まだ9月なのに「箱根駅伝」で熱くなる
TVドラマが始まる前に読んでおこう
ショップの店頭に「おじいちゃんおばあちゃん・いつもありがとう」みたいなメッセージ付きのラッピング商品が並んでいた。あぁそういえばもうすぐ敬老の日かぁ。僕たちも対象者だけど、まぁ、あんまり実感はないかな笑。
もうすぐシルバーウイークが始まる頃だった。今年は11年ぶりの5連休なのだそうだ。大型連休だからたくさんの人が動いて、あっちもこっちも混雑するのだと思う。とはいえ僕の予定表は真っ白のままで、つまり何の予定も入っていない。まぁ高齢者はそんな感じなのかな。
たまたまだが、買ったまま読んでない本がたくさん残っているから、ちょっと読み始めようかな、そんなことを考えていた。ヒマだから時間だけはたっぷりある笑。

そんなある日、書店の棚にこの本が並び始めた。あの話題作の文庫版(上下巻の2冊)が発売されたのだ。そういえば、そのTVドラマも始まる。だから表紙のカバーにはドラマ出演者の顔が並んでいた。つまりドラマの宣伝用カバーだ。
気になるから、これも買ってしまうことにした。未読の在庫本がまた増えることになるから、本作を先に読もうと思った。なにより原作はテレビドラマの前に読んでおきたい。僕はそういうタイプだ。
作者の池井〇潤さんは有名な作家さんだから、知らない人はいないと思う。何よりあの「倍返しだ」の半沢直樹シリーズとか、佃製作所の「下町ロケット」シリーズが有名かな。大手都銀に勤務していたというキャリアを生かした作品が有名で、当時は「お仕事小説」の名手と言われた。
それらの原作は当時の世相と合致したのか、映像化(ドラマや映画)されたものがたくさんある。先に小説を、と思っている僕でも、実は読まないままテレビで楽しんでしまった、という作品も多い。確かにどの作品も、もれなく面白かったのだ。

さて本作「俺たちの・・・」のハナシだ。ちなみに本編は上巻下巻の2部構成になっている(つまりけっこうな長編だ)。さっそく上巻を読み始めたのだが、いわゆる池井〇潤ワールドの要素が詰まっていて、これがやっぱり面白い。
思わず一気読みしてしまい、そのまま下巻まで走り抜けた感じかな。下巻はちょっと感動ものなので、じじいはウルウルしてしまい、ティッシュ片手に読んでいった笑。孫のような若者たちの胸アツのシーンは、敬老の日のプレゼントみたいな気もする。
タイトルでも分かる通り、物語の舞台であり題材は「箱根駅伝」だ。いまさら説明もいらないが、合計21チームの大学生たちが走ってタスキをつなぐ名物競技だ。そしてテレビ番組としてはお正月の風物詩と言っていいほどの名物番組ってことかな。
本作の登場人物は、もちろんこの競技に参加する大学生たちや一緒に戦う監督やマネージャーたち、そしてもうひとつは番組を制作するテレビ局の人たちだ。何となくお分かりだと思うが、その「チームの話」と「会社組織の話」がほぼ時系列に進んでいく。そこにある様々な人間ドラマがテーマということだと思う。

箱根駅伝は、真冬の1月2日と3日に行われる学生たちの熱い戦いなのだが、僕が読んだのはまだまだ暑い9月のことだ。季節外れなのは間違いないが、登場人物それぞれにまつわる熱さにグッときてしまった。
文庫本としては出たばかりの新作で、しかもテレビドラマのOA前だから、これくらいしか書けないのだが、僕にとっては(今のところ)今年のナンバーワンだ。おすすめの1冊と言っていい。
そして、一方のテレビドラマは10月10日土曜日から日テレ系でOAされるらしい。たぶん直前には番宣番組が続いて、視聴者にガンガンPRされるのだと思う。ドラマの筋立ては分からないが、これはこれで楽しみかな。
もしかすると年内12月頃にドラマの最終回があって、その余韻のまま正月の箱根駅伝2027が開催されることになるのだと思う。だとすると(ドラマの出来によっては)駅伝当日の視聴率はうなぎ上りってことかな笑。大人のリアル世界もやっぱりフクザツなのだ。

ちなみに、本作(小説)のストーリーは「予選会」のハナシから始まる。前回大会(本戦)の成績上位の10校(シード権あり)以外のチームは、毎年10月に開催されるこの予選会を勝ち抜かねばならない。いわば負けたチームによる選抜戦ということだ。だからここにも大事なドラマがある。
実際の(ホントの)予選会は、今年10月17日に立川で開催され、基準をクリアした42チーム(42校)が参加するそうだ。シード権を失った古豪チームもあれば、何度も負けながら夢の本戦を目指す新興チームもある。
でも、選ばれるのは上位のわずか10校だから想像以上に狭き門ということだね。リアル世界のテレビクルーたちの仕事もここから始まるってことかな。
実は、立川で毎年行われるこの予選会のコースは、たまたま、この夏に僕が滞在していたホテルの周囲だった。あぁ、あの公園やあの道だったのかぁ。テレビで見ただけの予選会が、本作を読んで、ぐっと身近に感じた。だから、この「敗者たちのレース」に声援を送ろうと思う。頑張れ若者たち。
本作の(出版社の)特設サイト https://books.bunshun.jp/sp/ikeido
テレビ局の番組紹介サイト https://www.ntv.co.jp/orehako/









