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2024年10月24日

かに面、かわはぎ、さんま、泡、純米大吟

小さな利き酒会 inみひろ
そろそろ飲まないとやばいかも・・・。普通の日本酒ならあまり心配ないのだが、この酒だけはちょっと気になっていた。会計のとき女性スタッフが真面目な顔で「できれば4か月以内にお召し上がり下さい」と念を押していたからだ。まぁデリケートな酒ってことかな。
それは新緑の頃に、おっさん2人で訪れた「ESHIKOTO」という名の、黒龍の施設で買ってきた2本の酒だった。ESHIKOTOは黒龍のブランド名(誕生したばかりの新ブランド)で、つまり売っているのは「ここでしか買えない酒」ということだ。
値段は日本酒としてはずいぶん高額なのだが、せっかくだからと、互いに気になるやつを1本ずつ買って帰ってきた。僕の1本は純米大吟醸、彼の1本はここで熟成中の「AWA酒」、それは瓶内二次発酵で作る本格的なスパークリングだ。

後日のハレの日とか、大事な来客の日に飲もうか、ふたりともそう思っていたのだが、おっさんたちにはそんな特別な日はやってこないから、けっきょく今日まで封を切ることがなかった。
だから、10月のこの日「みひろ」に持ち込んで仲間の3人で飲もうか、というハナシになった。3人にとっては「ちょっと特殊な日本酒」の利き酒会になる。9月の酒の会の後日談だから、その番外編ということかな。
皆んなが集まるイベントの時は、幹事の僕はあえてあんまり飲まないのだが、今日は飲むぞ~という感じだった。そんなこともあって、迎えるY萩くんは、専用の小さなつまみを何品か用意してくれた。まぁカッコよく言えばペアリングを楽しもうということだ。

カウンターに酒とグラスを並べて、たった3人の利き酒が始まるのだが、やっぱり僕たちは何かやらかす。そんな小さな悲劇(まぁ喜劇っぽいけど)は冒頭に起こってしまった。
乾杯はAWA酒(スパークリング)だ。K中くんが儀式のようにコルクワイヤーをゆっくり外して、硬いコルクを指で押しあげる。ポ~ンと音が出てパチパチ拍手ってのがオキマリの光景なのだが、彼の手元のそれは意表を突いた。なぜか大量の泡が一気に噴き出し、カウンターに流れ出したのだ。
その量がものすごくて、おしぼりや箸はもとより、泡の激流はあっという間にスマホを飲み込む笑。乾いたタオルで事なきを得るのだが、彼のテンションが一気に下がったのは間違いない。
落ち着いたのち、見ると酒の残量は半分ほどになっていた。文字通り、半分が泡と消えたことになった。グラスに注いだスパークリングは、さらに高額な一杯になったのだ。やれやれ、デリケートにもほどがある笑。
●この日の酒とつまみのアルバム5枚(タップして右へ)

小さな酒のつまみは面白かった。それを順に楽しみながら利き酒を進める。かに面おでんの香箱は解禁前なので、今日は新潟のやつらしい、でもやっぱり旨い。かわはぎ(うまづら)は薄造りで、叩いた肝をのせてある。日本酒党にはたまらない組み合わせだ。
茄子も烏賊も串も、あれこれ順に出てくる料理には、やっぱり純米大吟醸の方が似合うかな。こいつは切れも旨味も抜群だった。今回のスパークリングはやや甘めだったから、最後のデザート代わりが良かったかもしれない。
料理が一巡したころ、僕はどうしても「さんま」が食べたくなった。焼きたてのやつから中骨を抜き取り、大根おろしを上に広げて醤油を回し、小骨を無視してワタごと口へ運ぶ。僕にとってはやっぱり秋の最強の料理なのだ。

どうやら日本酒2本は空になり、これで利き酒は無事終了した。目の前には、いつのまにかワインやチーズが並んでいた。これがいつもの光景ということかな。Y萩くんがワイン党ということもあって、僕たちにとっての「みひろの酒」はワインなのだ。
彼いわく、今日の赤はコスパのいいカジュアルなやつらしい(ラングドックかな)。なるほど旨いよ、などと会話しながら飲み続けるのだが、実は、ここまでくると危険水域だ。おそらく二人の今日の記憶はこのあたりがリミットだった笑。
さっさとタクシーを呼んでもらい、彼はラーメンを、そして僕は、牛すじとコップ酒で〆めて、お開きにした。楽しい夜だった。でも、最後の記憶はやっぱりなくて、スマホの画像で思い出したんだけどね。

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