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2024年08月23日

散歩の途中で「ぶらり、松本城」

旅の最終日、朝の小淵沢駅は意外ににぎやかだった。改札前の狭い通路にはシニアの方々が圧倒的に多くいて、そのスタイルからすると山行を楽しむ人たちばかりのように見える。同じような年齢だが、トランク片手の僕たちはなんか浮いてる感じだ笑。
まぁどっちにしても世の中のジジイとババアは元気ってことだ。屋上の展望台?から見える山々には雲がかかっているが、青空が広がり始めていた。今日は暑くなるのかもしれない、だからジジババには気合が必要だ、今日も元気に行こ~ぜ笑。

さてそんなハイテンションの僕たちは、小淵沢から金沢への帰路に、松本へ立ち寄ることにしている。さほど目的があった訳ではなく、どうせ乗換えするのなら、ちょっと時間を取って歩いてみようか、そんな感じで決めたことだった。まぁ2時間ほどだが、いつものぶらり散歩ということだ。
松本と言えば、やっぱり松本城かなぁ、誰もがそう考えるように、最初にそう思い付いた。国宝?、日本最古の天守閣?、まぁ僕が知っているのはそれくらいかな。なぜか半世紀前に(大学1年生の時だ)天守閣に登ったのだが、それ以外は全く何~んにも覚えてはいない。
散歩とはいえ、せめて地図くらいは理解しておきたいから事前に少し調べておいた。そして食いしん坊だから、やっぱり蕎麦は必須だ。お城の近くの人気蕎麦店を3店リストしておいた(仮にABCとしておく)。どれも名店っぽいから、楽しみだ。
1時間ほどで松本駅に着いた。駅のコインロッカーにトランクを入れ、タクシーで松本城へ向かった。運転手さんによれば、昨日の大混雑に比べれば今日の観光客はそれほどでもないらしい。とはいえ天守閣への待ち時間は相当かかると脅された笑。
●国宝松本城のぶらりアルバム5枚(タップして右へ)

松本城の周辺は僕のつたない記憶とは違って、りっぱな観光地に変貌していた。交差点を渡ると公園になっていて、公園の林を抜けると内堀に浮かぶ松本城(天守閣)がいきなり現れる。これはこれで見どころ、なんだろうな?。
さらに入り口の「黒門」の手前でチケットを買い、その桝形を抜けると広い芝生(本丸の跡地?)に出る。その向こう側に再び天守閣が現れる。この芝生越しに眺める松本城(天守閣)が、たぶん一番有名な「絵」だと思う。たしかに美しい。お城は遠目で観るのが一番いいよね。
普通の観光客は、このまま天守閣への見学ルートへ進むのだが、この時点での待ち時間は50分らしい。僕たちは「や~めた」と簡単にあきらめて、反対方向に、つまり天守閣からの出口方向へと進んだ(ホントは禁止ルートかもね)。
でもまぁ、出口だけど、間近で見上げる天守閣も迫力満点だった。お城の見学はこれで十分だ笑。
僕たちシニア夫婦は、早々にお城を出て「城下町ぶらぶら」を始めることにした。それにしても今日は暑い。盆地だからかなぁ、風もないから吹き出す汗が止まらない。
●城下町ぶらぶらのアルバム8枚(タップして右へ)

城下町・松本の、街の歩道は整備されていてとてもきれいだ。少し進んだあたりで、大きくて面白い「蛙のオブジェ」に出会った。どうやら縄手通りという人気エリアのようだ。川の両岸に沿って素敵な商店街(まぁ散策路かな)が続いている。
実は蕎麦屋Aを探していたはずだが、途中で見落としたようだ。でも楽しそうだからそのまま歩いた。Aがダメでも蕎麦屋はこの先にBとCがある。ちなみに「蛙」はこの商店街のシンボルらしい。さっきのオブジェにも「ガマ侍」という名前がちゃんと付いていた笑。
ちょっと横道にそれると、神聖な神社があって、その境内に草で編んだ大きな「輪」がある。茅の輪(ちのわ)というものらしい。それをくぐれば、心身のけがれや禍の原因を清めてくれるらしい。禍だらけの僕にはピッタリな気がして、真面目にくぐったりした笑。
そんな「けがれ」が無くなった身のはずなのに、蕎麦屋Bには長い行列がついていてNG、蕎麦屋Cは(連休だから?)予約専用営業の貼り紙が出されていた。つまり入れない笑。やっぱりついてないのだ。
容赦のない気温に押されていたから、仕方なく、近くにあった蔵みたいなレトロ喫茶に入って、冷たくて渋めの緑茶と和菓子で涼をとることにした。誰もいない店内はとにかく静かで、流れる時間も渋い店だった。

仕方なく松本駅へ向かったのだが、その途中に一軒の(予定外の)蕎麦屋を見つけた。3組ほどしか並んでいないから、もうここでいいかも、そんな感じだ。店頭のメニューには珍しく「とうじそば」が書いてあった。とうじと呼ばれる竹の籠に蕎麦をひとくち入れて、鶏や野菜の温かい汁に浸して温めながら食べる、そんな蕎麦の郷土料理だ。
これだ~、と並ぶことにした。でもしばらくして、とうじそばは夜専用のメニューと判明してがっかりするのだが、そのまま並ぶことにした。まぁ食べたこの店の蕎麦は失敗だったのだが、唯一の救いは「山賊焼き」が旨かったことかなぁ。
山賊焼きというのは、いわゆる鶏の唐揚げ(一枚揚げ)なのだが、長野のB級グルメのひとつだ。名前の由来が面白い。山賊は旅人から大事なものを取り上げる(とり・あげる)。なるほど「鶏・揚げる」から山賊焼き、というらしい。でも、揚げと焼きは違うけどなぁ、まぁ謎だ笑。

さて、2時間ほどの松本散歩は、これで終了だ。松本の思い出は何ですか?、いつか誰かに聞かれたらどう答えるのだろう。へそ曲がりな僕はきっと「山賊焼きの謎」のことを一番に上げるのかもしれない。
ちなみに入れなかった蕎麦屋ABCはそれぞれ「三城」「野麦」「草庵」という。よさげな店だから名前だけ残しておくので、興味ある方はぜひどーぞ。

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