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2023年10月27日

能登丼、潮騒Re、朝市めし、海カフェ

奥能登ドライブ食べ物編
起きたのは朝6時頃だった。楽しい予定がある日にウキウキするのは子どもと同じだ笑。今日は早めに出かけて、一気に珠洲まで走ろうと思う。まぁちょっとした病み上がりのリハビリみたいなドライブ旅だ。
旅は、どんなに小さくても、一期一会が楽しい。あんまり予定を詰め込まずに、行き当たりばったりが一番かな笑。今から珠洲の芸術祭へ向かうのだが、行きと帰りは別の道を走ろうと思う。まぁ能登へのドライブだから、結局一周してくることになりそうだ。
今回は、そんな往復360㎞のドライブで出会った「食べ物」のハナシを書こうと思う。

寄り道をしてしまい、お腹を空かせたまま珠洲に到着した。さっそく芸術祭のインフォメーションセンターへ向かった。受付の若い女性は芸術祭のことを、いろいろ丁寧に教えてくれる。ここには能登丼とかスズ定食とかランチマップとか、様々なパンフレットも置いてあるのだが、見たところでよく分からない笑。
だから受付の彼女に昼めしのおすすめ先を尋ねてみたら、う~んと考えながら、私はここのカフェのやつが一番好きかも、と言う。この窓口の隣のカフェのことだ。なるほど、それなら便利だ笑。
お店の名前は「E’café」、どうやらイーダッシュカフェと読むらしい。施設の内装は、まぁなんというか「独特」だ笑。カフェは、おばさまと、おばあちゃんが二人でやっている素朴なお店だった。でも、あっという間に行列になったから人気店なのかもね。
さっきのパンフレットにあった能登丼とスズ定食というのは、企画に参加する飲食店がそれぞれ独自に提供するメニューの総称だった。このカフェの能登丼は「能登牛ローストビーフ丼」、スズ定食は限定5食の懐石弁当風のやつだ。僕たちはもちろん両方食べてみることにした。
入り口の小さなキッチンのカウンターで注文して、先に会計する。しばらくすると〇〇をご注文の方~、と大声を上げながら、テーブルまで運んでくれる仕組みだ。この能登牛のローストビーフが意外に美味しい。弁当の方は、まぁそれなりかな笑。ちなみに能登丼を食べた人には、お箸(輪島塗らしい)がプレゼントでもらえる。

芸術祭を巡って走って、珠洲で最後に訪れたのはスズ・シアター・ミュージアムというアート施設だった。中にはいくつかの作品が展示されている。その建物は古いのだが、同じ敷地の中に、真新しいカフェが誕生したばかりだった。店名は「潮騒レストラン」といって、まぁパスタやプレートランチも出しているのだが、いわゆるカフェだ笑。
建物は、有名建築家・坂茂さんの手によるもので、とてもかっこいい。丘の上から海を見下ろす開放的なテラスのようなデザインかな。あいにくの天候だったのだが、晴れた日に訪れれば、とても見晴らしがいいはずだ。
このカフェの(建物の)入り口あたりには、芸術祭のインフォメーションデスクがあって、アート系のショップも兼ねているから、グッズも売っている。
僕たちは「えびす南瓜のチーズケーキ」と「揚浜塩田の塩チョコレート」というスイーツと珈琲でひと息ついていた。ちなみにここの料理やメニューは金沢の某レストランの監修らしい。まぁ外浦のドライブにはおすすめのスポットかな。

輪島の朝市は朝8時から、その食堂は8時30分かららしい。着いたのは少し早くて、露店の若い売り手や商店主たちがオープン作業でバタバタしていた。すでに準備が終わって元気に声を掛けてくるのは、輪島のバァバたちばかりだ笑。
食べるメニューも行きたい店も先に決めてあった。ある食堂の「寿司の盛り合わせ」と「能登ふぐ丼の白子のせ」というやつだ。店はそれこそ「港の食堂」って感じでバタバタなのだが、QRコードでオーダーするスタイルだった、時代だなぁ笑。接客を担当するのは、僕たちと同年代の元気なおっかちゃんで、そのまま口頭でのオーダーでも大丈夫だよ、と教えてくれる笑。
さて能登ふぐ丼だが、白子のせ、の白子はもちろん「フグの白子」だ。すし飯の上にフグ刺しががたっぷり乗って、その中央に生の白子がで~ん、と座っている。鮮度が自慢なのだろうが、焼いたり揚げたりの白子しか食べたことがないから、こんな僕でも正直ちょっと引いた笑。まぁ何事も経験だ。
どうやら、専用のポン酢で食べるのがおすすめらしい。もみじおろしやネギをたっぷり使って、ワシワシと口に運ぶ。まぁ白子の味は物足りない笑。ふぐ漁は秋に始まるはずだが、白子が立派になって美味しくなるのは、もう少し後なのかなぁ。ちなみに、ここの能登ふぐ丼も、あの「能登丼」のひとつだった。だからやっぱり輪島塗のお箸がプレゼントで付いてくる笑。

輪島からの帰路は、海側の道を選んでのんびり走ることにした。珠洲での「アート作品のラリー」も楽しかったし、カフェや食堂を探して楽しむのも、僕たちにとってはラリーみたいなことかもしれない。
まぁそんな「ラリーつながり」の気持ちもあって、最後に立ち寄ったのは、あの「千里浜レストハウス」だった。いわゆる千里浜なぎさドライブウエイのゴール地点にある商業施設だ(うん、懐かしいよね)。少し前に生まれ変わって(ちょっとだけ新しくなって)、その中に「SSTR CAFE」というやつができた。名前の通りカフェだ。
読者の同級生の中には、SSTRと聞いてピンと来る人もいるかもしれない。サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリーの頭文字をとったもので、ある有名な冒険家が提唱した「オートバイによる独創的なツーリングイベント」の名前らしい。僕はあるとき、それを知った。
文字通り、参加者が日本各地の東海岸から、日の出とともにバイクで出発し、日没までに千里浜にゴールする、というラリー(イベント)だ。このカフェはおそらく、そんなラリーを知るバイクファンたちの聖地のような場所なのかもしれない。
ちなみに、店内には提唱者がバリダカールラリーで実際に使用し完走したときのバイクが展示されている。僕はバイクファンでも何でもないのだが、そんな趣旨や発想にはすごく反応する笑。
小さなカフェなのだが、海側(千里浜の海岸側)の広いデッキに出ると、とても気持ちがいい。まぁ、できれば夕陽がきれいなタイミングで、熱い珈琲を飲むなら最高のロケーションということだ。
●このカフェのアルバム4枚(タップして右へ)

帰り際のこと、ここの売店で「千里浜の砂」を一袋100円で売っているのを見つけた。浸食によって減少した砂浜の復活を願う小さな運動のようだ。売られているのは、風で飛散したり吹き溜まりに残った千里浜の砂で、それを再び千里浜に戻すということらしい。さっそく買って、車を波打ち際に停めて、そこに巻いてきた。
僕は、寄付のたぐいの広報や勧誘は、どうしても好きになれないのだが、自分で見つけた小さなことは大事にしたいと思うタイプなのかもしれない。これもまぁへそ曲がりってことかな笑。

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