森を抜けると角川武蔵野ミュージアム
知らない路線で所沢へ
梅雨の晴れ間のアート散歩
ホテルの窓から東京の空を見上げた。朝からカラリとしていて、たぶん今日も暑くなりそうだ。
今日は所沢へ向かう。池袋から東武東上線で朝霞台駅、武蔵野線に乗り換えて東所沢駅、そして徒歩12分で目的地「ところざわサクラタウン」へ着くらしい。グーグルマップが教えてくれたのはそんな経路だった。大塚のこのホテルから1時間ほどの距離らしい(けっこう遠いなぁ)。
出てくる駅の名前は初めてのものばかりだし、そもそも所沢がどんなところかも知らない。たぶん西へ向かうことだけは間違いないと思う笑。
今日訪ねるのは、その施設の敷地にある「角川武蔵野ミュージアム」だ。もっと絞ればそこにある「本棚劇場」というスペースが一番の目的かな。写真を見れば(たぶん)みんな知っている場所だ。ちなみに現在の館長さんは、あの池上彰さんらしい。
そもそも「ところざわサクラタウン」という複合施設は、あのカドカワが所有運営する「ポップカルチャーの発信拠点」なのだそうだ。ポップカルチャーというと、映画、小説、音楽、マンガ、ゲームなど大衆的で裾野の広いカルチャーってことかな。なるほどカドカワさんだからね。
駅からプラプラ歩いて行くと小さな森に出会う。東所沢公園というらしいが、幼い子供たちがたくさん遊んでいる森だった。そこを抜けると、目の前に大きな岩の塊がぬーっと登場する。これが角川武蔵野ミュージアムだ。まるで宇宙からドサリと落ちた巨大な隕石に見える。
この特徴的な外観のミュージアムは、あの隈研吾さんの設計らしい。木造建築ばっかりでもないんだね笑。写真では分かりづらいが、内部は5階建ての構造なので実は見上げるほど大きい。そして左には大きな神社?そしてなぜか大魔神の像があり、奥にはパビリオンみたいな大きな建物がある。
入り口を探して岩の中に入っていくと、広いロビーだった。どうやらここは2階で、スタッフに誘導されながらエレベーターで4階へ向かう。どうやら4階がメインフロアだ。
▼見事なアート空間の連続(タップして右へ)
とても不思議な空間だった。まるで「本の街」とか「本棚の商店街」を歩いて行く感覚かな。通路に沿って様々な本棚が並び、まるで本たちが人間のように呼び込みしている気分になる。空間全体を使った展示物が楽しくて、とにかくエキサイティングだ。もちろん図書館のように本棚から好きな書籍を選んで読むことができる(でも貸し出しはしてないみたい)。
そして、お目当ての「本棚劇場」へと進む。そこは、上の階まで続く高い吹き抜けで、その空間全体が「本棚」でできている。高さ8mの空間に3万冊の本が並んでいるらしい。下から見上げる景色に、とにかく圧倒される。ここは様々な本たちが主役になって演技を見せる舞台空間ということかな、まさに「本棚の劇場」なのだ。
ちなみに、この空間を使ったプロジェクションマッピングのショータイムもある。なかなか圧巻だった。
後から知ったことだが、YOASOBIが大晦日の紅白のときに歌った場所がこの本棚劇場だったらしい。もちろんプロジェクションマッピングはその夜だけのスペシャル版だったそうだ。
▼期間限定の企画も楽しい(タップして右へ)
さて、最後は1階に降りて企画展示を楽しむことにした。やっていたのは「体感型デジタルアート劇場・浮世絵 RE:BORN」というタイトルだった。大河ドラマでご存知の通り、浮世絵は江戸時代のポップカルチャーの代表だ。
浮世絵にまつわる様々な展示物も面白いのだが、会場の壁360度を使ったデジタルアート作品が上映される。会場に座る観客は、デジタル映像や音響の世界に埋没してその世界観を体験する。書くと面倒臭いが、そんな映像作品だ。
ちなみに作品のナレーターは館長の池上彰さんなので、ものすごく説得力があったりする笑。
ここは、想像以上に楽しい場所だった。まぁ1時間かけて(炎天下を歩いて)やってきたのだが、それだけ価値ある時間がここにあった。やっぱりアートは楽しくてテンションが上がるね。
角川武蔵野ミュージアム kadcul.com