あんバターを追いかけて
ある日のセブンイレブンで、何気なくパン売り場をのぞいたら「あんバタートースト」が置いてあることに気が付いた。袋入りで150円くらいだっただろうか。形で言えばバタートーストの上につぶつぶの「あんこ」がドバ~と乗ってる感じだった。旨そうだなぁとは思ったが、また今度ね、とやり過ごした。
これが失敗の始まりだった。それ以来、見かけなくなってしまった。スマッシュヒットしたらしいが、おそらく販売期間が終了したのだ。あんバタートーストは、コ〇ダ珈琲の代名詞(いや名古屋の代名詞?)だと思っていたが、今や全国区のブームなんだと思う。あんこ万歳。
いわゆる「あんバター」を使った商品や、「あんこ」と「バター」を組み合わせた商品は、ここ何年かのあいだに定番になり、どこでも見かけるようになった。
菓子パンで人気の町のパン屋ではもはや定番だし、クールでお洒落なパン屋にも、探せば必ずある感じだ(そんな店のあんバターは、見た目もカッコいい)。最近の僕はパン屋に入るとかならず探してしまう。まぁ追っかけみたいなことだ。
世の中には、つぶあん派とこしあん派がいるから、もちろん両方のやつが存在する。僕はもちろん「つぶあん」のやつが嬉しいが、中身がどっちか分からないやつも多くて、食べてから判明することもある。不思議なことに「こしあん」でも美味しいと思うことが多い笑。
たぶんバターが旨いのだ。そういえば「美味しいバター」を使ってますよ、とバター推しの焼き菓子ショップも多くなったかな。つまりバター自慢の焼き菓子専門店が、今はあんこを推すということだ。ややこしい。
仕事上の使命感?もあって、僕はそんな情報にあんがい敏感で、特に気になるとその商品やショップをメモすることもある。情報は東京駅のやつが多いから「今度行ったら買ってみよう」、まぁそんな感じだ。本音を言えば僕が「あんこ好き」なだけなんだけどね。
東京散歩の最後は、いつも東京駅で軽くお土産探しだ。まぁこんな年齢の人なら職場に出張土産を買うのが現役時代の常識だったかな。わが家の場合「職場用」に買うのは家内の方で、僕には必要ない。僕が欲しいのは「自宅用」ってことだ。だから「箱」ではなく、トレイに並んだ単品を「これとこれを1個づつ下さい」まぁそんな買い方になる。
で思い出したのは、何とかという店の「あんバタークロワッサン」だった。でも店名も場所も、そもそもメモしたことも忘れてしまった笑。たしか丸の内側の、焼きたてが人気のクロワッサン専門店だったはずだが、もう検索するのも、探して歩くのも面倒で諦めた。
結局、あるショップの上手な陳列にほだされて「百両焼き」というレトロモダンなあんパンを買ってしまった。まぁ小判の包みみたいな形で面白い。
クロワッサンは、あんパンに交代したのだが、まぁこれで満足かな。後から知ったことだが、この百両焼きは、あの「あんぱんの木村屋」系の派生商品らしい。まぁあんパンというより、しっとり系の焼き菓子だ。意外に美味しかった(口惜しいけれど、こしあん笑)。
自分のためのお土産探しは、いつのまにか「あんバター」探しになってしまった。だから、最後は知っている店へ向かった。八重洲北口近くの、というより大丸の真ん前にある小さなショップだ。その名前は「あ〇バタ屋」、つまり実にストレートな店名なのだ。
何年か前に見つけて、そのたびに「その行列」に驚いて、興味は沸いたが買ったことのない店だった。あるとき行列が切れているので覗いたら、もう売り切れ寸前で、けっきょく「最後の1個です」というやつを買ったことがある。
それはたしか「あんバタロール」というやつだった。ロールの芯にあんこ、それを厚めのバターの層で巻いて、さらに外側は、どら焼きみたいな生地で巻いたスイーツだった。味は覚えてないが、まぁ分厚いバターを想像するだけで身体に悪い感じがする笑。
今日も売り切れ寸前らしい。そして並んで「あんバタガレット」という商品を買うことにした。ガレットと言えば、蕎麦粉のクレープしか思いつかないが、ここのやつは「アーモンドクリームのパイ」みたいな感じだ。まぁ、あんバタクリームの丸いお菓子、ということかな。
あんことバターが元気に主張し合ってるような濃厚な味だった。小さいから指でつまんで口に運ぶのだが、バターたっぷりの生地がポロポロこぼれるから、何となく行儀悪く食べることになる。
ついさっき、最後の1個が残ってることに気付いた。今から食べようと思うのだが、指にくっつくポロポロの生地を、僕はペロペロ舐めることになるから、ちょっと人様には見せられない光景かな笑。
けっしておすすめしている訳ではないのだが、ここの商品はどこか素朴で懐かしいから、下にアドレスを入れておこうと思う。興味がなくてもお土産探しで困った方はぜひどうぞ。
このショップ anbataya.jp