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2017年12月15日

一年に一度しかないTV番組

愛すべき「22分50秒」
この番組を始めて観たのは、もう15~16年前のことだ(正確には2001年だった)。深夜に何となく点けていたテレビで、一人で歌う小田さん(小〇和正)に目が留まった。
どうやら静かなソロコンサートのようだ、と思った。曲の間のMCの時に、小田さんが手紙を読み始めた。それは犬猿の仲と噂されていた山〇達郎からのものだった。実は小田さんが出した出演依頼の手紙への達郎の返信で、その趣旨に賛同しながらも出演を断る内容だった。返信の紹介の後、小田さんは達郎の「クリスマスイブ」を静かに、しみいるように歌い始めた。これが小田さんのライブ「クリスマスの約束」との出会いだった。
小田さんが7組のアーティストに書いた手紙が紹介され、この番組の(というか小田さんの)趣旨が分かり、とても感動した。結局7組全員が出演を辞退し、小田さんが一人で7組の代表曲を歌うという異例のコンサートだった。
その後、視聴率に支えられたのか、この1年に1度きりの番組は継続し、毎年クリスマス前後に放映されるようになった。ほぼ固定の出演者による「小委員会」や、毎回のゲストアーティストの顔ぶれが楽しく、そのたびにテレビの前に陣取り、ゆっくり見て、後日、録画をもう一度見る、という大事な大事な番組になった(笑)。
中でも2009年の「クリスマスの約束」では、趣旨に賛同した20組のアーティストが、それぞれの代表曲を順に歌いつなげていき、全員がバックコーラスをするという、信じがたいメドレーを披露してくれた。そのタイトルは「22分50秒」と名付けられていた。このメドレーの所要時間だ。音楽のチカラに心から感動させられた時間だった。
昨年(16回目)のゲストは宇多〇ヒカルだった。彼女は第1回に出演辞退した7組の一人で、当時の辞退エピソードも解説され、大人になった彼女の、この16年間の知らない一面が垣間見られた。次回のこの番組はクリスマス当日の深夜にオンエアされるという。僕よりヘビーな小田さんファンはたくさんいると思うから、そんな人からは「知ってるよ」と笑われるのかもしれないが、クリスマスが近づくと誰かに話したくなる楽しい深夜番組だ。知らない方は、Wikipediaなどでぜひ調べてみてほしい。
あるときから僕は、何人もの友人たちとこの番組のことを語り、話題にしてきた。年に一度の大事な一日のために懸命になること、参加者一人一人が輝くこと。この番組が、27期の合同クラス会を企画するきっかけと言っていい。クラス会の招待状に記した「8月の約束」というフレーズは、小田さんへのオマージュだ。

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