当時の日本人が考えたアメリカかな
春の沖縄海風ドライブその2
この日、ドライブ気分で訪れた「アメリカンビレッジ」は、嘉手納基地の海側にある。歴史は古いが今でもそれなりに人気の観光エリアだ。正しくは美浜ビーチリゾート・アメリカンビレッジという。美浜は北谷町(ちゃたんちょう)の海岸エリアの名前だ。
沖縄の観光エリアとしては、観光マップの冒頭に登場するほど有名なのだが、僕たちは初めて訪れた街だった。それにしても建物の色がド派手だよなぁ笑。
その昔(1981年らしい)、順に返還されていった米軍基地のひとつ、キャンプ・フォスターの飛行場跡地と、海の埋め立て地にまたがって作られた、いわば初期の頃の人工のリゾートエリアだ。何年もかけて建設が続き、2004年にいったん完成したらしい。それでも20年も前のハナシだ。
古さは否めないが、今でも何となくアメリカの匂いがする。アメカジのファッションや雑貨、アメリカテイストのレストランが集積したエリアだ。要するに何となく「アメリカっぽい」のだが、本土のアメリカには、こんな街はたぶん無いと思う笑。
ちなみにカラフルな建物が多くて、むしろメキシコっぽい気もする。アメリカ西海岸にはメキシコのテイストが漂ってるから、決して間違いではないのだろうが、やっぱり日本人によるモノマネ感は否めない。
▲▼古いけど建物や店が楽しい(タップして右へ)
ホテルから30分ほどの距離だった。初めて来たのだが、僕はあんがいアメリカ好きだから、なかなか楽しい。ちなみに助手席の「奥さま」のご希望は「タコスが食べたい」ということだった。沖縄だからタコライスじゃないの?、と念を押したのだが、そうではないらしい。
たしかに本物のタコスは旨い。去年だったか、探したタケリア(タコスの専門店の意)で2人で食べた本場のタコスはめちゃくちゃ旨かった。彼女はそんなことを思い出したのかもしれない。
ここは米軍基地の近くだから専門店があるかも、と探してはみたが、結局そんな店はなかった。アメリカンとは言ってもここは古い観光地だから、おしゃれな店は多くない。街はアメリカンテイストだが、シーサーとかハブ酒とか、昔ながらの土産物店もたくさん残っている。そんな新旧の店が混在する場所なのだ。
妻思いの優しい夫はそこで考えた。僕の方の希望は「そそるカフェ」を見つけることなので、タコスを扱うカフェがあればいい、再びそんな店を探しながら、別のエリアを散歩することにした。
▼海側のエリア(タップして右へ)
アチコチ歩いて、海側のシーサイドエリアに出たときに、ついにベストなカフェを見つけた。店頭のメニューを確認したら、旨そうなタコスも売っていた。海岸に面したテラス席がなかなかおしゃれだった。
テラスからの眺めは結構楽しい。とはいえ、このエリアは有名な分だけ観光客が多くて、その人種も様々だから、いわゆる異国情緒満載のベタな観光地ってことかな。
メニューのタコスは、想像より専門的で、よ~し、と思ったのだが、これはランチメニューで、あと40分ほどしないと注文できないと判明した。彼女はがっかりしているが、まぁ仕方ない、ドリンクだけで我慢しよう。心なしかテラスの海風も冷たい気がした笑。
その後、有名なハワイアンカフェを見つけて、入ってみたりした。タコスはなかったが、トルティーヤのワカモレ(アボカドディップ)やアサイーボウルでテンション復活に成功した。ドライブはテンション高めの方がいい。
▲お洒落なカフェ(タップして右へ)
ちなみに沖縄は本土復帰から2022年で50年らしい。沖縄の米軍基地は返還時には83か所もあったそうだ。徐々に減ったが現在でも、なんと31か所の米軍基地があるらしい。これからも跡地が生まれ、開発によって新しい街が生まれるのかもしれない。
いわゆる観光客には関係ないハナシかもしれないが、沖縄特有の明るい楽しさの陰には、複雑な事情があることを知った日だった。頑張れ沖縄。