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2021年09月17日

無意味な比較をしてしまうとき

旨いもん企画の編集後記として
旨いもん企画は相変わらずの尻切れトンボで終了した(笑)。男性目線が強い企画だったかなぁ、また反省を繰り返している。参加してくれたみんな、ありがとう。とはいえスタート直後は「とんかつ企画」みたいなノリだったね(笑)。ということで、今日は、この企画のキッカケのような小さなエピソードを紹介したい。

ある日のこと、仕事帰りに立ち寄ったカフェで晩ごはんを食べることにした。カフェとは言っても、僕たちシニア夫婦にしてみれば、どこか懐かしい感じの喫茶店だ。客席はゆったりしたソファーで気持ちいい。しかも夕方なのにとても静かだ。
注文したのはパスタだ。ひとつは白海老とキノコのオイルタイプ、もうひとつはナポリタンを選んだ。喫茶店のナポリタンには、それなりの思い入れがある。とはいえ、何度か使ったこの店の食事メニューに良い記憶はないから、あまり期待していなかった(笑)。でも、食べて驚いた。過去の記憶とは違ってとても美味しいのだ。使っているは冷凍麵かもしれないが、それを感じさせない本格的な味に思えた。期待値が低かったから、ちょっと得した気分、というやつだ。

シェアして食べながら「そういえば」と、近所に新しくできたパスタ専門店へ行ったときのことを思い出した。そのとき選んだパスタがひどかったのだ。食べ物を残すことのない僕なのだが、半分も食べれなかった。
まぁ、そんな比較に意味はないのだが、あの専門店に比べれば、今日の「喫茶店パスタ」の勝利は間違いない。気分がいいから、おすすめのパンケーキも珈琲も美味しい気がしてくる(笑)。喫茶店は食後にゆっくりできるから、それが一番嬉しいかな。
そういえば「パスタ」なんて呼び方はいつごろから始まったのかなぁ。昔食べてた喫茶ぼたんのナポリタンや、インデアンの野菜玉子スパの、あの味(油でギトギトだった)を思い出していた。僕たちの時代の「スパゲッティー」はそんな感じだった。

今年の春ごろだったと思う。急に「秋吉」を食べたくなった。秋吉は店の名前だから、日本語としては「秋吉の〇〇を食べたい」と書くのがホントだろうが、僕は昔っから、そんな言い方をする。あれもこれも食べたいという意味もあるし、あんな時間が過ごしたい、という思いもある。
このとき思い出したのは片町店だ。仲間たちとセンベロ(1000円でベロベロに飲めるほど安い意)していた若い頃を思い出していた。福井出身の優しい店主夫婦に甘えながら、若造たちが生意気に常連ぶって、行儀悪く飲んでいた頃だ。
そして久しぶりに、近くの松任店へ電話してテイクアウト注文をすることにした。メニューは昔と大きく違っていて品揃えが豊富だ。食べたことがないメニューも多いのだが、なぜか昔からのメニューしか注文できない(笑)。食べながら、これだこれだ、と嬉しくなるやつもあるし、味が変わったよなぁ、と感じるやつもある。
もう40数年も前だから、そんな大昔の、しかも微かな記憶と比較しても仕方ないのだが、気持ちだけは常連気分なんだと思う。ちなみに「にんにくなんば」という薬味は、若い頃は苦手だったのに、最近はお気に入りになった。まぁ歳をとったのだと思う。

最後に「とんかつ」の話。とんかつは最近めっきり食べなくなった。でも「カツ丼」だけは食べたくなることがある。内臓脂肪を気にして、いつもは我慢して諦めるのだが、この日は最近話題のチェーン店「か〇や」を探して食べに行った。店頭にはたくさんの利用客がウエイティングしていた。どうやらテイクアウトの列のようだ、すごいなぁ。値段が安くて驚いて、思わずちょっと高めのヒレカツ丼を注文してしまった。ボリュームがあって、やや辛口で切れがいい味だった。
我慢の反動だと思う。数日後、今度はソースカツ丼が食べたくなって、福井のヨーロッパ軒まで行ってしまった。旨かったし楽しいドライブだった。で、どこを思い出したのか、言うまでもないが、僕の青春の味「ぶんぷくのカツ丼」だ。あの甘くて旨い味を思い出して、再び、無意味な比較が始まる(笑)。

とんかつ好きのGさんは、僕のこんな話に、もちろん大きく反応した。二人の話はそんなB級グルメで盛り上がり、これがSNS企画のきっかけになった。やって思ったけど、Gさんのとんかつ愛はすごいのだ。そうそうH田くんもね。

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