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2020年03月06日

気分は軽井沢「空気感が調味料」

中止発表から1週間。たくさんの人たちから「ありがとう」のメッセージをもらった。お詫びの告知なのに、みんなからの感謝の言葉をもらって、正直なところ驚いていた。公式LINE、個別のLINE、PCメール、携帯メール、そしてSMS(ショートメッセージ)・・・ほんとにたくさんもらった。みんなのコメントが「元気出せよ」に見えて、何度も読み返すうちに、文面が涙で曇った。まぁ最近は涙もろい(笑)。今回アップしたこの原稿は、中止が決まる前に書いて、先週アップ予定だった軽井沢情報のひとつだ。まぁ今となっては「幻の企画」のボツネタのひとつなのだが、事前に約束した情報なので、そのまま載せようと思い直した。よかったら読んでみてほしい。
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今回は、以前に約束した通り「軽井沢グルメのミニ情報」と題して、いくつかの店を紹介しようと思う。だけど、いつものように概ね僕の体験談や、あいまいな記憶しか書けない。ヒトの好みはそれぞれだから、そのあたりは先に謝っておきたい。僕のやつは間違いなく片方に寄っている(笑)。だから今回は、正式な軽井沢情報ではなく、あくまで編集後記的な気軽なお話。

軽井沢は、当たり前だが長野県と群馬県の県境にあるから、両県の代表的な「ご当地グルメ」みたいなやつがたくさんある。野菜や果物、山菜や川魚、味噌や木の実・・・どこの田舎にもある「お土産の宝庫」なのは、ここ軽井沢も同じだ。一方で、避暑地としての軽井沢には、外国人や別荘族の御用達のような食文化が生きている。概ねそれらは、地味で、本物感や老舗感が漂っていて、ひっそりと存在している。僕はこんなやつに惹かれる。決して高級という訳ではない。どちらかというと質素で「粋」だ。
また逆に、この地を訪れる「旅人」たちをターゲットにした店も多くある。そんな店は概ね道路に面した目立つ外観をしている。若い経営者や料理人の個性が前面に出ていて、軽井沢の「今」を感じる。これはこれで楽しい(今回紹介するのは概ねこっち)。美味しいレストランや、心落ち着くカフェ、と表現するものの、軽井沢の店は、実はそんな多彩な顔を持っている。そんな個性に共通するのは「軽井沢の空気感」という調味料だ。

とりあえず、エリアごとに書いたり、業種ごとに書いたり、関連して思い出したことを紹介してみたい。イメージしているのは、みんなの「ランチ」とか「カフェタイム」かな。すでに発表した「モデルコース」に沿って書こうと思う。まずは、何度も出てくる「星野エリア」のレストランを紹介しよう。そのスタートは商業施設「ハルニレテラス」だ。
●気軽なイタリアン「イルソーニョ」。近隣の鮮度抜群の高原野菜を見事なイタリアンに仕上げる。改装したばかりで席数も増えたようだ。僕は改装前しか知らないのだが、サラダや生麺のパスタは秀逸で、信州ビーフのビステッカも抜群に旨かった。今のランチはバーニャカウダとか、ピザ(薄焼きだからローマピッツァかな)、パスタがおすすめらしい。
●蕎麦の「せきれい橋 川上庵」。旧軽通りの川上庵の支店。本店同様に旨い信州蕎麦が食べられる。くるみダレで食べる蕎麦もおすすめ。蕎麦屋なのに楽しい単品料理が多彩だ。外に素敵なテラス席があるので、そこがおすすめ。●ベーカリーレストラン「沢村」、これも支店。パン屋なので朝早くから営業している。朝の散歩の途中に立ち寄った時、ここの朝食(特に焼きたてのクロワッサン)は最高に旨かった。●カフェ「丸山珈琲」。店内には軽井沢や長野のローカルな雑誌や書籍がたくさんあって、自由に読みながら旨い珈琲を味わえる。もちろん気軽にテイクアウトもできるので、ドリンク片手に散策に出ることもできる。
●ハルニレテラスには、これ以外にも中華の「希須林」がある。僕にとっては軽井沢の中華は失敗続きで良い思い出がない(笑)。そんな僕にとって「希須林」は使ったことのない店のひとつで、詳しくは分からないが、内装やテイスト感を見る限り、とても「そそられる店」なのは間違い。ここにも、いつも長い列が付いているのが、その証拠だ(笑)。

●遊歩道の先、トンボの湯のそばには「村民食堂」がある。まさしく現代の食堂で、蕎麦、丼、定食や膳など、気軽なメニューが揃っていて、老若男女に人気の店だ。●ホテル・ブレストンコートの「ラウンジ」の午後は、人気のアフタヌーンティーを目当てに訪れる女性グループがたくさんいる(笑)。確かに女性誌やテレビ局の取材にしばしば登場する人気スポットだ。
●中軽井沢でのディナーのおすすめは「ユカワタン」。森の中にひっそりと営業する「軽井沢フレンチ」の名店だ。ホテル客でなくても利用できるので、軽井沢で連泊する方には一番おすすめしたい。彩り豊かな料理にワインペアリングを添えれば至福のひと時だ、きっと思い出の夜になる。

次は、軽井沢駅周辺の紹介。軽井沢の北口にはロータリーがあって、タクシー乗り場やレンタカーやレンタサイクルの基地などがる。本来なら「正面玄関」にあたるのだろうが、何もない(笑)。地元の小さな居酒屋や自称BARなどがポツポツあるだけだ。僕の経験は多くないが、レンタカー屋のスタッフに紹介された居酒屋は、失敗だった(笑)。●唯一のおすすめは、ロータリー右手にある「茜屋珈琲店」。いわゆる喫茶店なのだが、独特な内装や醸し出す雰囲気は、大物やホンモノを思わせる不思議なカフェ。旧軽通りの奥にも1店ある(東京にも同じ名前のカフェがあるのだが関連は不明)。
●南口を抜けると、アウトレットだ。アウトレットの中だから、フードコートや食べ物街が併設されている。グルメ情報と言ってよいような店は思いつかないが、歩き疲れたら「カフェ・コムサ」かな。店頭のショーケースに陳列されているフルーツタルトがおすすめ。もちろん「スタバ」や「タリーズ」もあるから安心だ。●有名な久世福商店(大和にもある)を知っている人なら、ここには「久世福食堂」というレストランがある。久世福商店が、そのままイートインになっている感じだ(笑)。

最後に「旧軽井沢銀座通り」とその周辺のグルメ情報を紹介したい。●軽井沢駅から向かうと2軒の有名なピザ屋がある。「アトリエド・フロマージュ」と「エンボカ」だ。ピザ屋と書いたが、前者は(名前の通り)チーズの専門店がやっているイタリアン。後者は地元の野菜を堪能できる行列のピッツェリア(イタリアン)だ。
さらに進んで、ロータリー付近には、蕎麦の「川上庵」、和食の「酢重」、ドイツ料理の「キッツビュール」、ベーカリーレストラン「沢村」など、公式ホームページでたびたび書いてきた老舗店や人気店が集中している。
●酢重は、正しくは「レストラン酢重正之」という名前で、軽井沢の食材や風土を料理として提供する、いわば軽井沢和食の店だ。もともとは味噌や醤油の老舗だったようで、それがレストランという形で表現されるようになったという話だ。だから、どの店にも物販の売り場がある。僕が初めて知ったのは、東京駅の向かい側「新丸ビル」にある酢重で、当時から存在感がある人気店だった。その後もミッドタウンや渋谷ストリームにも出店していて、今や軽井沢フードを象徴するようなレストランになった。そんな軽井沢フードを現代的な軽井沢スタイルで提供するから、今日も開店時刻前から列が付く(笑)。

旧軽通り周辺には、数え切れないほどのカフェ(新)や喫茶店(旧)がある。表通りは1階にも2階にもあるし、一本横道に入っても小さくて個性的な店がある。どこかで書いたが、ジョンレノンゆかりのカフェが多くある。そんな店も軽井沢らしい。僕も、歩き疲れてぶらりと入る。ダメだったり良かったりは、毎度のことだ。だから記憶に残ったものが意外に少ない。●そんな中で、以前紹介した「ちもと」は特別な存在だ。旧軽通りの一番奥の方にあって、まさに「峠の茶屋」のように見える。焼きたての団子や、白玉をたっぷり乗せたあんみつを食べると、ほっとする。でもそんな店でも、横のテーブルではマダムたちがビールを片手におしゃべりしている。どこも旅するマダムは最強だな(笑)。
ちなみに、軽井沢駅の駅舎は小さいのでカフェなどはない(笑)。あるのは一部の物販店だけで、「峠の釜めし」や長野的な「おやき」とか「野沢菜」とか「ジャム」くらいかなぁ。まぁ土産物の情報は、こんな僕には無理かな。

・・・おまけ・・・・・・・・
ようやく本日、コアタイムのレストランにキャンセルを申し入れた。何となく気が重くて連絡できなかったのだが、いざ電話してみると、さも当然のように受け入れられて、ちょっと複雑だった(笑)。いま軽井沢はとても静かなようだ。ここも同じように渦の中なのだろう。

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