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2020年06月26日

BARの夜話「モダン・メキシカーノ」

タイトルはBARのハナシなのだが、厳密に言えば、ここはBARじゃない。今夜は僕がBARとして使っているだけだ。以前に同じ系列店に行ったとき、とても楽しくて覚えていた。今回紹介するこの店は、新しくオープンした3号店?なのだが、ファンはたくさんいるようだ、こっちも繁盛している。ややこしい話だが、この店で出されている料理は、概ねメキシコ料理だ。だからヒトに説明するときは、メキシコ料理を食べに行こう、と言うしかない(笑)。だから今夜もメキシコ料理を片手にビールで乾杯だ。次はテキーラだな。そんなメキシコ料理は今とても熱い。
和食がユネスコの世界無形文化遺産に選ばれて世論が湧いていたが、メキシコ料理はその数年前に認定されていたのだそうだ。7000年前の先住民の時代から口伝で料理が伝わったというから、長い長い歴史や文化の集合体だ。コロンブス以降、スペインの過酷な統治期を経て、アメリカと戦争して負けたりしながら、つまりスペインやアメリカの影響が、食文化にも大きく影響したらしい。今の日本人が知っているメキシコ料理は、概ね「アメリカ料理」のものが多いのはそのせいだ。世界中の人たちは、そんな一種の悲しい黒歴史は知らないまま、メキシコは陽気で明るく、人気上昇中の観光地だと認識している。典型的な日本人の僕だって、何となく「ドンタコス」のCMソングが似合うように思っている(笑)。

さて、今日のこのBAR(ダイニングバー)は代官山にある。店名はAシエンダ・デル・シエロ。スペイン語で「空の家」という意味なのだそうだ。店内には蛇柄を思わせる模様の変形のバーカウンターがあって、その天井に巨大な蛇のオブジェが飾られている。これはククルカン?とかいう羽根のある蛇で、メキシコのシンボルなのだそうだ。
八幡通りのビルとビルの隙間の道路の横に、店のコルトン看板が置いてある。看板の奥には、細い小路があるだけで、店らしきものはない。もしかしたらと、暗い小路に入っていくと、奥まったビルの入り口にエレベーターがある。それに乗って9階へ向かう。階が上がるごとに中の照明が暗くなる。エレベーターの扉が開くと、そこには異国の喧騒の空間が広がる。左手のキッチンの前を通ると、くだんの蛇柄のカウンターがあり、高い天井が特徴の、スペインのようでもあり、メキシコのようでもある、そんな不思議な空間が広がる。ここはビルの9階だ。室内の席と、外のテラス席がある。吹き抜けを見上げると10階のブース席も見える。ペントハウスというやつかな。一番の特徴は3方向に広がる見晴らしの良いテラス席で、60席ほどある。様々なスタイルのブースやテーブル席が並び、若い男女グループが楽しそうに歓談している。

料理は、ほぼ全てメキシコ料理だが、スタイルや価格はスペインバルに似ていて、雰囲気はまるでアメリカ西海岸のBARだ。ややこしい(笑)が、店側はこのスタイルをモダン・メキシカーノと呼んでいる。名物のワカモレ(アボカドのサラダ)は客席で作って見せるし、タコスは焼きたてでアツアツの本物だし、ファヒータなどのメイン格は絶品だ。そもそも、ひと皿500円均一の前菜が20品ほどあるので、つまみには困らない。
以前のB面企画「仲間に会いに東京へ」のとき、昼の会場は、同じ代官山のブリュワリー(クラフトビール)レストランを選んだ。しかし、個人的には、この店の方が、実はいち押しだった(笑)。場所がややこしかったこともあったし、客層が若かった。そして61歳の同窓会にいきなりメキシコ料理では違和感があるかなぁ、などと躊躇して、結局断念した経緯がある。店名は違うが、丸の内、品川、原宿にも、同じコンセプト(モダン・メキシカーノ)の系列店があるから、別の企画のときに使ってみたいと、ひそかに考えている。でもメキシコ料理に賛同が得られるかどうかは、微妙なところだな(笑)。

代官山のこの店 hacienda-del-cielo
写真は同じ系列店の、Eルカリエンテ(品川)のもの。こっちも同じコンセプトで楽しい店だった。 
elcaliente.jp

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