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2025年04月10日

58号線は渋滞でも何かと面白い

春の沖縄海風ドライブその1
レンタカーの旅のはじまり
今のうちに宿泊予約をしてしまおうと、ホテルの公式サイトで手続きに入ったら、提携レンタカーの案内があった。ほう、安くなるのかぁ、それは便利だなぁと、そのままレンタカーも予約することにした。まるで客室を指定するような手順で車の車種を選ぶ感じだ、たしかに便利だった。
沖縄は車がないと大変だ。那覇の市街地ならともかく、西へ北へ、海へ森へと、行きたい場所が次々に浮かぶ僕にとって、レンタカーは必須なのだ。もちろん愛車と違う車種に乗ってみるのも、あんがい楽しみだった。
とはいえ選べる車種には限りがある。結局選んだのはヤリスクロスというトヨタの小型SUVだった。もちろん知らない車種だが老夫婦の2人旅だからちょうどいいサイズだ。トヨタ車ならカーナビも使いやすいはずだ。ちなみに愛車のナビは意外にポンコツで、いつもはスマホ(Googleマップ)を使っている笑。

空の旅に遅延は当たり前ってことかな、小松-羽田便はやっぱり遅れた。でもまぁ、途中の富士山がきれいに見えたから、これは許そう笑。
でも乗り継いだ羽田-那覇便も遅延し、結局1時間ほど遅れて那覇空港に着いた。もうすぐ夕方だから、これで初日の寄り道は断念するしかない。とはいえレンタカーの送迎も手続きも簡単スムーズに進んで、思ったより早めに車に乗り込んだ。人気ホテルの提携だけのことはある、ホテル様様ってことかな。
さて、カーナビだ。渡されたホテルのマップコードを打ち込んでさっそくスタートだ。さすがはトヨタ車だ、ユーザーではなくても簡単に使える。カーナビが指示するコースは、高速道路ではなく一般道(国道58号線)のようだ、ふ~ん。
那覇空港近くの営業所から北へ向かう。ゆいレール(モノレール)の高架を抜け、橋を渡れば国道58号に合流だ。右手は国際通りのようだから、この辺りは那覇の中心街ってことかな。那覇ってこんなに近代的だったっけ、と驚くほど道は整備され、多くのビルが並ぶ街へと変貌していた。
カーナビの画面には「赤い経路」が何か所も表示されている。渋滞かぁ、どうやらこの時間の市街地はアチコチで渋滞中らしい。そういえば沖縄は、その渋滞が有名で観光客泣かせだと思い出していた。

58号は往来6車線の広い道路だ(途中に8車線の区間もあった)。なのに、やっぱり渋滞がひどい。今日は祝日だから道はすいてますよ、そう言っていた営業所のスタッフにとっては、これが日常ということなのかな。沖縄は典型的な車社会ってことだ。
実は、国道58号線が特殊な国道だと以前から知っていた。58号はここ那覇から沖縄本島を北へと縦断して、フェリーで海を渡り、奄美大島、種子島、そして本土の鹿児島市まで続く海上国道なのだ。たしか日本最長の国道だったと思う。
僕にとっては日本の焼酎文化のルーツ「焼酎海道」ってことかな。つまり古(いにしえ)の沖縄の泡盛から始まり、徐々に北上して本土の鹿児島へと続く「焼酎文化の伝搬ルート」として有名な道だ。
一方、沖縄の人にとっては愛称(たしかゴッパチだ)が付くほど親しまれている道だ。愛する沖縄を象徴する道路だから、関連ソングも関連グッズもたくさんあるそうだ。たしか、かりゆし58っていう沖縄バンドもいたっけ。
そろそろ渋滞は抜けたかな?、スムーズに走れるようになった。当初の所要時間は60分ほどの表示だったはずだが、それがどんどん長くなっていた。ようやく快適なドライブタイムだ。

この日は天候に恵まれた。58号は海沿い(いわゆる西海岸)を走る道だから、青い空はもちろん、ときおりコバルトな海の景色が見えて気持ちがいい。ナビの画面の左側に「東シナ海」と表示されるから、珍しさにちょっと嬉しくなったりする。道の両側の建物とか看板とか、アメリカの西海岸を想起させる景色に見えくる。懐かしいなぁ。
途中で助手席の家内が気付いた。走る車のナンバープレートがちょっと違うやつが多いのだ。一番左がアルファベットだから、つまり米軍関係者ってことかな。ちょうどこの辺りは嘉手納基地だ。道路の両サイドはヤシの並木になっていて、きれいな景色だが、道路脇には鉄条網のフェンスがず~っと続いている。
そういえばさっき普天間飛行場の横を通ってきた。旅人の僕たちにとっては単に知っている地名に過ぎないが、知った理由は複雑だ。普天間→辺野古のキャップシュワブ・・・そんな、県民にとっての切実な問題を思い出したりする。

後半はスイスイ走って、ようやく車は58号から外れ、県道に入った。この先の海側に、今回滞在するホテルがある。さっきまで現代的なハイウェイみたいだったが、住宅街や商店街、そして一気に畑の景色になる。もしかしたら紅芋の畑かもなぁ。
ここは読谷村(よみたんそん)だ。さらに先に向かえば、何年か前に滞在した恩納村(おんなそん)がある。そこの夕陽はとてもきれいで忘れられない。どちらも沖縄を代表するリゾートエリアだが、こっち(読谷村)は初めてだった。
もうすぐかな、という頃、車は海に向かって一直線の道路に入った。そろそろ太陽が降りてきて、直線道路の前方の海がキラキラしはじめた。とてもきれいだ。早くしないと夕景に間に合わなくなりそうだ。ちょっとアクセルを踏んでしまう笑。

ずいぶん遅れてしまったが、車は無事にホテルのレセプション棟に到着した。車寄せでは若い女性スタッフたちが笑顔で迎えてくれた。ちょっといい感じだ。先にトランクを降ろして車を駐車場に移動する。広い駐車場はすでに一杯で結構遠くに停めることになった。
車を降りて、レセプションへと歩くとき、右手の空に、赤く染まった雲とそれに隠れた太陽が見えた。まだ屋根の上だから日没ってことではない。間に合ったな、どうやら水平線に沈むのはもう少し後だ。ちょっと安心した。まぁきれいな光景だ、この空は今日のドライブで見た一番うれしい景色だった。
さぁ~てと、楽しい滞在の始まりだ。

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