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2020年08月21日

散歩の途中で「ねずみ色だからかな」

名前に違和感があったから朝刊の記事に目が行ったのかもしれない。昨日の報道向けの発表会のニュースだった。本日から一般客も利用できるらしい。そういえば昨日のローカルニュースでもやっていたなぁ。鼠(ねずみ)って名前は珍しくないか?。朝ごはんを食べながらそんな会話をしていた。金沢城の「鼠多門と鼠多門橋」のハナシだ。
少し前のことだが、尾山神社の裏側が通行止めになっていて、迂回したことがある。道路の上に橋を作っていた。あの橋のことだった。昔はねずみがたくさんいた場所なのかなぁ。と、ちょろちょろ動き回るねずみの映像が浮かぶ。とても食事しながらの話題ではなかった(笑)。

その日の散歩の目的地は、鼠多門と鼠多門橋に決まった。いつものように電車に乗り、金沢駅から、さらにバスで向かおう。まぁちょっとした旅行気分だ。マイクロツーリズムって、こんなことかもしれない。金沢駅に出来たばかりの「百番キッチン」をのぞいてみることにした。たまたま開業の日にも立ち寄ったのだが、利用客が少なくて静かな印象だった。そして2度目の今日だが、やはり静かだった。土曜日なのに観光客が少ないからだろう。それは近江町も同じで、土用の丑の日を控えて、魚屋さんの店頭には、どこもウナギが並んでいる(笑)。人も少ないから活気もなくて、鮮魚の陳列が少ない光景は、近江町らしくないように思えた。

尾山神社の石段を登るのは、何年かぶりのことだった。ポケットから小銭を出して手を合わせる。久しぶりです、とご挨拶だ。境内をブラブラしてみた。前田利家とお松の方の像が、ふたつ並んで建っていた。昔からあったっけ?。境内の通路も、池の周辺もきれいに整備され、ちょっとした散歩が楽しいように変わっていた。
裏門の方へ向かうと、やや人が増えた。とはいえ、テレビで報道されたのに人は少ない。みんなカメラを向けている。ここが鼠多門橋だ。下の道路は、そういえばお堀(いもり掘)だったのだ。惣構(そうがまえ)とか、曲輪(くるわ)とか、出丸(でまる)とか、数少ないお城の知識を駆使して、案内板などを読んでいた(笑)。
鼠多門の外観は、海鼠塀(なまこべい)と黒漆喰(くろしっくい)が特徴らしい。新しいから目立つのだが、確かに美意識に貫かれていることは、よく分かる。橋を渡ると、そこは玉泉院丸庭園だった。なるほど、こんな位置関係なんだ。そういえば、この黒漆喰の外観は、遠目で見ると「ねずみ色」に見える。ピンときた。もしかすると、これが鼠多門の名前の由来かもしれない。お城ファンや専門家には笑われそうだが、素人はそんな風に楽しむのだ(笑)。

帰り道に香林坊へと歩いた。中央公園はいつの間にか整備されて、あのハゲハゲの芝生も、ぬかるみの歩道もなくなった。そういえば、名前も「いしかわ四高記念公園」へと変更されたんだったな。あの水のない、干上がった池には滝の水がきれいに落ちていた。右手にあったライオンの像には見覚えがあった。そういえば、ずいぶん昔、ここで「フリスビーゴルフ」をやっていたっけ。園内にいくつもの目印を設定して、それをフラッグやカップに見立てて、投げて当てるとホールイン。それを繰り返して、総スコアで勝負するルールだった。
あのライオン像はそのひとつだ(笑)。色んな投げ方を駆使して、高い木を超えたり、右や左に曲げて投げるようなフリスビー上級者より、失敗して地面を転がすような初心者の方が、スコアが良かったりした。そんな早朝のひとコマを思い出していた。フリスビーって、正式名称は「フライングディスク」なのだそうだ。ホッチキスやバンドエイドと同じように登録商標らしい。人気があれば、そんなことが起るのだが、案外、鼠多門の名前も、そんなところなのかもしれない。

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