散歩の途中で「広~い館内をぐるぐる」
石川県立図書館ぶらり
朝から赤とんぼが乱舞していた。昨日までの雨雲もなくなって、今日はいい天気だ。ということで散歩に出かけようと思う。散歩とはいっても歩くのは金沢だから、田舎在住の僕にとっては、いつもの観光客ごっこだ。
目的地は石川県立図書館、そうだ、いまや新しい観光スポットになった小立野のあの図書館だ。まるで美術館のような美しい空間が有名らしい。
さらに、図書館なのにマナーさえ守れば、おしゃべりも飲食も写真撮影もOKなのだそうだ。そんな、ちょっとイマドキっぽい方針が観光客にもウケているのかな。
僕は、2022年のオープン直後に偶然立ち寄ったっきりだから、ちゃんと時間を取るのは始めてだった。今日は目当ての本を見つけたり、好きなスペースに座って、真面目に読書を楽しむつもりだ笑。

トランクを転がす観光客と同じように金沢駅から武蔵ヶ辻へと歩くと、ちょっと汗ばむくらいの日和だった。午後の近江町をぶらぶら歩いて、待ち合わせのバス停へ向かった。今日の僕たちは老人観光客だから、やっぱり移動は観光客らしくバスに乗る笑。
橋場町を通り、いつも工事ばかりしている小立野通りをバスに揺られること30分ほど、緑に囲まれた図書館の敷地に着いた。広いロビーを抜けると、あの壮大な光景が目に飛び込んでくる。まるでアートだ。
初めての人なら誰もがそうするように、まずはエスカレーターで上に登って写真が撮りたくなってしまう。そんな魅力的な空間だ。天窓あたりから午後の光が差し込んで、とてもきれいだ。
図書館を散歩するというのは比喩ではない。企画展示だとか、12のテーマごとの閲覧とか、回廊やスロープやブリッジなど、ホントに散歩する気分でアチコチをグルグル歩いていられる。疲れたらイスやソファーで一服だ。

目当ての本はヨーロッパ史の数冊だった。タイトルを思い出して検索すると、置いてある場所を示してくれる(空振りも多いけど笑)。
たとえば、3F /南(S) /S30 /歴史・地理 という感じだ。3階の南側ってことだから、ずいぶん方向が違う。そこまで再びお散歩することになった。
見つけたのは、詳細なエッチングの挿し絵が特徴の大きな書籍だった。近くの椅子に座って、本を膝の上に広げてゆっくり読んでいた。なかなか楽しい。何度か使えば慣れてきて、事前に有無を調べたり、ドリンクを買ってから楽しめるのかもしれない。
ひと通り読み終えて、今度はスロープをゆっくり降りていく。その左側には様々な書籍が表紙を見せながら並んでいる。日ごろの散歩でいえば道端の草木や花を見ながら歩くのに似ている。気になる花(本)を見つければ立ち止まって愛でる。まぁそんな感じだ。

図書館なのに、歩き疲れたのかもしれない。そういえば・・・と外へ出てみたくなった。1階のカフェは大行列だったからドリンクは諦めたが、芝生の中のベンチはなかなか魅力的だった(ここは読書の庭という名前らしい)。金沢美大側の木々は少し色付き始めて、眺めもいい感じだ。
そんなベンチで、今度は持参した文庫本を開いて読むことにした。こんな楽しみ方もあんがい面白かった。
とはいえ秋なのに陽射しはちょっと強くて、眼がしばしばしてきた。さて、そろそろタイムアップかな。別行動はここまでにして、ふたたび待ち合わせだ。次の目的地へ向かおう。そうだな、別のカフェを探そうか、老夫婦には甘いものが必須科目だ。









