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2019年09月27日

本の時間「読書感想文」

最近、ジンやテキーラ、そしてラムを飲むようになった。かれこれ40年ぶりの異変だ。冷凍庫の中には、かならずジンが一本入っている。いまはボンベイサファイヤだ。冷凍庫に入れると、トロリとして、そそる形態に変化する(笑)。これらのスピリッツ(蒸留酒)は、カクテルのベースになる酒なのだが、僕たちの世代は、安物のウイスキー同様に、安く酔える、そんな若者のための酒だった。
ある日、思い出したように酒屋へ向かい、陳列されているスピリッツを、右から左へと、ずーっと眺めていた。そして大人買いで何本かを一度に買ってしまった。それ以来、買い増ししながら飽きずに飲み続けている。何かで割ると、なんちゃってカクテルも楽しめる。

子供のころの夏休みの宿題の定番は、読書感想文だった。毎年のように書いた感想文の中で、ヘミングウェイの「老人と海」のことだけは覚えている。でも小学校だったか中学校だったか、もしかして高校生だったかは覚えていない。
キューバの孤独な老人サンチャゴが、小さな船で漁に向かい、巨大なカジキマグロと素手で対峙する。そして数日にわたる不眠不休の戦いに見事に勝利する。巨大なカジキは船に乗らないから、船の横にくくりつけ港へ向かう。血の匂いでサメが集まり、大事なカジキを襲い始め、今度はサメたちとの戦いになる。港に戻るころには、カジキは巨大な骨だけになっていて、失意のサンチャゴは家に戻り、眠りにつく。そして若いころに見たライオンの夢を見る。まあ、そんなストーリーだ。
識者の解説によれば、すでに老いて終わった人だと陰口を言われる彼にとって、この漁は「自分を取り戻すための旅」に出かける、ということらしい。己の望むとおりにならない人生や運命に対して、あきらめず戦いを挑む、そんな老いても戦う男の物語、と評されていた。

子供のころの僕が、そんな男くさい部分に惹かれたのかどうかは分からない。実は、何年か後にも老人の海の2回目の感想文を書いているから、当時の僕に大きなインパクトを与えたのだろうと思う。その後、彼の他の作品も読んだのだが、もはや記憶に残っていない。
後年、大人になった僕は、ヘミングウェイの人物像に興味を持つようになる。キューバを愛し、酒を愛し、冒険的な生活や、人生を謳歌した彼に、とても惹かれた。だから彼が好きだった「ラム」ベースのカクテルのことを語れる。「わがダイキリはフロリディータにて、わがモヒートはボデギータにて」。彼が好んだダイキリとモヒートのことを表現した文章だが、それぞれ二つのバーのレシピを好んで飲んでいた、ということだ。
詳しく述べるとキリがないのだが、そんなレシピの一杯を、今夜は無理して作ってみたくなった。あっ、両方ともホワイトラムのレシピだった。家にはダークラムしかない。さっそくバカルディーでも買ってこよう。こうして酒瓶がどんどん増えていく(笑)。

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