野菜や果物の王国だからかな
ぶらり軽井沢散歩(前編)
訳あってローカルスーパーへ
軽井沢駅からローカル線(しなの鉄道)に乗って一駅、ここ中軽井沢駅へやってきた。こっちの方へは車やタクシーで向かうことはあっても電車で来たことはない。わずか数分の電車旅だが車窓からの景色にとても驚いていた。
たとえば浅間山だ。車窓でもそうだが、降りた駅のホームから見える姿がとても素晴らしいのだ。こんな全景を見たのは初めてだった。どうやらクルマ移動のときは道路わきの色々な建築物が邪魔をして、うまく見えないのだと理解した。まぁ電車ならではの絶景ということだ。
電車は1時間に1本ほどしかないから、たぶん小さな駅だろうと思っていたのだが、中軽井沢駅はあんがい新しくてスマートな駅舎だった。小さなホールでクラシックの市民コンサートをやっていたり、駅前ロータリーではマルシェが開催されていたりする。
遊びにやってきた僕たちにとっては、見たことのない地域住民の普段の姿がそこにあった。こんな年齢になると、そんな旅の光景もまた楽しい。
食事を終えて、これから歩いて向かうのは地元のスーパーマーケット「ツルヤ」だ。軽井沢は何度かやってきたが、こんなエリアも、こんな道も初めてだった。実はドライフルーツを買いに、わざわざ行くのだ。
ある日の、他愛のない雑談のときに、ツルヤのドライフルーツがすごい、という話になった。地元長野の友人のおすすめフードらしい。たまたま軽井沢散歩を考えていた僕たちは、それなら買いに行こうか、そう思ってしまった。調べたらとても美味しそうだったからだ笑。
ローカルスーパーという想像とは裏腹に、とても立派で巨大なスーパーだった。広い駐車場は満車に近いし、なぜだか輸入車がとても多かった。この先には新しい別荘地があるかららしい。なるほど、ここもやっぱり軽井沢なんだなぁ、と妙に納得してしまった。
野菜売り場がとにかくすごい。緑の野菜はもちろん果物の陳列量は半端ない、さすが野菜王国だ。長野だからワインの売り場も凄いのだが、面白いのはパン売り場の横にあるジャム売り場だ。旧軽通りの専門店の何倍ものジャムがずら~っと並んでいる。ちなみに名物の「おやき」もたくさんの種類がパンの隣に並んでいた。
お目当てのドライフルーツ売り場はすぐに見つかった。どうやらここのオリジナル製品らしい。果物ごとに製品化されているから種類も多いのだが、パッケージサイズも大小ある。地元民の必須アイテムということかな。
せっかくだから買っちゃえ買っちゃえと僕があおったから、スイッチが入ってしまった家内は、次々にカゴに放り込んでいる。そして瓶詰のジャムも数個選んだところで、ふと気付いた。このまま買えば大きくて重いスーパー袋をぶら下げて散歩することになる、仕方なくブレーキがかかった。もちろん僕のワインは重いから却下だ笑。
歩き疲れや買い物疲れを理由に、結局ここからタクシーでホテルに向かうことにした。なんだそれならワインも買えばよかったのに、とは思うのだが、気弱な夫はそんなことは口にしない笑。
呼んだタクシーを待つあいだ、広い駐車場の北側に、さっきの浅間山がくっきり見えることに気付いた。ローカル線だけではなく、このエリアならどこからでも、この景色が楽しめるのかもしれない。
あとから知ったことだが、浅間山はこの日だけで73回の火山性地震が観測されているらしい。凡人の僕にとっては、それがどれくらいの警戒なのかは分からないが、少なくともこれが地域の人たちの日常ってことなんだと思う。意外な軽井沢の一面だった。
ちなみに買って帰ったドライフルーツ(半生製法と書いてある)だが、しっとりしていてとても美味しかった。たくさん買ったのはグッジョブだ。