くまさん、どうかしずかにしててね
里山の古いレストランで
秋晴れの土曜日だった。旨い蕎麦が食べたくなって、いつもの蕎麦屋(鶴来)へ向かった。食べたあとは白山さんかな。参拝のあとは境内の甘味処の「草餅のぜんざい」ってのはどうだろう。それは完璧なランチコースになりそうだ。

そういえば熊はどうなったのだろう。白山さんといえば、先日の熊のニュースが気になっていた。表参道での出没にも驚いたが、たしか南参道でも続報があった気がする。
七五三祝いの最中なのになぁと、白山市民はみんな心配していたと思う。とはいえ、空腹の僕の頭の中には蕎麦やぜんざいの画像が浮かんでいて、熊の画像は全く出てこなかった笑。
ところがなんと、店に着いたら蕎麦屋は臨時休業していた(土曜日なのに悲)。理由は分からないが、なぜか熊の画像が浮かんでしまう笑。夢のランチコースは露と消えた。仕方がないからどこか探そう。

そのレストランは、いわゆるパーク獅子吼の敷地の外れにある。まぁ里山の森の中ってことかな。そこは「もく遊りん」という名前の一種の複合施設で、山の自然な斜面を巧みに使ったユニークな構造の遊びスポットだ。真ん中の緑の中庭を囲むように左右に「食工房」と「木工房」がある。
食工房はこのレストラン(ピッツェリアかな)のこと。そして木工房では木のおもちゃや雑貨を販売している。記憶では老舗の材木屋さんが作った施設のはずで、開業の当時は大人気だった。かつては僕も、薪とかウッドチップを買いに来たことがある。木の種類が違うと香りが全く違うのが面白かった。
オープンしたのは1999年らしいから、相当古い施設だが、今日もレストランは順番待ちの人気ぶりだった。このレストランの店内は大きなスロープのような階段になっていて。階段の途中にテーブル席がある。そんな楽しい内装だ。
●この施設の写真アルバム(タップして右へ)
順番を待つあいだ、中庭のスロープを登って、上の休憩スペースに座って本を読んでいた。後ろの扉が開いていて、その先の林の中には遊歩道がある。その段差を登っていくとゴンドラの麓の駅に出る。
時間もあるから、登ってみようかと外へ出たとたん、キ~ンという高音が流れた。足元の小さな装置が発した音のようだ。たぶん熊よけの装置だと思う。そういえば横に落ちているたくさんの柿はつぶれていていて、見ようによっては食い散らかした後にも似ている笑。
外に出るのはやめにして、木工房へ入ってみることにした。たくさんの子どもたちが、木でできたおもちゃで遊んでいる。中には木製の積み木もある。そのモチーフはリスとかクマとか、そんな感じだろうか。
子どもたちにとっての森のくまさんは、強くて優しい動物の代表だよなぁ、などと思ったりする。くまさん、こんなところに出てこないで、森で静かにしててね。

さて、薪の窯で焼き上げた4種チーズのピザと、青のりが効いた和風パスタを食べた。そして仕上げはティラミスと珈琲だ。店内にはたくさんの家族の笑顔や子どもの声に溢れていた。
昔も今も、味も雰囲気も、ここは森の中のファミリーレストンなんだなぁ、と妙に納得していた。
●もく遊りん moku-you-rin.co.jp









