いつか旅に出よう「長崎は今日も」
大晦日、珍しくオンタイムで紅白を観ていた。白組トリの福山も、大トリのMISIAも長崎県出身らしい。そんな話がきっかけで、長崎の映像が頭に浮かんだ。でも最初に思い付いたのは、ローカルな食べ物のことだ(笑)。
長崎には「トルコライス」というソウルフードがあるそうだ。ひとつの皿にピラフとスパゲティー、その上にトンカツが乗っているのが基本形らしい。ピラフと書いたが、当初はチャーハンとかドライカレーが多く、スパはナポリタンが主流なのだそうだ。一方、お隣の佐賀には「シシリアンライス」というご当地グルメがあって、町おこしに使っているそうだ。こっちのやつは、ごはんの上に、タレで炒めた薄切り牛肉を乗せ、レタス、トマトをさらに重ねて、マヨネーズを網掛けする。
どちらもボリュームいっぱいで、県民市民でなくともファンになりそうな気がする。金沢にはハントンライスがあって、隣の福井県にはボルガライス(トンカツオムライス)があるから、なにか似たような近親感を覚える。そんなご当地グルメを旅の目的にするわけではないのだが、今回の妄想の旅の舞台は「長崎と佐賀」を選ぼうと思う。どちらも行ったことがない。いつになったら本当の旅が実現できるかわからないが、今回も妄想しながら計画しようと思う。
初日の目的は、焼物(陶磁器)にしようと思う。地名で言えば、唐津、有田、伊万里、つまり佐賀県だ。でも旅のスタートは「長崎空港」がいい。空港からレンタカーで北上して佐賀県へ入り、まず「有田」へ向かう。1時間ほどで着くらしい。年齢とともに焼物には興味が出てきた。とはいえ焼物の初心者だ。伊万里焼は備前の焼き物の総称?だとか、有田で作られるから有田焼?だとか、歴史的なベンキョーも必要みたいだ。いまは、ブラタモリの足跡に沿って焼物の街を歩いてみたい。そんな初級レベルに過ぎない(笑)。
そして、有田から伊万里へ、さらに北上して、今度は「唐津」まで向かう。ここはもう玄海灘だ。唐津には九州を代表する老舗の名旅館がある。宿の名前は「Y々閣」、まぁ僕にとってはこっちの方が大事な目的かもしれない。名旅館と呼ばれるところは、ホームページすらなかったり、あってもテキスト原稿だけだったりするのだが、ここもまさにそれだ。業界紙や旅の本にはしばしば登場して凄みを効かせるのだが、一般の人には知られていない(笑)。予約も難しいのだろうが、初日の夜は、なんとかここで、唐津焼の名品と、宿自慢の料理の融合を楽しもうと思う。
2日目は、佐世保へ向かう。朝ゆっくりしても午前中には着けそうだが、長崎県に入る前に、なんとかシシリアンライスを見つけないといけない(笑)。佐世保といえば軍港のイメージかな。たまにはそんな景色も観てみたい。九十九島?あたりの、海沿いの西海国立公園へのドライブ旅は、天気に恵まれれば、きっと楽しいと思う。
そして、今度は一気に南下して長崎を目指す。向かうのは稲佐山(いなさやま)だ。途中のハウステンボスには今のところ興味が湧かないからスルーだ(笑)。そして、今度は大村湾沿いに走ることになる。2時間ほどの距離だ。地図を見て知ったのだが、大村湾は「湾」とはいえ、まるで大きな湖みたいなやつで、長崎県の中心にあるから、まるで滋賀県と琵琶湖の関係に似ている(笑)。長崎自慢の海の幸も豊富なのだろう。
稲佐山は標高300mくらいだが、長崎が一望できることで有名な人気スポットらしい。夜景も有名で、函館(函館山)神戸(摩耶山)と一緒に日本三大夜景なんだそうだ。近くに、やはり夜景がウリの立派なホテルを見つけた。市内観光にも便利なホテルのようだ。
翌日は長崎の街をゆっくり歩きたい。僕には前川清のあの歌や声が刷り込まれているのだが、雨の長崎が観たいわけじゃあない。やっぱり晴れがいい。しかし誰かが言っていた。長崎は今日も「坂」だった・・・そんな街なのだそうだ(笑)。平和公園、出島、大浦天主堂、グラバー園と、行ったことのない僕でも知っているスポットばかりだ。中華街での長崎ちゃんぽんや皿うどんは必須だが、なんとかトルコライスも探さないと(笑)。
実は、軍艦島(端島)に興味がある。もちろん輪島のそれのことじゃない(笑)。好きな作家「O」の作品の舞台になっていて、歴史的な背景や暮らした人々の日常や悲哀が描かれた秀作だった。同じ頃に、奇界遺産の写真家S藤健寿の取材番組をみて「廃墟」のリアリティーや迫力に触れて、とても興味を持った。世界遺産に選ばれたとはいえ、老朽化や崩壊は続いていて、今の姿が続くことは難しいらしい。
長崎からアクセスする「軍艦島上陸ツアー」というやつがあるようだ。長崎旅の上級者向けかもしれないが、初心者の僕だって行きたいのは間違いない。知らない土地への旅は、やっぱりアレコレ欲張ってしまう。目的重視の旅の達人になるには、まだまだ修行が足りないな。