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2023年04月28日

黄砂の夜に「星山ホルモンの草鍋」

今年は何年かぶりの「黄砂」の大規模発生らしい。クルマを見ながらがっかりするのは何回目だろうか。カーポートの黒のマイカーはグレーになっているし、白の方のボンネットは、ややピンクがかった黄色だ。遠くの景色はたしかに濁っている。もう勘弁してくれ~笑。
毎年の黄砂の時期はいつもそうだが、海に近いわが家は、むしろ海風のせいで防風林の「松の花粉」の攻撃も凄いことになってしまう。わが家だけでなく、ご近所の車は、黄砂と花粉で真っ黄色だ。洗車しても、その直後に元に戻ってしまう。そこに雨が降るから、車は泥をかぶった状況になる笑。まぁこれも、わが家なりの春の風景なのだが、ちょっと寒々とした雰囲気なのは間違いない。どうやら今夜は、気温もぐっと下がるのだそうだ。
今夜は、ひさしぶりに「鍋」にしようか、ふとそう考えた。そうだ星山ホルモンを買ってこよう。ホルモンの味噌鍋だ。ちなみにこれは、ある意味で僕の定番メニューだ。でもひときわ見た目がよくない(まるで黄砂のように黄色に濁った鍋なのだ笑)。だから、ひとひねりしたくなって考えた。で結局、イメージしたのは「春の草鍋」だった。

27期のB面企画を始めたばかりの頃だ。みんなで行った、福井のおろし蕎麦の名店「けんぞう蕎麦」は旨かった。その大人のドライブ福井編のとき、みんなで買って帰ってきたのが「星山ホルモン」だ。みきやんを会場にして、作って食べたホルモン鍋は良い思い出になっている。
正しくは「星山商店の白ホルモン」といのが正式名称で、当時は福井県下では特定のスーパーでも購入できた。星山商店というのは、福井・大野にある焼肉専門店向けの肉屋さん(業務用卸ということかな)で、店頭で高級な肉類を売っている有名店だ。僕もわざわざ大野まで買いに行ったことがある。あまりの人気で、一般向けの商品も扱い始め、その代表が、この星山ホルモンなんだと理解している。当時は通販もやっていた(たぶん今でも)。
この「白ホルモン」、その後は金沢市内でも、Aルビスというスーパーで買えるようになった。店によって違うのだろうが、火木土とか、週に何回かの入荷を待つヒット商品だ。店の肉売場に次の入荷日が記載されている。ときどき(この日も)無性に食べたくなって、買いに行くことがある。実は、この原稿を書くときに写真を撮り忘れたことを思い出した。上で使ったホルモンの画像は4年ほど前のものだ。僕の好物は、ちゃんと画像フォルダに残してある笑。

毎週土曜日の晩メシの料理当番は僕なのだが、最近は何だかんだと逃げている。前回作った「パッタイ」は明らかに失敗だった。まぁ新作はいつも失敗ばかりだ。鍋は簡単だから、よく思いつくのだが、ここしばらく登場していない。ついつい食べすぎるのも難点かな笑。
草鍋(くさなべ)は、3~4年前に流行ったスタイルで、好きな鍋に、青い色の野菜(まぁ緑の葉野菜だ)、しかもクセの強い香味野菜などを大量に使うものだ。当時ブームだったパクチーなどを使うのがオキマリかな。でも、さっきひらめいたのは、大量の「野ぜり」だった。先日、あるところで「野ぜり」の料理を食べたとき、独特のクセの強い個性が、思わず春を感じさせた。星山ホルモンに野ぜり、うん、間違いなく旨くなるはずだ。
さっそく野ぜりを求めてJAの野菜売場(まいどさん市場?)へ向かった。野ぜりと一緒に、きれいで瑞々しい「クレソン」や、びっくりするほど大きな「原木なめこ」も見つけた。それらを買って「草鍋」の準備開始だ。うるいや、タラの芽、うど、売り場に並ぶ「春の山菜」はどれも面白そうで、そそられたのだが、夫婦二人には多すぎるから、我慢することにした。まぁ今日の主役は、あくまで野ぜりだ。
さて、合わせる酒は、やっぱり焼酎だろうか。そういえば最近とんと飲んでいない。きれいな日本酒には合わないし、いつものバーボンソーダじゃ風情がない気がする笑。

鍋のだしは、とり野菜味噌を通常の半分くらいに薄めた奴だ。いつもなら、白ホルモンと玉ねぎを放り込み、ぐつぐつしたら、もやしを突っ込む。でも今日は玉ねぎも、もやしもないから、大量の草の投入だ。行儀悪く手でつかんで放り込む。
想像通り、野ぜりが旨い。太い根っこの部分は滋味豊かで、葉っぱの苦みもいいアクセントだ。まぁ田舎の春の味ってことかな。大きななめこは味が濃くて食感も楽しい。味噌の味やホルモンに負けることなく個性を放っていた。
そんな黄砂の夜の、黄砂みたいな色の鍋は、結構旨かった。でも、写真がないのは、やっぱりきれいじゃないからだ笑。
箸が進んで、鍋の締めには、買い置きしてある好物の「きしめん」まで投入してしまった。ん?、そういえば、ホルモンの袋には500gと書いてあるはずだ。これは食べすぎかもな笑。きしめんをすすりながら、今日も「リバウンド」という文字が浮かんだ。やっぱり、お餅の追加はやめておこう。

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