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2021年11月26日

都心の散歩スポットへ

急に決めた旅だった。目的はひとつだけ(お仕事だ)なので、それ以外はすべて「おまけ」の旅になる。とはいえ準備不足で行くところが浮かばない(笑)。東京の秋でも探そうか、秋のSNS企画が頭をよぎった。今回はそんな「おまけ」のお話。

僕のスマホに搭載されているマップアプリはGoogleだ。目的地を入力して、電車を選択すると、またたく間に現在地からのルートが表示される。どうやら今からなら、00時00分発、半蔵門線の中央林間行きが来るからそれに乗れ、と表示される。
さらに、それは10両編成なので、その1号車に乗れ。16分(7駅)で渋谷駅に着くぞ、と表示が続く。驚いた、すっげえ便利なんだね。そして着いたら宮益坂東改札の案内表示に従って進み、出口B3から地上に出ろ。何とまぁ、そんなことまで表示される。もちろん着いたら案内マップも表示できる。
そんな現代文明のありがたみを感じながら、方向オンチの僕たちはミヤシタパーク(旧宮下公園)へと、難なくやってくることができた(笑)。明治通りの街路樹は色づき初めで、青い空に映えてきれいだった。なにげなく、進行方向の反対側を振り返ると、あの渋谷スクランブルスクエアがそびえている。ちょうど2年前、あのてっぺんに立って、この辺りを見下ろしていたんだと思うと、2年のブランクが少し不思議な気がした。

昔の宮下公園は、渋谷駅近く(山手線の横)の公営駐車場(平屋)の屋上に作られた公園で、渋谷カルチャーを発信する若者たちの隠れたスポットだったらしい。名前は知っていたが、あまり良い印象が浮かばない。
同じ場所に、新しく誕生した「ミヤシタパーク」は、3階建で長さが南北300m以上の細長い商業施設ビルの名称だった。渋谷区立「宮下公園」は、その屋上(4階部分)に移設された「空中公園」と表現されるようだ。
長い遊歩道が続く空中公園の中央にはスタバがあって利用者の列がある。北側は芝生の庭園で、若い家族連れやカップルが、座ったり寝転んだりしてる。北端(原宿側)には、若者に特化した新型ホテルも隣接している(実は泊ってみたい笑)。
南側には、砂地のビーチサッカーコート、ボルダリングウォール、スケボーパークなどが配置され、夜遅くまで楽しめるようになっていた。もちろん僕たちみたいな年齢の人たちの散歩姿も多く見受けられる。たくさんのベンチのひとつに座って眺めると、小さな子供が走っていて、とても健全で楽しい場所なのは間違いない。
ビルに入居しているテナントや施設は、これこそ渋谷、という構成なので僕たちは腰が引けるのだが、散歩しながら見ると刺激的で楽しい。おそらく昼も夜も「これからの東京」を代表するスポットのひとつになるのだろうと思う。

ほとんど思い付きなのだが、あの新国立競技場や、外苑のイチョウ並木が観たくて、散歩を続けた。再びGoogleマップの「お導き」にしたがって地下鉄から出ると、すぐ目の前に、あの隈研吾さん設計の競技場がそびえていた。壮観な景色だ。とはいえ、中に入れるわけでもないので、周囲を少しだけ歩いて、明治神宮外苑へと散歩することにした。右手の木々の向こうにゴルフ練習場や神宮球場が見えてくる。歩道を青山方向に歩くだけなのだが、天気も良くて気持ちいい。
ほどなく、あの有名なイチョウ並木にやってきた。まだ時期的には早いようで、緑と黄色が混在しているのだが、それなりにとてもきれいだ。僕たちのような散歩姿の人たちが行きかっている。お茶でも飲もうと思っていたシェイクシャックやキハチのテラス席は、やはり人だかりで、とても無理だった。

その昔、風変わりな検事が活躍する「Hーロー」というテレビドラマがあった。その城西支部のみんながイチョウ並木に整列するシーンが象徴的で、僕はてっきりここがロケ地だと思い込んでいた。ここじゃない、と知ったのは今日だ(笑)。
青山通りに出るころには、少し気温も下がった気がする。そんな夕陽が差し始めたイチョウ並木も、とてもきれいだった。都心の散歩スポットは、ちょっとおしゃれで、不似合いな僕たちは、少しだけくすぐったい気分だ。

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