散歩の途中で「東京タワーを迂回して」
白い巨塔に巣くう腹黒いオトナたちが、豪華な鉄板カウンターで分厚いステーキを行儀悪く喰らい、高そうなワインを片手に「大門をつぶせ」と悪だくみする。そんな人気ドラマのワンシーンが収録される有名なステーキ店がある。銀座のUかい亭という豪華なステーキ店だと言われている。僕も、そこのカウンターで悪だくみ、いやいや、旨いステーキを一度食べてみたい(笑)。ずいぶん昔のことだが、八王子の山奥にある僕の大学の近くに、広大な敷地を持つ「Uかい鳥山」という店があった。当時は、大学教授や偉いヒトたちが使う高級な料亭だったと記憶している。たしか当時は野鳥料理がウリだったと思う。敷地内の池で「鵜飼(うかい)」のショーでもやってるんじゃないかと思っていた(笑)。これがこのグループの創業の店だ。
そして、いま目の前にあるのが「とうふ屋Uかい」。同じグループの1軒で、最高の豆腐と日本の四季を提供するハイレベルの和食店だ。まぁウリは「豆腐」で素朴な店だったのに、今ではけっこうな高級店になったようだ。でも今日は、正月休業らしい(笑)。
元旦の東京は行先に困る(まぁそれは東京だけのことでもないかな)。普段行くような街は、どこも正月休業だろう。しょせん、元旦は観光客のための場所しか営業していないことを自覚して、さしたる目的もないまま、どこかピンと来たところへ行こうと思っていた。僕だって立派な観光客だ、だけど悲しい程のノープランだった(笑)。
初詣スポット(それなりに有名などこかの神社)の近くなら、営業しているかな?、でもやっぱり初詣自体が重労働になる、きっと恐ろしい人出だろう(笑)。神社がダメなら「寺」はどうかな?、と浅草寺が浮かんだのだが、人間洗濯機のような仲見世が浮かんで断念した。そして、何の目的意識もないまま、何十年ぶりに「東京タワー」を目指して地下鉄の階段を降りて行った。元旦散歩の始まりだ。でも欲を言えば初詣もしたい。
芝公園へ向かう途中に「増上寺」があった。なるほど、ここでいいじゃないか、と初詣、いや初参りすることにした。さすがに「寺」はすいている(笑)。そして散歩は東京タワーへ続いた。東京タワーは、ある意味想像通りで、展望デッキへの長い行列と、●ンピースミュージアム?に並ぶ家族連れの行列が行く手を遮った(笑)。だから即座にあきらめた、さっさと折り返して戻ろう。そうして、道を「迂回」したときに、くだんの、とうふ屋「Uかい」の看板を見つけたのだった(元旦早々の寒いオヤジギャグだった笑)。
しかし、この店も正月休業だったので、やむなく芝公園まで戻って、あるパン屋(パンも旨いが、カフェも旨い)へ向かうことにした。そろそろどこかで座って、食事はともかくお茶でも飲んで休憩したい。ようやく着いたら、外に列はないので、ラッキーと思ったのだが、店内には溢れるほどの行列が付いていた(笑)。そのパン屋の名前は、Lパンコティディアン。ベルギー発祥のベーカリー&カフェで、世界中に店舗網があり、10年ほど前?に、この芝公園に日本1号店ができた。
店内でパンを買う人も行列、カフェを待つ人も行列だ。結局1時間ほどで、ザッハトルテと苺タルトにありついた。ちなみにカフェオレはフランス式で、カップに取っ手がなく、両手で包むように飲むスタイルだ。でもさすがに、どれも美味しい。
電車時刻も迫っていて、料理にも時間がかかるだろうからと「名物料理」は諦めることにした。でも、せっかくだから名物のタルティーヌ(独特のオープンサンド)を食べたかったなぁ。
Uかい(グループ) ukai.co.jp
Lパンコティディアン lepainquotidien.com/jp/ja/ →よりも食べログがいいかも「芝公園店」