総集編その1「大人の京都・昼の熱風散歩」編
シリーズでお届けする大人の修学旅行・京都大阪の総集編。今回は「暑い暑い京都の街歩き」編として、熱中症と戦いながら(笑)ふらふら、いや、プラプラ散策した仲間たちのお話。
集合場所は清水寺正面の仁王門だった。雲ひとつない京都の空に、朱色の仁王門がきりりと立ち上がっているように見えた。何回も観た景色だと思うのだが、威風堂々で、今日はやたらとカッコいい。幹事は目立つ場所に立って、目印にならないと、後から来た人には、わからないかなぁ、とは思うのだが、なんせ暑くて、じっとしていられない。思ったより湿度はなくカラリとしているのだが、それでもやはり暑い。今日は予定変更して、とにかく無理せずゆっくり歩いて欲しいな。5月の清水寺は修学旅行のピークらしい。横の階段部分では、どこかの中学校くらいの生徒さんたちが整列写真を撮っている。僕たちにもあんなカワイイ時期があったんだよなぁ。
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晴天の5月24日(土)、参加者21人は、それぞれ京都を目指して出発した。金沢駅で顔を合わせたのは、わずか5人。現地集合、現地解散というスタイルなので、みんなバラバラの出発だ。サンダーバードは遅れることなく、11時京都駅に到着した。京都駅で2人、そして清水寺で、さらに6人加わって計13人、いよいよ「歩きながらの同窓会」が始まった。
さぁ行くよ、とばかりに先頭を歩き、仁王門から本堂を目指した。鐘楼や西門や三重塔を見ながら進み、拝観料を収める頃になって後ろを振り返った。なんと、誰もいない(笑)。ずいぶん後方にみんなの姿があった。僕もゆっくり歩いたつもりだが、みんなはさらにゆっくりだった。
輪の中心にいた幹事のGさんが、後から教えてくれた。みんな、おしゃべりに夢中で、笑いながらダラダラと歩いていたのだそうだ(笑)、これは高校時代の修学旅行に似ている。あのときも、どこを拝観したなど何も覚えてはいない。この日の清水の舞台は改修工事中でテントに包まれていた。きっとそんなことも気にならず、おしゃべりしていたことだろう。音羽の滝の近くの茶店に入ったみんなは、そこでいきなり瓶ビールを回し、蕎麦にパクついていたらしい(笑)。
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散策は産寧坂(三年坂)から二寧坂(二年坂)へと続いた。訪れるたびに新しい店が登場していて、伝統と最新が混在する楽しいエリアだ。結局、別行動であちこち行ったのは僕とK中くんだけだった。先に進んで予定を変更・修正するO島、みんなと歩くGさん、脇道へそれて御朱印ゲットを目指すK中が一番後方を歩く・・・。まぁ当初の3人の役割分担の通りといえばそうなのだが、とにかく参加者はおしゃべりに夢中なんだな。それはそれで何の問題もない。むしろ楽しんでくれて、とても嬉しい。
合流場所の都路里・高台寺店にはみんなの笑顔があった。テイクアウトの抹茶ソフトクリームじゃなく、座って食べたいらしい(笑)、みんな列に並んで、かき氷とか名物の抹茶パフェを狙っているみたいだ。たしかにこんな日は、氷を一気食いしたいよな。
ねねの道は静かだった。高台寺の大きな木々の木洩れ日が石畳に映えて、とてもきれいな道だ。すぐ横の石塀小路の風情も楽しみたいところだが、みんなの疲れた足や目は、早めのゴールを訴えていた(笑)。円山公園の脇を抜け、八坂神社に入ると、さすがの観光スポット、人で溢れていた。せっかくだからと参拝する仲間を見守り、ゴールの花見小路に到着した。ここで解散して、夜の懇親会まで自由時間だ。花見小路は古い京町家の景観を保存しているような風情で、とても美しいエリアだ。高級そうな飲食店や芸妓さんの置屋も多いが、おしゃれな新しい店やカフェもたくさんある。観光客が少なければいいに決まっているのだが、ここも人でごった返している。
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やっぱり少し休憩しようか。汗だくで疲労困ぱいの僕たちは、夕方の再会までのあいだ、男ばかり6人で喫茶店を探していた。花見小路の店は、どこも申し合わせたように看板が小さくて、店内が見えなくて、何屋さんなのか全く分からない。でもそんな店に入りたい(笑)。店頭の張り紙のような小さな案内に「珈琲550円」という文字を見つけ、入ることにした(笑)。
表情に変化がなくて、温度が低くて、冗談が通じないような、そんな女性二人でやっている小さな喫茶店だった。客の方が気を使うような、でも寛げるような独特の雰囲気がある店だった(笑)。この店の、いや京町家の特徴は、やはり格子(こうし)だろうか。京町家の格子には〇〇格子という種類がたくさんあって、構造や様式によって、その店の「職業」がわかるのだそうだ。この格子は、外から覗いても中が見えない、逆に、店内からは外の景色が良く見える、そんな優れものだ。この喫茶店の格子もキレイだった。もとは何屋さんだったのだろうか。
おなじころ、女性たちは近くの「ZENcafe」という、おしゃれなカフェで休憩していたようだ。葛切りで有名な鍵膳義房のプロデュースらしいが、きっとここでも、延々とおしゃべりしていたに違いない(笑)。さあ、そろそろ花見小路を少しだけ散策して、夜の親睦会へ向かおうか。ここから、さらに8人が合流する。いよいよ全員そろって京都の夜の同窓会だ。
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ちなみに京都の昼の散策の登場人物は13人。すべて旧姓ベース、または愛称を使用、一部敬称略(ごめん)。■京都駅で合流したのは7人(U屋くん、T野さん(彼女は東京から)、Y野さん、M野くん、K中くん、Gさん、O島、そしてY田K子さんがスポット出演)。■清水寺で合流したのは6人(S尾さん、M輪ちゃん、A木Mさん、N畑くん、H二三くん、N村くん)。
●恒例のスライドショーをお楽しみください(編集K中)
次回は、総集編2「大人の京都・祇園の夜遊び編」をお届けします。