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2024年04月12日

ホテルの時間「福井で一番高いビルらしい」

このホテルのラウンジは16階にあった。内装はシンプルだが落ち着いたテイストだ。奥のソファー席はゆったりしていて気持ちよさそうだが、やっぱり16階からの眺望に惹かれて窓際の席を選んだ。利用客は僕たちを含めて2組しかいない。だからとても静かだ。
大きなガラス窓からは福井市街が見下ろせる。左手の先に、丘のように見えるのは足羽山のようだ。つまりその下にあるのは桜並木で有名な足羽川だ。もうすぐお花見だから、この席から山の桜と川の桜の共演を楽しむことができるようだ。ちょうど2年前、僕たちの「おっさんぽ」のとき、あの足羽川の桜のトンネル(桜並木)を歩いたっけ。それは見事な景色だった。
まぁそんなことを思い出しながら、ゆっくりカフェラテを飲むことにした。ここなら夜のバータイムも楽しいかもしれない。それにしてもこのラテは何かおかしい、そうだスチームドミルクを忘れてるのかもしれない、おいおい笑。

このホテルは、新幹線の延伸開業の日に同時オープンした。福井駅前の再開発地区に新しく誕生した27階建てのビルの上層階(14~27階)にある。地上120mのこのビルは福井では一番のっぽのビルらしいから、福井駅前の新しいランドマークになるのだと思う。
ビルのてっぺん(つまり27階あたり)の外壁に「COURTYARD」とホテル名(ブランド名)が表示されているのが見える。地元の人たちはマリオットが出来ると言っていたのだが、正しくはマリオット系列の中規模・中価格のホテルだ。地方都市では有名なブランド名だけが一人歩きしてしまうのだが、まぁここ福井にもマリオットが進出したのだから、間違いという訳でもないかな。
最近のことでいえば金沢駅西口のあれ(ハイアット系)、富山駅前のそれ(ヒルトン系)のオープンのときと同じで、興味がある僕は、さっそく行ってみることにした。もちろん近すぎて泊まるのは現実的ではないから、カフェやバーなどの施設を利用するだけだけど。

ここは、駅で吠えるティラノザウルスの後ろ側、その歩道を渡るとすぐにある。そのオフィスビルのような小さなエントランスから入ると、長いエスカレーターが2層続いて、3階のエレベーターホールに出る。小さなデスクに若い女性スタッフが一人いるので「どこかで珈琲が飲みたいんだ」と常套句を投げると、彼女は専用エレベーターを呼び、16階のラウンジ&バーの利用をすすめてくれた。
エレベーターはすぐにくるのだが、それまでのあいだは、横に立ってレストランやフロント階のことなどを笑顔でわかりやすく説明してくれる。うん、なかなか素晴らしい対応だと思う。新しいホテルだからスタッフは一所懸命だ。がんばれ~と激励したい笑。
16階はびっくりするほど広かった。というより、フロアに無駄なものは何もないからそう見えるのかな。突き当りのラウンジまで真っすぐ向かうと、なんとフロアの四方から福井の街並みが見下ろせる。そんな大きなガラス面が四方にあって、いわゆる福井の景色(借景)が、それぞれ楽しめる感じだ。
ちなみにこのフロアは、大きな吹き抜けの上階で、下の(15階の)レストランを真上から覗けるような構造になっている。なかなか大胆な空間デザインということかな。

そういえば福井駅前にはホテルが少ないのだそうだ。とはいえ金沢も富山も、新しいホテルが増え始めて、いわゆるホテルの開業ラッシュになるのは、開業後しばらくたってのことだ。福井もそんな展開になるのかもしれない。
さて、このビルの1~2階にも新しい商業ゾーン(飲食タイプ)が延伸開業と同時にオープンした。デザインもレイアウトもクールだから、今風の感度の高い人たち向けの施設という感じもする。福井駅舎の施設は従来通りシニアが楽しめる場所だから、両方あって楽しいってことかな。
以前の金沢がそうだったが、シニアたちは知ってる場所が新しく便利になることは歓迎するが、居場所が浸食されて不便を感じると抵抗感を示す。昔の方がよかった、と言ったりするものらしい笑。でも街には新陳代謝も新しい風も必要だから、それは次の若い世代のシゴトなんだと思う。こんな施設が根付くことを願おう。

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