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2023年05月05日

温泉でひと息「あおもりでおこもり」

GWが始まった。同級生たちはこの連休をどう過ごしているのだろう。小型の機体の小さな窓から雲を眺めながら、ふと考えたりした笑。
その日は昼過ぎに三沢空港に降り立った。今年のGWは大混雑だ、などと言われていたが、まったくそんなことはなかった。小松も羽田も静かだったし、三沢の街に人影はなかった笑。この三沢空港は津軽半島の付け根あたり、青森県の太平洋側にある。まぁ国防の拠点としていろいろあって小松空港とよく似ている気がする笑。この日の宿は、空港から15分くらいの場所にあった。つまり青森県の端っこの方、というイメージかなぁ。

青森は12年ぶりだった。簡単に12年と書いているが、実際には何年前?など覚えているはずがない笑。実は、YouTubeで自分の撮った動画を検索したのだ。タイトルは「桜丘27.com弾丸ツアー第2弾奥入瀬」となっていた。当時すでに大人の修学旅行という同級生の仲間旅をイメージしていて、ふらりと下見に行った時の動画だった。
北側の青森空港から、レンタカーで八甲田を目指して走り、酸ヶ湯温泉に浸かったり、寄り道しながら奥入瀬渓流や十和田湖に向かった時のものだ。デジカメの動画機能など初めてのことで、ただ単に長回ししただけの下手な映像だが、新緑の山道が「緑のトンネル」だったり、雪解けの奥入瀬の瑞々しい映像が、当時の記憶を掻き立ててくれる。そういえば、奥入瀬で泊まって、翌日は弘前城まで車を飛ばしたドライブ旅だった。
思い返せば、アチコチいろんなところに立ち寄って、食べて遊んだ欲張りな2日間だった。まさに弾丸ツアーだ笑、12年前は、僕も若かったんだなぁ。

今回の旅の季節は、たまたま同じ新緑のときなのだが、目的は全く違う。今回はあくまで、宿でのんびりするだけだ。日程も1泊2日だから12年前と同じなのだが、もはやあんな元気はない笑。
きっかけ、と言えるのは、この宿に泊まりたくなっただけのことだ。決して高級な宿ではなく、むしろ素朴な感じだ。何より館内の多彩な施設や、スタッフが用意する企画(アクティビティー)が面白そうな宿だった。GWの宿はどこも一杯で希望日程などに合致しないものだが、それがたまたま空いていたのだ。
予約が取れてから、さてどこへ行こうか、という順番になったのだが、青森で思いつく目的地は、どれも宿から遠かった。もはや昔のような弾丸ツアーは無理かなぁ、と諦めてしまった。これで、宿での「おこもり」が確定した。まぁ今回の旅をこの宿に委ねたのだ。

敷地はめちゃ広かった。72ha、つまり22万坪なのだがピンとこない笑。まぁ敷地内に宿泊棟が全部で3棟、計236の客室があるらしいから、やっぱり大きい旅館だ。れっきとした由緒あるレジャー施設がバブルで破綻し、現在のスタイルで再生したようだ。まぁ、ゆったりしているから人は少ない感じがする笑。
ラウンジで珈琲を飲んだりした後、敷地内の(緑豊かな森の)遊歩道を散歩することにした。晴れ間も出てきて気持ちがいい。GWなのに八重桜が満開できれいだった。でもまぁ、広くて疲れる笑。
館内の共有スペースは二層構造になっていて、これまた広くて、いくつもの施設が混在していてとても面白い。水道の蛇口からリンゴジュースが出てきたり(無料で飲める)、帆立釣り(生きた帆立貝を釣るゲーム)ができたり、祭り小屋(ショーをやっている)も居酒屋もある、まぁどれもユニークだ笑。
●共有スペースの画像(タップして右へ)

ちなみに大浴場も広い笑。露天風呂に入ろうと内風呂から外へ出たら、そこは大きな池で、カラフルなボンボリがたくさん浮かんでいる。手前には散った桜の花が浮かんでいて(まぁ花筏みたいだ)、これが風呂か?と、一瞬戸惑ったのだが、確かめると温かい、つまりそこが露天風呂だった笑。
池に向けてのインフィニティー風の露天風呂なのだ。まぁどれもこれも、アイデア豊かでなにかと楽しい。これは「おこもりさん」にはぴったりかなぁ、ドライブより面白いかもしれない。僕は青森ヒバ造りの「ぬる湯」の湯船にボ~っと浸かっていた。
ショップで、地ビールやつまみを買って、部屋に戻って一杯やって、小説の残りを読みながら、そのままひと眠りすることにした。66歳には豊かで贅沢な時間だ。

夕食は、ビュッフェの方を選ぶことにした。いわゆるシェフズテーブル(ライブキッチン)が何か所かあって、目の前でステーキを焼いたり、天ぷらを揚げたりしてくれる。帆立の貝焼きや鯖の串焼きも目の前で作ってくれる。ちなみにドリンクもBARでオーダーするスタイルだ。
とはいえ、シェフは割烹着に三角巾の女性たちで、誰もが(わざと)津軽弁で会話する(とにかくみんな訛ってる)笑。これはこれで素朴で面白いのだ。スタイルはセルフだが、活気があって楽しい時間だった。そして21時からのショーも圧巻だった(ちょっと感動ものだったから、後日改めて書こうと思う)。
一方で、翌朝の朝食は古民家でのフルサービスを選んだ。会場はあの広い森(遊歩道)の池のほとりにあるから、シャトルバスで送迎される笑。南部津軽から移築した民家の居間を改装した部屋で、とても静かな時間が流れる。
予約時刻に合わせて炊き上げた土鍋ご飯や、青森の素朴な家庭料理が並べられる。味噌汁はもちろん地元のシジミ汁だ。目の前で作る帆立の味噌貝焼きも美味しかったし、じっくり焼き上げたイワナの串焼きに、そのままかぶりつくのも楽しい。食後はバスを辞退して徒歩で宿に戻った。つまり朝の散歩を楽しむことにしたのだ。

ことほどさように、どこかにありそうだが中々お目にかかれない、そんな楽しい宿での、心休まる1泊2日になった。リピートする可能性はあると思うが、でも遠くて不便なのが難点かなぁ笑。

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