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2022年02月04日

年寄りとスープの関係

3~4年ほど前のハナシだ。あるときからコンビニの「スープ」を買って食べるようになった。セブンイレブンのそれだ。きっかけは1か月くらいの一人暮らしがあったからだ。仕事帰りにあれこれ探したり、試したりするのも楽しくなった。僕の晩ごはんだった。
上の3人の孫たちは石川県で生まれた。いわゆる帰省出産というやつだ。でも4人目の孫は、そのまま東京で出産することになり、家内が長期で東京へ行くことになった。家内から家事の研修を受け、一人暮らしが始まった。まぁ単身赴任のときよりは快適な日々だ。で、そのとき僕は、今どきのコンビニにハマったのだった(笑)。少し自炊したこともあって、結局、外食することもなかった。

最近のコンビニは、シニアにも優しいんだ、と感心していた。便利なのは間違いないが、食べ物の量や価格、そして何より身体のことを気にするポイントを、上手に突いた商品が並んでいた。当時のセブンイレブンは「野菜をたっぷり食べたいあなたへ」というコンセプトを訴求していて、それにモロに反応してサラダやスープを買っていた。特にスープは、その品質も品ぞろえも、どちらも上手だった。
外食で出会うスープには美味しい場合もあるのだが、コースやセットの中の一品なので、役割が違う。だから、こんなに小さくて、具だくさんで幸福になるような一品にはならない。年寄りにとってのスープは、家庭料理の延長で、身体が欲しがる大事な商品なのだと思う。

冬のある日のこと「スープSトックトーキョー」のeメール広告に反応して、猛烈に食べたくなってしまい、オンライン通販することにした。こっちのスープはコンビニのそれと違って、どちらかと言えばプロが作るようなジャンルのスープだ。独特の贅沢感があって、どこかにありそうで、でもどこにもない不思議な商品とも言える。
注文した6品のセットは冷凍で届くのだが、ほんとに旨い。届いたその日に、緑の野菜と岩塩のスープ、オマール海老のビスクの2品を食べた。残り4品は大事にとっておく(笑)。慌てて買ってきたパンをちぎって、皿の残りをふき取って口に運ぶ。やっぱり旨いなあ。無添加だとかレシピがどうだとかは、この際どうでもよくて、食べたいときに食べたいものを食べる。年寄りのぜいたくはシンプルだ。

スープSトックを初めて知ったのは今から20年ほど前のことで、独立直後の僕はわざわざ訪ねたことがある。ファストフードに似ているが全く違うテイスト感で、これはすごいぞ、と思ったものだ。当時話題になったスタバと、どこか似ている感覚があった。その後は、東京に誕生する新スポットと呼ばれる商業施設には、必ず出店していた。しかも「いい場所」にあった。まぁこれもスタバと同じなのかもしれない。
通称「カレーの日」と言うのがあって、この日は全店から「スープ」が消えるらしい(笑)。お店が全部「カレーSトックトーキョー」に変身するイベントなのだそうだ。まぁ面白い会社だと思う。興味はあるが、そんな日に東京にいるのかどうかも分からないから、きっと出会えない。だから買うのならオンラインということになる。

10月のある日のこと、ときどき夫婦で使うお気に入りのスーパー(Kジマート)に、ここのスープが並んでいることに気付いた。専用の冷凍オープンケースに何種類も置いてある(カレーもある)。地元でも買えることに驚いたし、嬉しかった。これが常設なのか、お得意の販売イベントなのかは分からないから、売り切れを気にして急いでかごに入れたのは間違いない(笑)。買ったのは海老のフレンチカレーと牡蠣のポタージュ、僕たちにとっての新作だった。
その後、この冷凍ケースの品揃えは一気に増えていき、いまでは、オンラインとほぼ同じ品揃えになっている。頻度は減ったが、セブンイレブンの新作スープも楽しみのひとつだ。実は今日も「五種だしの温そうめん」というやつを買ってみた。
年寄りの食事は健康に留意しなければならない。でも、一番なのは「ココロの健康」ってやつかもしれない。こんなスープは、僕のような年寄りに、ちょっとした幸せをくれるんだと思う。

公式サイト soup-stock-tokyo.com

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