お散歩鶴来、ときどき素朴な旨いもん
石段ご神木、ぜんざい、パン屋
この日は、すんなり駐車場に入れた。まぁ金曜日だからかな、想像どおり平日はガラガラだった。つい先日(1週間ほど前の週末)は、少し手前から駐車渋滞になっていてとても驚いた。元旦から3週間たったのに、まだまだ初詣の人たちで一杯なのだ。だからその日は、簡単に諦めて、Uターンして帰ってしまった笑。
ここは白山比咩神社の表参道駐車場、つまり白山さんの下にある駐車場だ。普通の参拝者なら上の駐車場(正しくは北参道駐車場というらしい)の方が広くて便利なのだが、あえてこっちを選んだ。
いわゆる表参道だから、この駐車場の奥には一の鳥居がある。そこから長い石段を登って境内へ向かう。参拝を済ませたら、目指すお店(境内にある)へ行こうと思う。わざわざ遠回りするのは、ちょっとしたお散歩みたいなことかな。
表参道は見事な杉並木に囲まれていて、静かで、お気に入りのスポットだ。何やら神聖な空気に満ちていて、長い石段もあんがい気にならない。一の鳥居を抜けたあたりは、ゆるやかな石段なのだが、まだ雪が解けずに残っていて、足元にちょっと気を使ったりする。
左にある琵琶滝(とっても小さな2段の滝)は、いつもなら軽やかな流れなのだが、今日はけっこう激しく流れ落ちている。これは雪解け水ってことかな。ご神木の大きな老杉や苔むした狛犬に、長い時間や風雪の厳しさを想像したりする。う~ん、なかなかいい時間だ。
手水舎から先の階段は急になるのだが、見上げた先の杉林の「こもれび」が妙にきれいに見えたりする。神域はやっぱり清々しい。
この日は珍しく、境内の小さな社を順に詣でた。いつもなら(拝殿で)参拝してさっさと帰るのだが、看板の説明書きをじっくり読んでみたりする。三本杉(これもご神木)とか宝物とか、初めて知ったことばかりだった。
▼表参道のお散歩アルバム(タップして右へ)
北参道駐車場の脇には、あの和田屋(わたや)さんがある。川魚や山菜を供する創業150年の老舗料理旅館だ。ここが目的地ならちょっと格調高いハナシになるのだろうが、僕たちが入ったのは、その隣の甘味処・善与門(和田屋の姉妹店)だ。だからハナシのスケールはずっと小さい笑。
たいした目的でもないのだが、今日はここのおいしい「ぜんざい」が食べたくなったのだ。お店の外観や造りは、まさに参道のお茶屋さん、という感じかな。座席は少ないのだが独特のセンスが感じられる不思議な空間だ。窓から和田屋さんの前庭あたりを見下ろせる。
まるで絵手紙のようなメニュー(おそらく和田屋の女将さん直筆)がとても面白い。お目当ての「ぜんざい」と「あずき寒天」を選び、どうしても食べたくなって「あべかわ」も追加してしまった。うま~い。あいかわらず、どれも素朴で優しい味だった。
ぜんざいやあべかわに使われている餅は、いわゆるヨモギの草餅だった。これがホンモノってことかな、とにかく絶品なのだ。
ちなみに、ここのインスタはなかなか面白い。zenyomonで検索。
▼この店「善与門」のアルバム(タップして右へ)
そして、帰路には一軒のパン屋を探した。店名は忘れてしまったが、友人から聞いた新しいショップで鶴来街道にあるらしい。これがなかなか見つからなかった。Webを駆使してようやくたどり着いた店は、これまた素朴で目立たない外観のパン屋だった。
どうやら古い民家をリノベしたのだと思う。店頭には暖簾がかかっていて、まるで居酒屋のように見える(失礼)。要するに和装の外観で、店名も和ベースだ。
店内は意外に広くて、手前がパンの売り場、奥がイートインスペース(カフェかな?)になっているようだ。いわゆる今っぽさはなく、優しいコンセプトが伝わる雰囲気だった。甘く芳ばしい香りの店内で、懐かしいクリームパンを見つけて、ちょっと嬉しくなった。
ちなみに、ずいぶん昔から、この近くにおいしくて人気のラーメン屋があると聞いている。僕は行ったことがないのだが、調べたら、それはラーメン店ではなく「ラーメンが大人気のうどん屋」なのだそうだ。そそられる笑。だから今度見つけて食べてみようと思う。
僕にとっての鶴来のグルメは、素朴で、何かと不思議がいっぱいで、つまりとても面白いのだ。