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2026年10月16日

あの彼が「6度目の正直」で受賞した作品

本の時間「京都×季節×万城目ワールド」
何だかんだと言いながら、やっぱり僕は京都が好きなんだと思う。ほぼ毎年のことだが、桜の季節や紅葉の話題になると、やっぱり行きたくなってしまう。いつごろからか「日帰り京都の散歩旅」を覚えて、ふらりと行くようになった。
長く生きてきたからアチコチ訪ねてきたが、僕は「お気に入り」の場所ばかり何度も行ってしまうタイプだから、知らない京都がまだまだたくさんある。名所や観光スポットじゃなくていいから、そんな知らない街を散歩してみたい、最近はそう思うようになった。
夏の京都が舞台の本作を読みながら、行ってみたい場所(エリア)がひとつできてしまった。僕にとっては真夏の京都の優先順位は高くはない。でも、これで京都散歩の目的地が増えたことになる、かな笑。

この本の帯には「送り火の季節、奇跡のような野球をした」と書いてあった。タイトルからすれば「御所グランド」という場所での野球だと思う。送り火、御所・・・なるほど京都の物語だ。今度はどんな不思議がでてくるのかなぁ、知ったときにそう思った。
僕は彼(この作家さん)のファンだから、彼の作品にまつわるハナシは過去の編集後記に何度も書いている。ちなみに(自分のことを云うのもなんだが)僕の視点や興味や好奇心というのは、一般的な人とはズレている、というか「僕はかなり変なやつ」という自覚がある。
そんなやつ(僕)が好きになる作家だから、やっぱり作風も変だし、もしかすると彼(作者)も変なやつなのかもしれない(失礼)。変といっても壊れているわけではなくユニークってことにしておいてほしいけど、ね笑。
そんな彼の作風は万城目ワールドと呼ばれる。実在するモノとかコトとか、どこにでもある日常の中に、するりと奇想天外なことを持ち込んでファンタジーに仕上げる、ということだ。それがとても面白い。
いくつものヒット作品があるのだが、過去の直木賞の候補作品が5作品あって(どれもダメで)、今回ようやく(6度目の正直で)初の受賞にこぎつけた。本作は、その受賞作品(の文庫版)だ。

実はこの本のなかには、ふたつの(別の)ストーリーが入っている。ひとつは駅伝選手の女子高生のハナシ、そしてもうひとつが大学5年生の草野球のハナシだ(本のタイトルになったのは後者のもの)。
どちらも京都が舞台の青春譚であり不思議な出来事に出会うという共通点があるのだが、全く別のハナシだ。実は、本作と同じような2編構成の続編?も出版されたから、この2冊(ハナシでいうと4編)は連作ということかな。
どうやら4編は全て「〇月の京都のどこかの場所」の物語になっているようだ。つまり一種のシリーズなのだと思う。
さて、今回ここで紹介している本作は、8月の京都が舞台だから、誰もが知る「夏の暑さや辛さ」がさまざまな描写で出てくる(これが面白い)。小さな街の描写もリアリティーに富んでいる。何より「夏の敗者」を自認する主人公のエピソードが秀逸だ。
読者が引き込まれ、まるでその場所に自分がいるように感じたあたりで、物語は不思議な世界へ導いてくれる・・・。まぁ、これ以上はネタバレだ笑。

8月と言えば・・・、僕にとっての夏の京都の記憶って何だろう、そんなことを考えてみたりした。京都が暑かった記憶はいくつも浮かぶのだが、どれも真夏じゃなかったと思う。
27期同級生との京都旅はめちゃ暑かったが、あれは5月のことだ。鴨川の川床で食事したことがあるが、あれも夏じゃなく6月頃のような気がする。そういえば7月の祇園祭も、お盆の五山の送り火も観たことはない(と思う)。
つまり、本編で描かれる「真夏の京都」は今のところ想像するしかないから、ちょっと興味が湧いている笑。
もうひとつ興味が湧いたのが「場所」だ。タイトルにある御所グラウンドというのは実在していた。なんと、あの京都御所の中にホントにグラウンドがあるのだ笑。京都好きと言いながら、僕は御所も迎賓館も行ったことがない。
その近くの「鴨川デルタ」も興味深いし、京都大学や百万遍も知らないがゆえに、歩いてみたくなっている笑。ようするに、このあたりが本作で描かれるエリアなのだ。鴨川デルタの飛び石は、こんな年寄りでも渡れるのかなぁ?。

さて僕はいま、次回の京都散歩のことを考えている。本作に影響されたのは間違いないが、さすがに真夏の京都散歩は勘弁してほしい笑。行くならやっぱり秋かなぁ。このエリアには紅葉スポットがあるのだろうか。
実は5年ほど前に、この近くまで行ったことがある。京阪の出町柳駅で降りて、古い商店街の「うどん屋さんの鯖寿司」を食べに行ったのだ(同級生のおすすめだった)。
そのとき渡った二つの橋(河合橋と出町橋)の真下が鴨川デルタなのだが、当時はそんな人気スポットとは知らなかった。あの鯖寿司は絶品だから、散歩の途中でもう一度食べるのも楽しみってことかな。

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