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2022年01月28日

いつか旅に出よう「やきそば三国同麺」

ある日のこと、焼そばUFOの梅こぶ茶ってやつを見つけた。UFOファンは見逃さない。食べてみると、まぁ要するに、梅味の塩焼そばで、それ以上でも、それ以下でもない(笑)。ちなみにUFOは空飛ぶ円盤のことではなく、うまい、太い、大きいの頭文字らしい。まぁどうでもいいけど。
焼きそばは、好きな食べ物のひとつだ。なぜか、ときどき無性に食べたくなる。そんなとき、家人の賛同が得られればチルドの袋麺を買うし、でなければカップ麺を買って、後日一人でこっそり食べることになる。僕の焼きそば愛は、そんな感じだ。
いつだったか全国の「ご当地焼きそば」がブームになったことがある。B-1グランプリというイベントの第1回優勝の「富士宮やきそば」がきっかけだ。そもそも全国各地にあったご当地自慢の焼きそばが脚光を浴び、専用製品も流通するようになった。

まだ大手を振って旅に出られなかった頃、僕はまた、馬鹿げた旅を思い付いた。今回は三つの聖地を巡る「やきそばの旅」だ。
食べたい焼きそばは三種類。秋田の横手やきそば、群馬の太田やきそば、そして静岡の富士宮やきそばだ。旅に出れば、その土地のご当地フードに興味を持つとは思うが、食べ物が目的の旅などしたことはない。横手市、太田市、富士宮市はそれぞれ「焼きそばの町」を表明していて、三市で「三国同麺」(同盟ではなく同麺だ)なるものを結成しているらしい(笑)。どうでもいいのだが、それが目的地として選んだ理由だ。
妄想だから三つの街を一気にめぐる旅を考えたが、地図で見る限り、とても遠い。なので計画のテンションは下がる一方だった。

偶然なのだが、去年の秋のこと、弔い事があって群馬県の太田市へ向かう機会がおとずれた。不謹慎なのは間違いないが、僕はこっそり「太田やきそば」を食べようと考えた(笑)。太田は、いわゆる「SUBARUの城下町」らしい。もちろん一度も行ったことはない。太田やきそばは、別名・黒いやきそば、として有名で、市内のあちこちに小さな焼きそば屋さんたくさんあるらしい。各家庭ごとに「ひいきの店」があって、地域に溶け込んでいるのだそうだ。
ずいぶん前だが、現地の「黒いやきそば」を送ってもらったことがある。届いたのは、駅の売店にある土産品のようなやつで、地域で愛されるそれとは違うということだった。食べた土産品はたしかに黒かった。まぁ見た目と違って甘くまろやかな味だったが、本物はどんな味なのだろう。ちなみに群馬と言えばペヤング発祥の地なのだが、太田やきそばと関係があるのだろうか(笑)。
結局、僕の不謹慎な願いは叶わなかった。教えてもらったホテル近くの店は、コロナの余波で無期限休業していた。残念だが時間切れで戻るしかなかった。また今度だ。

旅のイメージがつきやすいのは「富士宮」だ、というより浮かぶのは富士山の方だけど(笑)。まぁレンタカーでのドライブが楽しそうだと思う。
実は、以前から富士宮やきそばのことを知っていた。訳あって大学生の頃、たびたび富士宮に行っていたからだ。当時はお金もないから、どこかの売店で売られている焼きそばを、しばしば食べていた。お祭りの屋台の焼きそばってやつは、安っぽい透明ケースに入っていて、輪ゴムに割りばしが挟んであるものだが、イメージで言えば、あんな感じだった。買って、店頭のベンチか何かに座って食べていたと思う。
後年、流通品の富士宮やきそばを食べて、あの独特の麺の食感とか、脂カスや魚粉の味が懐かしかった。あとから知ることだが、富士宮やきそばという統一名称がついたのは、ずいぶん後のことのようだ。今回はちゃんと調べて、人気店を回ろうと思う。まぁせっかくの旅だから、泊まっての富士山観光にもそそられる。富士山本宮浅間大社も立ち寄りたい。近くのお宮横丁?も楽しそうだ。

秋田では行きたいところが色々ある。とはいえ、今回は横手やきそばの旅だ。横手やきそばも、流通品を食べたことがあるが、印象が薄くて特徴などは思い出せない。でも、これは僕の「作り方の失敗」なのだと、後に知ることになる。
麺は一般的な蒸し麺ではなく、ストレートの角麺のボイル、つまりうどんのような感じで、大きな特徴はソースにある。ウスターソースを独特の「だし」で割ったもの、つまり、最初から「つゆだく」のやきそばなのだそうだ。それに、目玉焼きが必須アイテムで、トロトロの黄身を溶かして、つゆだくに馴染ませ、すすり上げるように食べるらしい。なるほど、正しく作ればたしかに旨そうに思える(笑)。

横手も、太田と同様に、たくさんの専門店?があって、地域の人に愛されているらしい。なので、本場の横手で、そんな地元のやつを食べてみたい。妄想で言えば、お店は小さくて、高齢のおばあちゃんが「のれん」を守って一人でやっていて、今日も元気に昔ながらの焼きそばを作ってくれる。そんな店がいいよなぁ。
でも、書いてみて思い知った。焼きそばだらけの旅は大変だなぁ。物理的な移動距離も時間も大変だが、焼きそばを何食か食べるとなると、カラダに悪い旅になるなぁ(笑)。まぁ妄想の旅なのだが、もう、おなか一杯になった気がする。

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