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2023年12月15日

釜めし、角打ち、香箱おでん

おっさんたちの忘年会ウイーク
それみろ、やっぱり晴れたぜ。誰に自慢するでもないのだが、朝一番に庭に出て、真っ青な空を見上げて、一人ほくそ笑んでいた。ホントに雲がひとつもない笑。
恒例の「昼の部」は、仲間たちと懐かしい店で昼めしを食べて、ひがし茶屋街あたりで「観光客ごっこ」の予定だ。12月最初の土曜日、待ち合わせは金沢駅だった。秋の金沢観光は11月一杯で終わりだから、茶屋街もきっと静かで大丈夫だよ、と聞いていたのだが、それにしても駅構内の混雑はけっこう凄い。ちょっと嫌な予感がした。
店の予約時刻まで30分ほど時間がある。周遊バスだ、タクシーだと言いながら、結局、店まで歩いて向かうことにした。こんな年齢のおっさんたちは、日常的に散歩する日々になっているらしい。30分はそれにピッタリの時間なのだ。別院通りを抜け小橋に向かおう。3キロだ、俺は2キロだ、という会話は、距離のことではなく、最近のダイエットでの減量自慢のハナシだった。体形のこともあるが、体重は、おっさんの健康のバロメータということかな笑。

昼めしの会場に選んだのは小橋の「福わ家」だった。ここで「釜めし」と「太打ちのうどん鍋」を食べるつもりだ。あの有名な女将さんの金沢弁丸出しトークも、ちょっと懐かしいが、この相棒たちには、この店に共通の思い出があるらしい。
同窓会だと聞いて、女将さんが用意してくれたのは、中庭に面した明るい席だった。いわく一番いい部屋なのだそうだ。ちょっと低い堀座に、大きな身体をねじ込んで、メニューブックを開くことにした。相変わらずスタッフのメニュー説明はとても丁寧だ。どれも興味が沸いて、おっさんたちは選ぶのに苦労する笑。結局、鍋+鍋+釜めしを選んでシェアすることにした。それぞれ、いわゆる一式(コース仕立て)なので、何品も出てくることになる。
テーブルには、大量の取り茶わんやしゃもじ、さじや箸、漬物が順に並び、そこにスターターのお抹茶と野菜の干菓子が続いて、大渋滞になる笑。さらに頼んだビールには、前菜(女将さんのプレゼント)まで付いてきたから、もう大変だ。
商品名はどれも独特なので、文字での再現は(紹介は)できないのだが、要するに「うどん」は天ぷらの鍋、豚とたっぷり野菜の鍋、そして「釜めし」は牡蠣のそれだ。うどんの最後には「おじや」が付くから、おっさんたちは満腹悶絶することになった笑。まぁとにかく、楽しい昼めしになったのは、ご想像通りだ。
●楽しい釜めし鍋うどん(タップして右へ)

別腹ですから、と言われて出てきたデザート(たぶんブランマンジェ)をパクつきながら、散策ルートの作戦会議だ。ルートは主計町~ひがし茶屋街なのだが、日ごろ行かない裏道あたりや、卯辰山への坂道にもちょっと興味がある。立ち寄り先の候補もいくつかあるのだが、満腹のおっさんたちは、もう食べれない。そしてなんと、お酒も欲しくない(でも結局は飲むことになるんだけど)笑。
主計町は川べりも路地もとても静かだった。だから驚いたのは、茶屋街のメインストリートだ。12月になっても、やっぱり観光客であふれている笑。少し歩いて入ったのは酒屋さん(酒販店)だった。そこでは地酒の「角打ち」が出来る。いわゆる酒の立ち飲みだ。僕たちは「飲み比べセット」で楽しむことにした。県内の酒ばかりだが、飲んだことのないやつばかりだ。ここも混雑していて、最近の若い人たちがひっきりなしにやってくる。今の若者旅って、こんなスタイルなんだなぁ。
表通りが混雑する一方で、一本裏道へ入ると、さすがに静かな風情を楽しめる。ゆっくり歩くと、日ごろ見落としてるような小さな気付きがたくさんあるものだ。どこかに遅い紅葉はないかなぁ、と探していたのだが、加登長近くの広見で、きれいなやつをようやく見つけた。これで宿題終了だ。
行きたかったスパイス専門店は面白かったし、その近くの古い喫茶店(金魚で有名?)にも興味を持った。後から気づいたのだが、その先に和菓子の「吉はし」がある。予約主体で、午後は品切れ必至らしいが行ってみればよかったかな。
まぁ予定はともかく、それなりの達成感もあって、帰ることにした。帰路のどこかでゆっくり珈琲ブレイクしようと、カフェを探すのだが、まぁ当たり前のようにどこも満席だ。さらに散歩は続くのだが、こんどは喫茶店そのものがない笑。
●おっさんぽ2023秋のアルバム(タップして右へ)

結局、珈琲を飲めたのは金沢駅のスタバだった笑。実は途中のホテルでタクシーを呼んでもらい、先に逝った仲間の墓参りをして、ようやく駅に戻ってきた。そろそろ「夜の部」の集合時刻だ。別の仲間がここで合流する。みんなで、みひろへ向かおう。
面白いもので、食べたいおでんには、いくつか共通点がある。梅貝と香箱のおでんのふたつは全員一致で人数分の注文だ笑。そういえば今年は香箱蟹を食べる機会が例年になく多かった気がするのだが、この「香箱おでん」だけは今年初だった。今日のやつは大きく立派で旨かった。
ビールを中断して、日本酒に替わったのは、この香箱のせいだ。みんなはもちろん冷酒生酒なのだが、僕だけ相変わらず、ぬる燗コップ酒だ笑。まぁ自然体で季節を感じるから、ってことかなぁ。
やっぱりこの日も、みひろは忙しい。いつもなら一緒に彼と飲むのだが、この日の彼は、僕たちのテーブルまで中々やってこれなかった。一方テーブルの僕たちの会話はてんでバラバラなのだが、飲み物のお替りは活発で、やっぱりついつい飲みすぎてしまう。
翌朝になって、最後に撮った写真に気付いた。テーブルに座る仲間たちの一枚だ。いつになくみんなの笑顔が印象的に見えた。たぶん酔ってるからなのだが、歳を重ねても、何年たっても、こんな笑顔で集まりたい、心からそう思った。
●夜の部のアルバム(タップして右へ)

ちなみに、翌日の夜、仲間の一人から「作ってみた」というカレーの写真が届いた。茶屋街で買ったスパイスカレーのキットを、さっそく試したらしい。美味しそうな写真と一緒に、エプロン姿でキッチンに立つ笑顔の彼の写真もある。まぁドヤ顔ってやつかな笑。

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