これは発明だと思う、それほど楽しい
いつでもOK自由で楽しい沖縄めし
春の沖縄ホテル滞在記その2
旅の楽しみのひとつは食べ物、つまりローカルフードだ。ここは沖縄だからたくさんある。何より有名なやつが多い。よく知る食材でも呼び名が違うし、料理名も独特で、何となく優しいおばぁの味がする(そんな気がする)。今回は何を食べようか、という話になるとアレコレいろんなやつが浮かんでしまう。
とはいえ、もうこんな年齢で沖縄キャリアもあるから、概ね有名な沖縄フードは食べてしまった。もちろん料理名が同じでも、食べると違いがたくさんあって楽しいことは分かっている。でもたくさんは食べれない。若い頃との違いはそんなところだ。
市街地の、地元民が通う沖縄居酒屋で、気軽に食べたり飲んだりしたい。出来れば酔って盛り上がって、カチャーシーの踊りの輪に加わりたい・・・。そんな妄想があるのだが、今回は遠いリゾートエリアを選んだから、まぁ諦めるしかない。街の居酒屋の夜は、また次の楽しみってことだ。
このホテルには不思議な名前のルームサービスがある。名称は「ギャザリングサービス」という。いわゆる普通のルームサービスもあるから、その進化系みたいなやつが加わった、ということかな。
シェフが下ごしらえした料理を、つまり半製品を部屋の冷蔵庫に届けてもらい、自分たちの好きな時間やタイミングで、自分たちの好きな順番で、自分たちで最終調理(まぁ最後の仕上げかな)して、出来立て熱々のそれを食べる、というやつだ。
公式サイトで詳しい内容を調べ、初日の夜のディナーにと予約してあった。アラカルトもあるのだが、楽しそうなので2人用の和食のセットを選んであった。和食といっても、いわゆる沖縄料理のコースのようなスタイルだ。好きなメニューが並んでいたから楽しみだった。
ホテル内の探検を終えて、部屋に戻ったのは19時くらいだった。飛行機も遅れ、渋滞で到着も遅れたから、自由に食べるこの仕組みはベストマッチだった。
初日の移動疲れを癒すように、ゆっくり風呂に浸かって、しばらくボ~っとしていた。部屋の風呂なのにやけに湯船が大きくて気持ちいい。
客室には土間ダイニングという名前の広いリビングがあり、その立派なテーブルの上にはいつのまにか食器やカトラリー、そして大型のIH調理器が用意されていた。大型の冷蔵庫の中には、巨大な朱塗りの重箱みたいなやつがたくさん積んであった。不在の間に用意されたようだ。
さて、湯上りの缶ビールで乾杯だ。くぅ~、旨いなぁ。まずは、冷蔵庫のそれを開けて中身を確認しよう。今夜の料理当番は、どうやら僕らしい。分からないフリをして家内は横でチャチャを入れるだけのようだ。
デカくて重い朱塗りの重箱には料理が皿ごと収納されていた。商品カードも付いている(これがお品書きかな)。たくさんの重箱、つまりすべての料理をテーブルに並べて、添えてある「調理マニュアル」を読んでみる笑。まぁIH調理器の正しい使い方ってことかな、どれも簡単だ。
さっそく好物のラフテーの過熱を開始して、その間に冷製の前菜や刺身を楽しむことにした。途中のコンビニで調達した白ワインを開けて、ディナーの開始だ。
テーブルのIHで加熱する様は、鍋を作るシーンに似ている。違うのは目の前で本物の料理が見事に出来上がっていくことだ。フィルムがどんどん膨らんでグツグツし始める。そんな動画を見ている感じだ。じ~っと見ているだけで面白い。
▼今夜の料理のアルバム(タップして右へ)
3種の貝の泡盛蒸し/ラフテー煮卵添え/3種のまぜまぜお造り/ぼろぼろじゅーしー(沖縄風ぞうすい)/ジーマーミ豆腐/島らっきょう浅漬け/もずく酢/グルクンの南蛮漬けシークヮーサー風味/ジェラート(濃厚バニラと島豆腐)・・・お品書きはこんな感じだ。
過熱する3品は一気に作ってはもったいない。ゆっくり食べて遊んで、食べ終わる頃に次のやつをスタートする。ビールやワインで酔い始めたのもあるのだが、老夫婦のテンションは爆上がりだ。
この楽しさは何だろう。鍋とも違うし、BBQのそれでもない。そうか、居酒屋なのだ。このスタイルは大発明だと思う笑。部屋で行儀悪く飲み食べするのは、今風に言うならパジャマパーティーってことかな。
BGM代わりにスマホ(Spotify)で選曲したのは、米津やYOASOBIに始まって、結局スピッツやオフコースの楽曲ばかりになっていく。まぁ昭和人間ってことだ、楽しい。今から思えば、BEGINの島人の宝とか沖縄民謡を探せばよかったかもしれない。でもカチャーシーは踊れないけど、ね笑。