toggle
2019年12月27日

本の時間「本を読む場所」

ある日のこと、新幹線を待つ間、到着番線の黄色いラインに並んでいた。自由席だから早めに並ぶ。到着・入線まで少し時間があるので、いつものように本を読み始めた。立ったまま読む(笑)。僕にとっては、いつものスタイルだ。読みかけの文庫本が、いつもカバンの中にある。
そういえば、僕の読書のスタイルは乱暴だ。手当たり次第に、読みたくなった時に、読めるときに読む。移動時間は概ね何かを読んでいる。飛行機や新幹線は、没頭できるので移動時間が苦になることはない。だから「待合室」と名の付く場所も、格好の読書タイムとなる。空港や駅の待合室、病院、役所の待合室も、そんな感じだ。短い時間で切れぎれに読む。現役のころの読書は、専門誌や業界誌などの情報を詰め込むばかりだったが、こんな年齢になって小説の割合が、ぐっと増えた。
読む場所も読み方も乱暴なのだが。実は小説の主人公や登場人物の名前を覚えることはない。だから、しばらく間が空くと、何のことやらわからなくて、数ページさかのぼって読んだりするのは日常茶飯事だ(笑)。

最近の本屋には、たくさんのイスが置いてあって、ゆっくり読めるようになっている。大型の書店なら、そんな専門スペースもあってソファーまである。読書タイムが楽しくなるように仕掛けられているのだろう。なのだが、僕はそんなところでは、ゆっくり読書できない(笑)。せいぜいで雑誌を開くことはあっても小説は読めない。買わずに読むことに罪悪感があるのかもしれない。本屋は大好きだが、探して買って、すぐに出てしまう。まとまった時間があれば、郊外カフェがいい。コーヒーが横にあるのは天国だ。ぜいたくを言えば、本を片手に旅にでて、非日常のなかで読むのが至福の時間だ。

ちなみに、僕は自宅で読書することはない。あるとすれば、ホントに面白くて止まらないときだけだ。たまーに、のこり数ページのクライマックスになった時だけ、我慢できずに自宅で本を開くこともある。僕にとっての読書は、自宅以外の場所で楽しむものだ。ちょっとした現実逃避の時間なのかもしれない。

Other information