、大好きな沖縄のことをもっともっと勉強して、その素晴らしさを旅人に伝えたいのだそうだ。
カートはポータルという名の小さな門で停まり、ここから先は徒歩で部屋に向かう。敷地に足を踏み入れて驚いた。そこはたくさんの花々が咲く回廊なのだ。僕が分かるのはハイビスカスくらいだが、彼女の説明によればハイビスカスというのは品種の総称らしい(実は何千種もあるのだそうだ)。たしかにいろんな色のやつがある。
▼花の回廊と客室のアルバム(タップして右へ)
案内された客室は、これまた面白い構造だった。土間ダイニングという広いスペースにシンク付きの大きなテーブル。壁の家具に埋め込まれた大型冷蔵庫。そして海側は全てガラスの扉で、外の広いテラスは海風が気持ちいい。
奥にあるベッドルームの窓から見える海の景色が特に美しい。これは窓枠を使った「借景」ということかな。和風なら1枚の絵のようだ、などと表現するのだと思うが、目の前のそれは最新の大型ビジョンで楽しむ海の映像のような感じだ。紅く染まった水平線がとてもきれいだった。
あれこれ客室の仕様を説明してくれる彼女に、おすすめの夕景ポイントを訊ねてみることにした。どうやらプール脇の一番奥に彼女イチ押しのベストスポットがあるらしい。彼女はカートで送るというが、それを辞退して敷地の回廊を歩いて向かうことにした。まぁ、ホテルの中の探検みたいなことかな。
レセプションでもらった館内の地図を片手に、老夫婦はプールの方へと進むのだが、これがめっちゃ遠い。地図で見るのと歩くのはやっぱり違う、カートにすればよかったかなぁ笑。
でもまぁ沖縄の木々や花の回廊はやはり美しくて、ちょっとした迷路のような楽しさもあった。宿泊棟の向こうに見える海の景色だって赤くなり始めて十分きれいだ。彼女のおすすめスポットが楽しみになった。
ちなみに、今回滞在するのは「Hのや沖縄」という。たしか2020年?に誕生した比較的新しいホテルだ。ちょうどその年、僕たち2人は竹富島のHのやに滞在していて、そのニュースを知った。だから、いずれ2人で沖縄本島に行くのならここがいい、そう決めていたホテルだ。元気でいれば願いは叶うものだ笑。